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自治医科大学 医学部 泌尿器科

超高齢社会を迎え、前立腺癌、前立腺肥大症、尿失禁などの泌尿器科疾患が増加し、泌尿器科の臨床的需要は拡大傾向にあります。当科では、泌尿器科指導医によるマンツーマンでの指導の下に、泌尿器科疾患全般を経験し、泌尿器科特有の基本的検査・治療手技・診断知識を短期間に習得できるようなプログラムを作成しております。このプログラムを通じて、患者さんの病んでいる気持ちを理解し、その疾患を的確に判断し対処する高い能力を備えたgeneral urologistの育成を目指します。さらに、希望に応じて、より専門的なsubspecialtyの研修も行います。以下に、新専門医制度に準拠した平成29年度泌尿器科専門研修プログラム(簡易版)をご紹介します。当科での研修をご希望の方は、電話(0285-58-7379)あるいはe-mailでお問い合わせください。


自治医科大学泌尿器科専門研修施設群専門研修プログラム(簡易版)

自治医科大学泌尿器科専門研修プログラムの特色

自治医科大学附属病院を基幹施設とし、6の連携施設と7の協力施設から構成されています。自治医科大学附属病院は、成人泌尿器科に加え、腎臓外科(腎移植)を擁し、併設するとちぎ子ども医療センターには小児泌尿器科を診療科として有する全国でも特筆すべき体制を整えており、ロボット支援手術や腹腔鏡手術などの最先端医療、小児泌尿器科、腎移植や透析を含めた腎代替医療、生殖医療、地域医療などの幅広い領域の研修が可能で、サブスペシャリティー領域の研修も十分に経験できます。また、基幹施設である自治医科大学附属病院では、臨床研究や基礎研究を行うこともできます。さらに、専門研修後には、大学院への進学や専門分野の研修、留学も可能です。


募集専攻医数

5名。


専門知識・専門技能の習得計画

泌尿器科専門研修は、2年間の初期臨床研修が修了し、後期研修が開始した段階から開始され4年間の研修で修了します。
専門研修では、それぞれ医師に求められる基本的診療能力・態度(コアコンピテンシー)と日本泌尿器科学会が定める「泌尿器科専門研修プログラム基準 専攻医研修マニュアル」にもとづいて泌尿器科専門医に求められる知識・技術の修得目標を設定し、その年度の終わりに達成度を評価して、基本から応用へ、さらに専門医として独立して実践できるまで着実に実力をつけていくように配慮します。



臨床現場での学習

bedsideや実際の手術での実地修練(on-the-job training)に加えて、広く臨床現場での学習が可能となる様に指導する。研修カリキュラムに基づき、以下のような指導を行います。
1) 診療科におけるカンファレンスおよび関連診療科との合同カンファレンスを通して病態と診断過程を深く理解し、治療計画作成の理論を学ぶ。
2) 抄読会や勉強会を実施し、インターネットによる情報検索の指導を行う。
3) hands-on trainingとして積極的に手術の助手を経験させる。その際に術前のイメージトレーニングと術後の詳細な手術記録を実行する。
4) 手術手技をトレーニングする設備や教育ビデオなどの充実を図る。
基幹施設(自治医科大学附属病院)の1週間の具体的なスケジュールを以下に示します。


    午前 午後
月曜日 08:30〜 病棟回診 13:00〜 専門外来研修
泌尿器科外来専門検査(膀胱鏡、エコー検査など)・処置(各種カテーテル交換など)・ESWL
15:00〜 准教授症例カンファレンス
09:00〜 外来診察・入院患者処置 16:00〜 チームカンファレンス・病棟回診
火曜日 07:30〜 リサーチカンファレンス・抄読会 13:00〜 手術
08:00〜 術前カンファレンス 18:00〜 入院予約患者カンファレンス・術後カンファレンス(手術記録や術中ビデオによる手技の確認)・クリニカルインディケーターの確認・病棟回診
08:30〜 外来診察・入院患者処置・手術
水曜日 08:30〜 病棟回診 13:00〜 専門外来研修
泌尿器科外来専門検査(膀胱鏡、エコー検査など)・処置(各種カテーテル交換など)・ESWL
09:00〜 外来診察・入院患者処置 16:00〜 チームカンファレンス・病棟回診
18:00〜 シミュレーションセンターでのhands-on training
木曜日 07:45〜 病棟カンファレンス 13:00〜 手術
08:30〜 教授回診 16:00〜 チームカンファレンス・病棟回診
09:00〜 手術
金曜日 08:30〜 病棟回診
外来診察・入院患者処置
13:00〜 手術あるいは専門外来研修
泌尿器科外来専門検査(膀胱鏡、エコー検査など)・処置(各種カテーテル交換など)・ESWL
09:00〜 外来診察・入院患者処置・手術 16:00〜 チームカンファレンス・病棟回診

