【バルーンカテーテルを用いた胃静脈瘤硬化療法】

症例は、肝硬変がある患者さんで、肝硬変に伴う門脈圧亢進症によって胃静脈瘤がある方です。内視鏡で、胃静脈瘤を指摘されました。

食道静脈瘤の場合は、内視鏡にてほとんど治療すること可能ですが、胃静脈瘤は、内視鏡を用いた治療で、治療するのは難しく、通常バルーンカテーテルという先端に風船が付いたカテーテルで、胃腎短絡路を塞ぎ、逆行性に硬化剤を注入します。

* 一般的に、胃静脈瘤がある場合、その排血路が左腎静脈と短絡路を形成することが多いため、この治療が出来ます。
BRTO 1 BRTO 2
大腿静脈を穿刺、左腎静脈まで、シース(赤矢印)を留置しました。
バルーンカテーテル(黄色矢印)を胃腎短絡路まで、進め
次にバルーンを膨らませた状態で撮影したのが上の図です。
青矢印が先端のバルーンです。

緑矢印が静脈瘤を示しています。

*左右ともに同じですが、右側は、DSA(サブトラクション)画像になっています。

BRTO 3 患者さんの姿勢を左を下にしての斜位をかけた状態にします。

左の図では、オルダミンという硬化剤と造影剤(イオパミロン)と混ぜたものを静脈瘤に注入した状態です。


静脈瘤の部分に薬剤が入っています。
BRTO 4 注意深く硬化剤を注入していくと、造影の時には、はっきりと見えなかった静脈瘤の部分にも硬化剤が行き渡っています(緑矢印)。

当科では、この状態を約30分間を維持し、その後、バルーンカテーテルを抜去します。

この後、この患者さんは内視鏡を行いましたが、胃静脈瘤は消失していました。

当院では1ヶ月に1件の割合でこの治療を行っています。