"Patient is best teacher!"
これから、毎月1回づつ、面白い症例、あっと思う症例、珍しい症例などを出
来る限り、分かりやすく、手術所見まで含めて、ホームページに載せて行きたいと思います。
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症例8 HM 63才女性700880 Right IC-PC and MCA aneurysm 970422
主訴:複視のエピソード、頭重感
病歴:1995年のある日に、物が二重に見えた。近くの大学病院を受診したが、その時は、複視はな
く、頭痛も他の神経症状もなく、異常は指摘されなかった。1997年2月頃頭重感があり、近医
で頭のCTを施行したところ、suprasellar massを指摘され、当科へ紹介入院となった。頭
のMRA検査の結果、bilateral MCA, right IC-PC,basilar top aneurysm が疑われた。
入院時神経学的検査所見:
(HCF) np
(CN) np
(MOTOR) np
(SENSORY) np
(REFLEX) np
(CBLL,SPINAL) np
(OTHERS) none
画像検査所見:
近医でのplain CTにてprepontine cisternやや右に直径1-2cmのmass をみとめる。
MRAにてbilateral MCA aneurysm 、 right IC-PC aneurysm およびbasilar top
aneurysm が疑われた。
入院時右内頚動脈撮影(上:側面像、下:正面像)
明らかな、right large IC-PC aneurysm および MCA aneurysm がみとめられる。
なお、左内頚動脈撮影にて、Lt MCA aneurysmはみられたが、VAGにてbasilar top
aneurysm はみとめられなかった。
手術所見1:画面上、左方に上下に白くみえる帯が視神経、その右が内頚動脈、更に右方が
動脈瘤。動脈瘤ネックと内頚動脈の間が「まわし」状に膨隆している部分は、後交通
動脈の分岐部。動脈瘤壁は一部真っ赤、一部fibrousで灰白色のaneurysmal neck が
みとめられ、動脈瘤は外後方向きであった。きれいに neck を dissection 後clipping
を行った。サイズは大きく、壁は一部薄く内部のジェット流もみとめられ破裂しやすい
症例と思われた。
手術所見2:動脈瘤のneck clipping後、aneurysm puncture を27G針で行った。孔が青白く
変色した動脈瘤壁にみられる。動脈瘤はやや退縮した。large IC-PC aneurysm で
かつ、diplopia のエピソードがあった例なので、anerysm puncture を行った。
手術所見3:画面上、左方の血管がM1、inferior trunkとsuperior trunkが上下に分かれ
動脈瘤壁の一部がinferior trunkと癒着して、domeはtemporal lobe と癒着して
いる。inferior trunkとの癒着を丁寧に剥がし、clipping を行った。
術後経過とまとめ:
これは、複視のエピソードと頭重感を重要視し、CTを行ったところ、suprasellar
massがみとめられ、更に精査し、結局、aneurysm が発見され、幸いにもクモ膜下出血に
至らず、大きなmass effectも来さず、予防出来た case である。つい最近にも複視を主訴と
して外来受診し、念のためにMRAを行い、IC-PC aneurysm がみつかった 症例を経験した。
複視のエピソードといっも、軽く考えずに、必ずMRAなどで、精査する必要性がある。
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