部門紹介

留学体験記  駒田敬則先生
 (2015年4月~2018年3月、カルガリー大学 スナイダー慢性疾患研究所)

 

20154月より3年間、自治医科大学腎臓内科よりカルガリー大学に研究留学をさせていただきましたので報告いたします。私は自治医科大学大学院で、「インフラマソーム」と呼ばれる細胞質内タンパク質複合体を研究テーマとしていました。カルガリー大学のMuruve研究室はこの分野のパイオニアであり、大学院修了後に、自分の研究を発展させる目的で留学を志願しました。

カルガリーはカナダ西部のカナディアンロッキーの近くに位置する、人口100万人程の都市です。氷河を源流とするボウ川が街の真ん中を流れており、とても美しい街です。雨がほとんど降らないにも関わらず、ボウ川のおかげで水不足にはなりません。自然と街がバランス良く調和しており、落ち着いて生活できる場所だと思います。夏は日中30度近くまで気温が上がりますが、朝は涼しく、とても快適な気候です。心配していた冬も、乾燥しているために大雪にはならず、Chinookice-eaterという意味の温暖な風)が吹くために雪もすぐ溶けます。-30度を生まれて初めて経験しましたが、市内で野外スケートやスキーが可能で、逆に寒さを楽しむこともできました。観光地として有名なバンフへも、車で1時間程度で行くことができます。自然豊かで、私にとってはとても快適な街でした。


カルガリー市を流れるボウ川。

 

 カナダの他都市と同様に移民も多く、英語を第一言語としない研究者もいます。そのためか、英語でのコミュニケーションする際は、相手が理解できるまで根気よく話してくれる方が多かったです。研究室のメンバーは全てカナダ人で、英語によるコミュニケーションのみでした。さすがに日本語よりは時間がかかりますが、皆様のサポートのおかげで、比較的スムーズに仕事をすることができたと思います。

研究室の特徴としては、ヒトの細胞・組織を用いた実験手法が確立されていることと、腎バイオバンクを有しているために、多くの腎疾患患者の臨床検体(尿・血液・組織)の解析が可能な点が挙げられます。また、共焦点顕微鏡や生細胞イメージングのみならず、多光子励起顕微鏡を用いたin vivo イメージングも盛んで、初心者であっても手技が取得できるような教育体制が整っています。

 これらの技術を習得し、3年目でJournal of American Society of Nephrologyに研究成果を発表することができました。今回、論文掲載と同時に帰国しましたが、今度は自治医大から世界へ、新しい知見を積極的に発信していきたいと思います。

最後に、このような留学の機会を与えて下さった皆様方に厚く御礼申し上げます。

 

  20184月 駒田敬則 

 

研究室勤務最終日にMuruve教授(右)と。