超音波の安全性について


 超音波検査は既に知られているように、産科領域にも使用され安全であることが前提です。これは、X線を用いた検査と根本的に違う所です。
しかし、絶対に安全であるという事ではありません。すなわち、現在用いている超音波の出力では、これまでヒトでは明らかな異常が起こっていないと言う意味です(疫学的にも)。これも既に知っていると思いますが、超音波洗浄機、超音波メスなどの破壊的な使用法だけでなく、最近では結構使われている超音波を用いた結石破砕があるように、出力をあげていけば、必ずヒトに悪影響を及ぼすと考えられます。そこで現在は出力については、一定の基準が作成され、最近の装置では(良心的に)どの部位には使ってよいがどの部位では使わないほうが良いなどの但し書きをつけいているところもあります。
 ここで基本的な考え方として覚えて欲しいのは、超音波を使用する場合に出力の大きいカラードプラ法では、不必要な検査は行わないことです。特に産科領域、眼窩部(レンズの超音波感受性が高い)では不必要な検査は行わない、出力が大きいカラードプラ法についてはできるだけ短時間で検査を終えるように心がけてください。


超音波の生体への影響としてこれまで知られているのは、次の3つです。
1、超音波の吸収による発熱
2、キャビテーション(cavitation)による破壊
3、フリーラジカル(free radical)の発生

1、吸収は、超音波が生体を構成する分子を振動させることで発生し、組織では熱が発生します。最近問題となっているのは、内視鏡的超音波検査(経食道エコーなど)で、食道粘膜などの消化管に及ぼす発熱の影響です(もちろん今の探触子ではこの点については十分考慮されています)。
2、キャビテーションは、超音波が疎密波であることが関係しています。すなわち、強い波、また音響インピーダンスの大きい所では、一時的に空胞ができ壊れる時に非常に強いエネルギーが発生しますが、これが組織を破壊すると考えられています。これが今最も問題となっています.
3、フリーラジカルは、体内の多くの場で発生することが考えられていますが、超音波を受けることで発生し、細胞に悪影響を与えると報告されています。しかしこれについてはいまだはっきりしない部分があります。

念のため,もう一度述べますが,現在の装置は以上について十分考慮されてつくられており,通常の検査では安全性に問題なしと考えて差しつかえありません.しかし今後,さらに安心して使用するためにALARA(as low as reasonably achievable,アララと読みます)に基づき,無用な検査は行わないことが提唱されています.

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