第4回:雪合戦(1998/1/15)

 ここの所、僕の住んでいる関東地方の片田舎では雪が降ります。別に冬だから雪が降るのだと言われれば、それはそうかもしれませんが、ここ何年かぶりで20cm以上積もりました。なお、断っておきますがはじめに関東の片田舎とは書きましたが本当はそんなことありません。東京まで90kmの非常に開けた町です(笑)。

 今年の関東地方の大雪には非常にまいっています。と言うのも、雪が降ると全く身動きがとれなくなってしまい、じっとしている以外何もできなくなってしまうからです。ここが普段雪のあまり降ることのない関東地方人の弱さでしょうか(笑)。車で出かけようにも、ノーマルタイヤのためつるつるで全くもって話になりません。つい先日も大雪の降った次の日、駐車場から車を動かそうとしたら4、5m走ったところで駆動輪が両方ともスタックしてしまい、動かすのに2時間近くかかってしまいました。それ以来、雪が降った日の直後は車に乗らないことに決めました(笑)。

 こんな大雪も今から8年前ぐらいには非常に嬉しかったものでした。8年前と言えば僕が中学生の頃です。大雪が降った次の日は必ずと言っていいほど授業をつぶして雪合戦をやりました。勉強嫌いな僕はそれが非常に楽しみでした。外で雪に戯れて遊ぶ、濡れようがお構いなしです。但し、この雪合戦、雪の中にたまに石が入ってかなり危険なものでしたけど・・・。故意か偶然かはみなさんの判断に任せます(笑)。

 さて、今回のお題は「雪合戦」ですがここから本題に入ろうと思います。それは、僕らが中学校3年の時でした。この日久しぶりに今回の大雪の如く雪が降りました。いつもよくつるんでいた悪友7人と下校途中、帰り道にあった神社の境内で雪合戦をやり始めました。しばらくやっていましたが、そのうち飽きてしまい、みんな休んでいるところに通りかかった下級生が2〜3人いました。僕らとの間は距離にして40〜50mぐらいだったと思います。その時、僕らの中の一人がその通りかかった下級生に向かって「ねぇ、お前等、一緒に雪合戦やろうぜ」と呼びかけはじめ、軽く雪を下級生に向かって放り投げたのです。雪の玉は軽く投げただけなので当然下級生には届きません。下級生達は立ち止まりこっちを見ていました。そこでもう一度「俺は3年8組の○○だ。一緒に雪合戦をやろうぜ」と・・・。

 ここまでだと、鎌倉時代に戦いに入る前に自分の名を名乗る武士の如く、別に自分の身を明かして、ただ下級生を雪合戦に誘っているだけにしかすぎません。名を名乗るなんて実にフェアーな感じがします(笑)。しかしここで名乗った「○○だ」と言うのが実はその言った本人の名前ではなく、その場にはいない別の奴の名前だったのです。なぜかその下級生達は恐れをなして逃げていってしまいました。別に危害を加えたわけでないのに・・・。

 翌日、僕らが学校に行くと朝の学活(朝、クラスでやる先生からの連絡事項などの時間です)のときに、その「○○」が先生に呼ばれ「お前、昨日、一年生を脅したろう。一年生の担任の先生から言われたぞ。何でも、危害を加えたらしいじゃないか」と言われたのです。当然その「○○」は自分の身に覚えがありません。「えっ、なんで」といった訳の分からないような顔をしていました。挙げ句の果てに「一緒に来い。謝りに行くぞ」と言われて連れて行かれてしまいました。僕らはそれを聞き笑いをこらえるのに必死でした。

 いつのまにか下級生を雪合戦に誘ったのが下級生を脅し、しかも危害を加えたことに変わってしまっていたのです。もうその辺になってくるとテレビのクイズ番組でやっている伝言ゲームと一緒です。

 その「○○」が謝りから帰ってきたあと知らないふりをし、わざと「ねぇ、どうしたの?」と訪ねたら、「何か分からないけど一年生に謝ってきた。身に覚えがないんだけどなぁ」と言っていました。

 僕らは当然昨日の事については黙っていることにしました。そして8年が過ぎ、今でもこの連中と集まって酒を飲むときには決まってこの話が出て大爆笑しています。そして何を隠そう、この「俺は○○だ」と言った張本人は「言いたい放題 第2回」でお馴染みの「僕の友人」です。