  • 各専攻医は、4名程度の医師からなる診療チームに所属し、チーム医療における構成員として専門知識・技能の習得を行います。
  • 基本的には16:00からのチームカンファレンスにおいて、入院および外来患者の状況をチームで把握し、治療方針を検討します。この際にCT、MRIなど画像診断を行い、読影技術を習得してもらいます。
  • 月曜は准教授による全症例のカンファレンスを行います。
  • 火曜の朝にはリサーチカンファレンスを行い、各指導医の研究内容について討論します。専攻医は自分で選んだ英語原著論文を批判的視点で精読し、その要約を全員にプレゼンテーションします。これに対する質疑応答を十分に行い、将来の学会発表に備えます。その後、手術症例の最終評価を行い、手術に参加します。また、夕方の入院予約患者カンファレンスで入院予定患者の治療方針や術式に関して検討し、術後カンファレンスでは、術後の評価を行います。また、クリニカルインディケーターを確認し、医療の質について評価します。
  • 水曜はシミュレーションセンターでのhands-on trainingを行い、技術の向上を目指します。腹腔鏡やロボット支援手術のシミュレーターが設置されており、随時利用が可能です。
  • 基幹施設においては現在までに施行された内視鏡手術に関しては全例の手術ビデオをライブラリーとして保管してあり、いつでも参照することが可能です。
  • 木曜には全員で症例カンファレンスを行い、治療方針を決定します。その後、教授回診に参加し、各症例のプレゼンテーションを行うことでプログラム統括責任者から直接指導を受けます。
  • 月1回木曜日に小児泌尿器科との合同カンファレンスを行い、小児泌尿器科疾患に関する専門知識を学習します。
  • 泌尿器科関連病理解剖実施症例に関する病理部によるCPCに参加してもらいます。

臨床現場を離れた学習

優れた泌尿器科専門医育成のためには、幅広い知識や情報の収集が必要である。このために、日本泌尿器科学会の学術集会や関連学会・各種研修セミナーなどに参加して、臨床現場を離れた学習を行ってもらいます。

  • 国内外の標準的治療および先進的・研究的治療を学習する機会
  • 医療安全等を学ぶ機会
  • 指導・教育法、評価法などを学ぶ機会 (eラーニングも含む)
  • 基幹施設・連携施設における各種研修セミナー:医療安全等を学ぶ機会、医療倫理を学ぶ機会、感染管理を学ぶ機会

具体的には泌尿器科学会総会、地区総会へ毎年参加し、学術発表を行います。希望があれば国際学会での発表も行えます。栃木・群馬・茨城地方会での症例報告を行います。また各学会では卒後教育プログラムが開催されているのでこれらを積極的に受講してもらいます。さらにサブスペシャリティー領域の学会(泌尿器内視鏡学会、排尿機能学会、がん治療学会、小児泌尿器科学会、移植学会など)への参加も奨励されます。


プログラム全体でのカンファレンス

専門研修プ口グラム管理委員会に合わせて年2回、基幹施設、全連携施設、協力施設の共同カンファレンスを開催します。具体的な内容は以下の通りです。

  • 症例検討、臨床研究の発表
  • 全連携施設における現状報告(外来患者数、手術件数、学会発表や臨床研究の紹介)

これにより専攻医に専門研修施設群の情報提供も行います。


学問的姿勢について

優れた泌尿器科専門医となるためには、問題解決型の思考・学術集会への参加を通じて学問的姿勢の基本を修得することが必要です。
具体的には、日常診療における問題点について、診療ガイドライン、文献検索を通して、EBMに基づいた適切な診断治療を行うことを習得してください。また、基幹施設、連携施設でのカンファレンスでの症例提示などを通じ、第三者による評価を受け、臨床判断の妥当性を検証する習慣を習得してください。さらに、関連学会に積極的に参加して最先端の情報を学びます。
本プログラムでは、医学や医療の進歩のための臨床研究、基礎研究の重要性を鑑み、基幹施設である自治医科大学附属病院では指導医の指導の下で基礎研究、臨床研究に参加しその研究成果を学会等で発表することを必須とします。また、研修中に臨床研究、治験、疫学研究にかかわるように指導します。さらに、希望があればヒトゲノム、遺伝子解析、などの基礎医学研究も行えます。
本プログラムにおいては以下の要件を満たす必要があります。

  • 学会での発表:日本泌尿器科学会が示す学会において筆頭演者として2回以上の発表を行います。
  • 論文発表:査読制を敷いている医学雑誌へ筆頭著者の場合は1編以上、共著者の場合は2編以上の論文を掲載します。
  • 研究参画:基幹施設における臨床研究への参画を1件以上行います。

