入局後3年目の1日・1週間

 当科のスタッフ・後期研修医の予定表は、医局長がそれぞれの予定を加味して毎週作成しています。午前・午後の半日単位でCT、MRI、IVR、核医学、胃透視、コンサルト当番を割り振ります。この他、スタッフには学生の授業や初期研修医の指導も入ってきます。

 ここでは、実際に当科に入局した後期研修医の生活をお伝えします。

 

1週間の1例

月曜日

 毎朝7時45分から約30分間、レジデント勉強会を行っています。ケースレビューシリーズなど問題集を1日10問ずつ進めていきます。自分が経験したことのない症例も学ぶことができ、大変勉強になります。 勉強会が終わった後は、血管内治療室へ行き午前中のIVRの準備をします。この日はCVポート留置が2例ありました。これ以外にもTACE(Trancecatheter Arterial Chemoembolization)、BAE(Bronchial Arterial Embolization)、CTガイド下ドレナージ、ステントグラフトなど多彩な手技があります。多発外傷や子宮出血に対する緊急TAE(Trancecatheter Arterial Embolization)・UAE(Uterine Artery Embolization)などにも随時対応しています。 午後はMRIの検査当番です。依頼情報から適切な撮像方法を指定していきます。予想外の所見があった時は技師から報告があり、その場で追加撮像を指示することもあります。当院には最新の3テスラのMRIが2台あるため、興味深い症例は積極的に3テスラのMRIで撮像し、新しいシークエンスにも挑戦しています。午後5時からは画像カンファレンスがあります。その日の症例で教育的なものをスタッフが提示し、レジデントが所見・鑑別診断・最終診断を述べるという形式になっています。皆の前で答えるのは緊張しますが、プレゼン力がつく大事なカンファレンスです。

火曜日

 週に1日、関連病院で読影を行います。他病院でしか経験出来ない症例があったり、当院と違った機種で撮像されていたりと、いろいろと経験になります。外勤後には近医で当直バイトをしています。

水曜日

 午前のIVRは癒着胎盤に対する両総腸骨動脈へのバルーンカテーテル留置でした。妊婦に対する手技であり、できるだけ少ない被曝・造影剤使用を求められるのでとても緊張します。カテーテル留置後は手術室に移動し、出血時には留置したバルーンにより血流を遮断し、場合によっては子宮動脈塞栓を行います。午後はCT当番です。4台のCTでどんどん撮像されていくCTに読影レポートをつけていきます。撮像件数が多いため読影が大変ですが、見落としのないよう気をつけて読影しています。当科の特徴として、看護師さんが造影剤のルートをとってくれるので、読影に専念できてとても助かります。

木曜日

 午前は読影コンサルト当番です。読影コンサルト枠に入っている症例の画像の読影の他に、各科の先生から直接読影依頼に対応します。とても緊張する仕事ですが、とてもやり甲斐があります。当番の無い午後は、読影室でレポートを付けられていない画像を読影します。また、この時間を利用してプレゼンのスライド作成や論文作成などを行うこともあります。木曜の夕方5時15分からは小児画像診断部による小児画像レクチャーがあります。小児画像診断を専門とする放射線科医から、小児放射線領域についてまとまったレクチャーを聞くことができます。

金曜日

  金曜日の昼には医局でラディオロジーレクチャーがあり、最新のTopicについてレクチャーを受けることができます。その後には、レジデントや初期研修医による症例提示があります。月に1回はお弁当も出るので楽しみな時間です。午後3時には総合診療部とのカンファレンスがあります。総合診療部の先生から難しい症例の画像について質問があり、その場で放射線科医が画像の説明をするという形です。臨床所見ではなかなか診断のつかない症例も、画像では一発診断ということもあり放射線科医の腕の見せ所です。午後5時には病理・画像カンファレンスがあります。診断に苦慮した症例やめずらしい症例の画像所見を放射線科医がプレゼンし、病理医に病理所見について解説していただきます。画像所見の元となる病理像を理解することは重要で、とても勉強になるカンファレンスです。

 

以上の様に、朝の勉強会、毎日のカンファレンス、レクチャーと教育が充実しています。学会や研究会、セミナーへの出席も奨励されており、平日でも参加可能です。当科の雰囲気を感じてもらうためにも、是非一度見学にいらしてください。お待ちしております。