輸血について

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輸血について

血液は血球成分(赤血球、白血球、血小板)と血漿成分(蛋白成分、凝固因子など)に大きく分けられます。それぞれの血液成分は私たちの体にとって重要な役割を担っています。
赤血球は体のすみずみの組織に酸素を運ぶ役割を、白血球は細菌、ウイルス、真菌(カビ)などの病原体が体外から侵入(感染)したり、体内で活性化して発病するのを防ぐ役割を、また血小板は傷口などからの出血を止める(止血)役割をもっています。血漿成分は、一部の栄養素の運搬、膠質浸透圧の維持、血液を固まらせる(血液凝固)などの役割を持っています。
このような役割を担った血液成分を治療のために患者さんに注入する療法が輸血です。また輸血療法は患者さんの各血液成分の量(数)や、あるいは働き(機能)が不十分で、生命の維持が難しい時、あるいは他の治療の実行が困難なときに行う補充療法です。
輸血の多くは他人から頂いた善意の血液(献血)で行われ、一般の治療とは基本的に異なります。輸血血液を供給する日本赤十字社で種々の検査をし、可能な限り安全な輸血を供給するための努力をしていますが、検査には限界があり、輸血副作用が起きる場合もあります。したがって、主治医は常に輸血の有効性と副作用の両面を考えて輸血を行っております。
輸血療法では可能な限り安全性に配慮し、検査などで危険性を最小限にする努力が行われています。
しかし、この危険性は完全に排除できないため、わずかではありますが輸血に危険が伴います。
したがって、輸血はこの危険性を上回る治療上の必要性があり、その効果が期待できる場合のみに限定して行います。