L20

 1970年代を代表する日産のエンジン、それがこのL型エンジンです。このエンジンは1968年のC10(3代目スカイライン)から1983年のR30(6代目スカイライン)まで15年間という長きに渡り生き抜いたエンジンでもありました。

 そもそもL型エンジンは、当時の日産の直列SOHCユニットの総称でした。従って、4気筒・1.6リッターや1.8リッターのL型も存在するわけです。L型とは言ってもスカイラインのメインエンジンとして搭載されたのは、直列6気筒・2リッターのL20系でしたが。

 L型が初めて搭載された3代目スカイラインの時代には、初代GT-R(PGC10・KPGC10)が存在し、その心臓部にはS20というレーシングスペックのエンジンが搭載されていました。L20はS20にはとうていおよばないものの、それでもS20登場以前に2000GTというモデルに130馬力ものパワーを与えていたのです。

 しかし、スカイラインの心臓部分としては2番手に甘んじていたこのL20が、ついにスカイラインのメインエンジンに踊りでる機会が訪れるのです。それもこれも、C10シリーズ(3代目スカイライン)からC110シリーズ(4代目スカイライン)にモデルチェンジ後、 S20が消滅してしまったことによります。S20は当時としてはあまりにも突出しすぎていたエンジンのために、環境保護や省エネといった社会問題の格好の餌食になったのです。KPGC110(2代目GT-R)とともにS20が消えた後、L20は名実ともにスカイラインのメインエンジンになりました。

 シングルキャブ仕様105馬力のL20が初めてスカイラインに積まれてから、 SUツインキャブ仕様、電子制御インジェクション仕様(L20E、130馬力)とL20は進化を続けて行くことになるのです。そしてスカイラインはC210シリーズ(5代目スカイライン)が登場しました。この頃のL20にとって最大の難関は53年度排ガス規制のクリアでありました。しかし、この排ガス規制の代償は大きく、スカイラインのスポーツ性能をスポイルせざる終えない状況になってしまったのです。そこで日産は国産初のターボエンジンL20ETを開発し、世に送り出しました。当時のカタログに「あのR383の開発で学んだターボの技術。その全てを傾注しました」とうたわれたL型ターボエンジン。2100回転から急激に立ち上がるパワーは5600回転まで続き、ゼロヨンを16.6秒で駆け抜けたのです。この後、スカイラインとターボは切っても切れない関係となりました。C210後期型(5代目スカイライン後期型)に搭載されたこのエンジンによって、L20は頂点に達したのです。

 しかし、R31(7代目スカイライン)の登場と入れ替わりに、L型エンジンの終わりが訪れることになりました。L型エンジンは5代目スカイライン以後、開発がストップしていました。つまり、5代目スカイラインから6代目スカイラインへと変わっても、L20のスペック上の変更はなかったのです。そして、それを補うかのように、R30には4気筒エンジンながらも、ツインカムエンジン(FJ型)が復活していました。一つの時代が終わり、この後スカイラインは新たな時代に向かうこととなるのです・・・。

L20ETスペック

形式

L20ET

種類

直列6気筒OHCターボ

燃焼室形式

ウェッジ型

内径×行程

78mm×69.7mm

総排気量

1998cc

圧縮比

7.6

最高出力

145馬力/5600回転

最大トルク

21.0kg-m/3200回転

燃料供給装置

ニッサンEGI

使用燃料

無鉛ガソリン

L20系はレース未経験のエンジンである