コアコンピテンシー(医療安全、医療倫理、感染対策)の研修計画

泌尿器科領域では、患者・家族との良好な人間関係の確立、チーム医療の実践、安全管理や危機管理への参画、を通じて医師としての倫理性、社会性などを修得する。
@ 患者-医師関係
A 安全管理(リスクマネージメント)
B チーム医療
C 社会性
日本泌尿器科学会総会、各地区総会で卒後教育プログラムとして開催されていますので積極的にこれらのプログラムを受講するようにして下さい。


地域医療における施設群の役割・地域医療に関する研修計画

本プログラムの連携・協力施設は栃木県内のみならず埼玉県、茨城県と広範囲に存在し、地域の泌尿器科医療を支えています。しかし、これらの地域では泌尿器科医師の数は十分ではなく、泌尿器科医が常勤していない病院が多く存在します。そのため、泌尿器科医が不在の施設または不足している施設へ専門研修施設群から泌尿器科医を派遣し、地域の泌尿器科診療を守り、維持しています。また、泌尿器科には高齢患者が多く、泌尿器科以外の診療科や施設などとの連携が求められます。そのため、本プログラムでは、病診・病病連携の実際を経験することが必要であると考えており、泌尿器科専門医が常勤または不在の病院、診療所で、週に1回泌尿器科診療を行うことを予定しています。


自治医科大学泌尿器科専門研修プログラム基幹・連携・協力施設


施設名 施設群 年間手術件数 腹腔鏡手術 ロボット支援手術 体外衝撃波治療 透析 その他
自治医科大学附属病院 基幹 1082 生殖医療
・腎移植・小児泌尿器科
自治医科大学附属さいたま医療センター 連携 348 -
新小山市民病院 連携 92 - - -
芳賀赤十字病院 連携 237 - - -
古河赤十字病院 連携 51 - - -
さいたま市民医療センター 連携 45 - - レーザー
砕石術
とちぎメディカルセンターしもつが 連携 106 - - -
JCHOうつのみや病院 協力 80 - - - 在宅診療
佐野厚生総合病院 協力 - - - - -
結城病院 協力 49 - - - - -
今市病院 協力 62 - - レーザー
砕石術
二宮中央クリニック 協力 52 - - - -
なかつぼクリニック 協力 - - - - - 人間ドック
西大宮病院 協力 130 - - - - -

基幹施設
@ 自治医科大学附属病院
連携施設
A 新小山市民病院
B 芳賀赤十字病院
C とちぎメディカルセンターしもつが
協力施設
D JCHOうつのみや病院
E 佐野厚生総合病院
F 今市病院
G 二宮中央クリニック
H なかつぼクリニック

連携施設
I 自治医科大学附属さいたま医療センター
J さいたま市民医療センター
K 古河赤十字病院
協力施設
L 西大宮病院
M 結城病院

専攻医の評価時期と方法

専門研修中の専攻医と指導医の相互評価は施設群による研修とともに専門研修プログラムの根幹となるものです。評価は形成的評価(専攻医に対してフィードバックを行い、自己の成長や達成度を把握できるように指導を行う)と総括的評価(専門研修期間全体を総括しての評価)からなります。
(1) 形成的評価
年2回、9月と3月に、指導医による形成的評価とそれに基づくプログラム管理委員会による評価を実施します。
(2) 総括的評価
最終研修年度(専門研修4年目)の研修を終えた4月に研修期間中の研修目標達成度評価報告用紙と経験症例数報告用紙を総合的に評価し、専門的知識、専門的技能、医師として備えるべき態度を習得したかどうかを判定します。また、ローテーション終了時や年次終了時等の区切りで行う形成的評価も参考にして総括的評価のための測定を行います。


専攻医の就業環境について

本プログラムでは労働環境、労働安全、勤務条件等で以下のことを配慮します。

  • 研修施設の責任者は専攻医のために適切な労働環境の整備に務めることとする。
  • 研修施設の責任者は専攻医の心身の健康維持に配慮しなければならない。
  • 勤務時間は週に40時間を基本とし、時間外勤務は月に80時間を超えないものとする。
  • 勉学のために自発的に時間外勤務を行うことは考えられることではあるが心身の健康に支障をきたさないように配慮する。
  • 当直業務と夜間診療業務は区別しなければならず、それぞれに対応した適切な対価が支給される。
  • 当直あるいは夜間診療業務に対して適切なバックアップ体制を整える。
  • 過重な勤務とならないように適切な休日の保証について明示する。
  • 施設の給与体系を明示する。

専攻医の募集および採用方法

本プログラム管理委員会では、泌尿器科専攻医を募集しています。本プログラムへの応募希望者は、研修プログラム責任者宛に所定の形式の申請書を提出してください。書類選考および面接の上、採否を決定し本人に文書で通知します。なお、申請書等の応募方法に関しては、電話(0285-58-7379)あるいはe-mailでお問い合わせください。