ごあいさつ

教授挨拶 (准教授挨拶はこちらから)

平成27年4月1日より自治医科大学附属さいたま医療センター耳鼻咽喉科教授を拝命いたしましたのでご挨拶申し上げます。

自治医科大学附属さいたま医療センターは1989年(平成元年)に開設されました。この四半世紀、地域の医療を担う中核病院としてまた大学附属病院として臨床、研究、教育に取り組んでまいりました。自治医科大学附属さいたま医療センター耳鼻咽喉科は、森田守教授、そして飯野ゆき子教授が頭頸部腫瘍、中耳疾患の治療・研究に先駆的な仕事をされ、また埼玉県内の重要な医療機関としての地位を築いてこられました。今後も、これまでのさいたま医療センター耳鼻咽喉科に求められた高次医療機関としての使命の継承とさらなる臨床、研究における発展を目指してまいりたいと思います。

耳鼻咽喉科は頸部から頭部の眼球、脳、脊髄を除く幅広い分野の疾患に対して薬物治療を中心とした保存的治療から手術治療を担当します。

聴覚、嗅覚、味覚、平衡感覚など生活の質に大きく関与する感覚器を扱うと同時に摂食・嚥下、音声言語、呼吸などの機能とそれに必要な口腔、咽頭、喉頭、鼻腔など専門的な診察を行います。このような疾患、部位の治療には他科と連携が必要なことも少なくなく耳鼻咽喉科領域のみならず他科と共同して治療を行える様々な知識やバランスのとれた耳鼻咽喉科医が求められています。

耳鼻咽喉科診療も専門化されてきていますが、すべての耳鼻咽喉科領域の治療の経験、考え方を持っていることがまず大切なことと考えています。

また、臨床医にとって研究に対するモチベーションは重要です。私自身も、基礎研究では大学院から米国留学時代にかけて蝸牛の聴覚生理学、音響外傷に対する防御機構の研究を行い、生命現象の合理性、その機序の美しさを感じ、一方で恒常性を変えることによる疾患をいかに治療していくかを考える重要性を学びました。基礎、臨床研究はより耳鼻咽喉科医としての幅を広げます。難治性の好酸球性中耳炎、ANCA関連血管炎の関与する中耳炎、好酸球性副鼻腔炎の病態、発症機序の解明などに取り組んでまいります。

当科の手術件数も年間700件を超え、特に中耳手術、鼻副鼻腔手術は全国的にも多い手術件数と良好な手術成績と評価いただいています。咽頭、喉頭、唾液腺、甲状腺など頭頸部腫瘍疾患に対する手術や眼窩・涙道疾患、頭蓋底腫瘍、聴神経腫瘍に対する手術治療、高度難聴に対する人工内耳挿入術など幅広い耳鼻咽喉科・頭頸部外科領域の治療を行っております。

当科で治療を受けられる多くの患者の皆さんに満足し喜んで頂けるように、最新の医療を提供し、丁寧な診療を行ってまいりたいと思います。 

 吉田 尚弘

准教授挨拶

 

  ー医師・医師を目指す方へー
現在9000人超える耳鼻咽喉科の医師がいますが、耳科学を専攻する医師が減少しており、耳手術が出来る医師が将来減少することが予想されます。これから耳科学を学び、耳手術が出来る医師は貴重な医師になります。当科は若い時から耳手術が経験出来る施設ですが、全国的にはあまり多くはありません。また耳科学に留まらず、私の専門である頭頸部外科を含めて耳鼻咽喉科・頭頸部外科の幅広い研修が可能です。「鼓膜形成から頸部郭清まで」をコンセプトに、経験豊富な指導医が指導します。 これから医師になる皆さん、自治医科大学附属さいたま医療センター耳鼻咽喉・頭頸部外科の扉をたたいてみませんか。はじめの一歩が未来の一歩です。

                                                              鈴木 政美