教室紹介


■教室の紹介-科長 佐久間康成より-

当科では、生体肝移植および脳死肝移植が年間約20例実施されています。当施設では、2001年5月に、生体肝移植が開始され、これまで300例を超える小児を中心として生体・脳死肝移植が行われました。当院での肝移植後生存率は95%前後を維持しております。

日本全国の小児生体肝移植の1年生存率は88%、10年生存率は82%ですから、当施設の生存率は全国平均よりも約5-10%高くなっています。

この良い成績は、栄養改善を含む術前管理、手術、術後管理、の全てにわたる大学全体の協力により、移植外科のスタッフが効率良く患児の管理に没頭できる事から得られるものです。医療面では、消化器外科、麻酔科、ICU、臨床薬理、薬剤部、小児科、放射線科、血液凝固内科、血液細胞移植部、病理、検査部のスタッフを始め、全学・全科の速やかな協力が得られます。看護・保育面では、小児科病棟、手術室、ICUの看護スタッフ、保育スタッフ、クラークさん、看護助手さんの暖かいケアが患児を守ってくれます。 事務方もしっかりと移植医療の屋台を支えてくれます。移植術前は栄養状態の悪い患児が多いのですが、当施設に転院すると、看護・保育スタッフの手厚いケアによって患児は良く食べ、飲むようになり、栄養状態が改善します。少しでも良い栄養状態で手術をすることは、治療成績の向上につながります。

この様に、当施設は小児を対象とした肝移植の施設としての存立基盤を固め、貴重な患児のご紹介を地元の栃木、東京、埼玉、千葉、茨城、群馬の関東各都県、さらに山梨、静岡、福島、山形、新潟、石川と幅広い地域から頂いております。 遠くからお出でになる方が多いため、長期間安心して宿泊できる施設を確保しています。

当科の特徴は、大切な大切な子供たちを中心に全てが動いていることです。

それも、和気あいあいと。スタッフは少数ですが、極めて高い生存率が示すように優秀で、歴戦の勇士の如く気力、体力、そして愛と優しさに溢れています。