そしてRBへ

 R31スカイライン(7代目スカイライン)が登場したときに、現在のスカイラインのメインエンジンとなるRB型が世にデビューしました。耐えて久しかった6気筒ツインカムエンジンが、ついに復活したのです。既にR30(6代目スカイライン)に搭載されていたFJ20Eでツインカムの走りを復活させていたものの、FJ型エンジンは4気筒エンジンでありました。RBの誕生をもってスカイラインは新たな時代へ足を踏み出したのです。

 6気筒ツインカムのエンジンこそがスカイラインのエンジン、そんなRBエンジンは実はごく普通の基本構造を持つ、オーソドックスなエンジンなのです。それは、2リッターの125馬力仕様という極めて実用的なベーシックエンジンも存在したことからも分かるとおり、RBが速さだけではなく実用的なものも見据えたエンジンだということに他なりません。しかし、スカイラインにとって、6気筒で実用的なツインカムエンジンを搭載しているだけでは、全くもってスカイラインたる存在意義を成さなくなってしまいます。スカイラインの走りを支えるべく、RBも当然の如く高性能化していきました。

 155馬力のRB20DEと同時に設定されたターボモデルのRB20DETでは、一気にパワーが跳ね上がりオーバー200馬力となりました。また、グループAのレースを見据え、800台の限定販売となったR31(7台目スカイライン)のGTS-Rに搭載されたRB20DET-Rは、排気系も見直され210馬力ものパワーを絞り出していました。しかしながら、その当時のR31は世の中がバブル経済の兆候を見せていたこともあって、「ソフトマシーン」と化していて、明確なスポーツ志向を持ち合わせていませんでした。残念なことに、このRB20DET-RがグループAでチャンピオンを獲得しようとも、S20の頃の大きな話題となることはなかったのです。そして、1989年5月、明確なスポーツ路線を打ち出した「超感覚スカイライン」R32(8代目スカイライン)の登場をもって、RBシリーズは一気にブレイクすることとなるのです。

 それは、16年ぶりに復活したGT-R(BNR32)に搭載されたRB26DETTによって頂点に達しました。このエンジンはほかのRB型エンジンとは全てが違っていたのです。RB26DETTの排気量は約2600ccですが、この中途半端な設定はグループA規定のターボ係数を考えて設定されました。つまり、レースで勝つことだけを考えて作られたエンジン、そんなエンジンがRB26 DETTなのです。GT-Rはレースで必ず勝たねばならない。そのためにNSSANの最新技術を全てつぎ込んだスーパーユニット・RB26DETTは、軽く280馬力・36kg-mのトルクを発生します。そしてこのエンジンを積んだR32 GT-Rが、グループAのレースで国産最強の名を欲しいままにすることになるのです。現行型のR33(9代目スカイライン)では最高出力は変わらないもののトルクを37.5kg-mと高めていますが、このカタログスペックを上回るパワーをだしているのは周知の事実です。そして1999年1月に発売予定となるR34 GT-Rに搭載されるRB26DETTは、更なるハイパワーエンジンとなることは疑いようがありません。

 現在、RB型エンジンはスカイライン以外にステージア、ローレールなどにも搭載されています。さらにスカイラインGT-R以外、門外不出とされてきたRB26DETTもステージア260RSに搭載されるなど、最近は多様化の傾向を見せてきています。R33スカイラインGTSでRB25(2500cc)が主力エンジンとなってから、現行スカイラインR34(10代目スカイライン・1998年5月デビュー)でもそれは変わっていません。ただし、その間にもRBの進化は止まりません。R33と型式は同じRB25DE、RB25DETでも、現行型R34スカイライン、ステージア・ローレルに積まれているものは、NEO STRAIGHT 6と銘打ってエンジンの70%は新しいパーツで組み上げられリファインされています。R34のRB25DETではついに自主規制上限のGT-Rと並ぶ、最高出力280馬力を達成しました。そしてスカイラインはさらに進化した新しい走りを得ることになったのです。

 噂では、RB型エンジンはR34をもって終わりという話もあります。これが真実かどうかは分かりませんが、その時代その時代で常に最強のエンジンを搭載しなければならないスカイラインの宿命を考えればそれもまた、仕方のないことかもしれません。個人的にはスカイラインにはストレート6を積んで欲しいのですけどね。

RB26DETT

形式

RB26DETT

種類

直列6気筒DOHCターボ

燃焼室形状

ペントルーフ型

内径×行程

86.0×73.7mm

総排気量

2568cc

圧縮比

8.5

最高出力

280馬力/6800回転

最大トルク

37.5kg-m/4400回転

燃料供給装置

ニッサンEGI[ECCS]

電子制御式燃料噴射装置

使用燃料

無鉛プレミアムガソリン

R33 GT-Rのスペックです