よくある質問と回答


X線装置のエージングとは?

撮影済みのX線写真で左右がわからないときがある?

胸部写真で左右の濃度差がある。なにが原因か?

X線写真の縞目が目立ち読影がしずらい?

コントラストが強い・弱いX線写真になっている?

X線写真がカブッているようだ?

どのような自動現像機がよいのか?

自動現像機の処理液疲労の発見方法とは?

フィルムとスクリーンの選択基準は?

簡単な自動現像機の管理方法はないのか?

オルソタイプとレギュラータイプとは?

グリッドやリスホルム(散乱線除去板)はどう使用するのか?

フォトタイマー(自動露出装置)とは?

フィルムがよく期限切れになってしまう。その対策は?

老人・小児の撮影がブレてしまい良く撮影できない?

標準体以外(老人・小児も含めて)の撮影条件がわからない?

きちんとした撮影条件表を作成したい?

管電圧を変更したい(換算表)?

FCR(Fuji Computed Radiography)とはどういうものか?


X線装置のエージングとは?

毎日、装置を使い始める時に行う。エージングを実施することでX線管球の寿命を伸ばすことができる。
最高使用管電圧が140kVの場合、60kVから10kV間隔で100kVまで行い、それ以降は5kV間隔で140kVまで行う。(200mA.0.04sec一定)
簡単にいえば、低い電圧から高い電圧にしていき、いきなり高い電圧で撮影しないようにする。



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撮影済みのX線写真で右と左が分からなくなった。

通常は、患部が写っている。心臓は左側、横隔膜は左が低いなどで確認ができる。しかし、手や足などは判断に苦しむ時がある。
A-P方向かP−A方向で撮影したかで判断が変わる。
撮影済みのフィルムには必ず増感紙の種類名が写し込まれている。
この種類名(B−2,Hi−screenなど)が正常に読める場合にはP−A撮影、裏文字になっている場合はA−P撮影である。
そこで撮影した時にどの方向で撮影したかを思い出し、P−A撮影なら正常に種類名が読めるようにフィルムを見る(シャーカステンにかける)。その時に向かって左側が患者さんの右側となる。A−P撮影の場合は、種類名が裏文字になるようシャーカステンにかけ、フィルムの向かって左側が患者さんの右側となる。
しかし、この種類名はフィルム上の黒い部分に写し込まれる場合が多いので確認しずらい。明るい光で確認すると良い。(晴れているなら太陽光を使うなど)
そのためにも右・左マークを忘れずに撮影時にはつけるようにしましょう。


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胸部写真で左右の濃度差がある。

X線管球にねじれがある。特に胸部撮影で目立つ。
確認方法)管球をカセッテやブッキーに近づけ、照射野ランプを点ける。
照射野ランプの中心線(十字の線)の中央が分かるようにカセッテやブッキーに印をつける。その後、管球をそのまま平行移動する。その時に照射野ランプの中央が左右に移動しなければ管球のねじれはない。
移動するようなら、ねじれがあるので正常に戻す。


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X線写真の縞目が目立ち読影がしずらい。

基本的にブッキー・グリッドが動いていないから、縞目がでる。
管球の選択ミスが一番考えられる。通常は、ブッキー用とブッキーなしの管球切り替えがある。(最近はミクロファイングリッドがあり、これは移動しなくても縞目は目立たない)ブッキー装置の故障でもこの現象はでる。

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コントラストが強い・弱いX線写真になっている。

撮影条件を変更しなければ、自動現像機が原因である。
現像温度が高い。(コントラストが強い。カブリがある。)
現像温度が低い。現像処理液の疲労。(コントラストが低い。)


新しいフィルム・撮影条件等を変更したあと、この現象が出たならこれが原因となる。


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X線写真がカブッているようだ。

現像温度が高すぎる。
処理液が疲労している。
フィルムが期限切れである。
暗室のセーフライトが間違っている。(オルソとレギュラータイプがある)
撮影条件が高い。散乱線カブリがある。(リス・ブッキーを使用する)

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自動現像機の処理液疲労の発見方法は?

フィルムの濃度がない部分を見る。(素ぬけの所)この部分がカブッていないかどうか。カブッていると疲労している。(現像温度が高すぎる場合もある)


X線写真の高濃度がいつもより黒くならない。コントラストがない写真になっている。


一番良い方法は、新しい液の時に基準となる写真を撮影しておき、その写真と比較して判断するのが良い。(自動現像機の管理方法)
定期的に処理液の交換・メンテナンスを行う。(疲労予防になる)


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フィルムとスクリーンの選択基準は?

システム相対感度200以上でオルソシステムにする。(フィルムとスクリーンを合わせた感度)あまり高感度では画質劣化がでる。(HR−S+HR−4などの組み合わせ。フジ・コニカ・コダックの各社あり)


オルソタイプは、画質が良い。(鮮鋭性・粒状性)しかし、スクリーンの値段が高いのが難点である。各種撮影目的別や検査別にいろいろなフィルムが発売されている。(特に胸部用システムはお薦めである


注意して欲しいことは、オルソタイプとレギュラータイプの混同使用である。(フィルム・スクリーン共にいけない)患者さんに対する被曝が多くなりメリットはなにもない。


全国的にみても、オルソシステム70%以上使用となっている。(へき地診療所では、まだ50%位しか使用していないのが現状である。)

オルソタイプとレギュラータイプの見分けかた


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簡単な自動現像機の管理方法は?

アルミ階段を使用する。(MD法等に使われる)
自動現像機をオーバーホールした後(または現像液交換後)現像温度を測定し、アルミ階段を膝関節の条件で撮影する。その時の現像温度・撮影距離・管電圧・管電流・時間・使用したカセッテは、記録しておき変更してはいけない。(たとえば50kV.100mA.0.2sec.100cm.35℃など)絞りはアルミ階段の幅程度に絞る。(X線の照射されていない透明な部分も必要だから)


撮影したフィルムを現像して今後のコントロール(基準濃度フィルム)とする。


1〜2週間後、一番最初の条件でアルミ階段を撮影し現像する。(記録した条件で)コントロールフィルムと今現像したフィルムを比較する。階段の濃度・カブリ・コントラストが変わっていなければ液の疲労はないのでそのまま使用できる。変化があれば、もう一度アルミ階段を撮影して同様に比較してみる。(撮影時のミスや現像ミスの確認)それでも、同様の変化が見られるようなら、現像液の疲労または自動現像機の故障(現像温度不良など)が考えられる。しかし、自動現像機の故障の場合は、突然に変化が現れるので(昨日は正常に撮影できたなど)判断は簡単である。液の疲労は、徐々に現れてくるのでコントロールとの比較でしか判断がむずかしい。階段の濃度が黒くならない。(コントロール5段目の濃度が比較フィルム8段目と同じである。)カブリがある。コントラストが低下している。などが比較でわかると液の疲労となる。―――現像液の交換をする。


現像液交換後、アルミ階段を撮影してコントロールフィルムと比較する。変化がなければOKである。それでも変化があるようなら自動現像機の故障かX線装置の故障が考えられる。現像機の故障の判断は先に述べたように簡単であるが、X線装置の故障(出力の変化は徐々に出やすい)は判断がむずかしい。可能なら同様な撮影をX線装置を変えて撮影しておくと良い。片方の装置の濃度が正常で、もう一方が変化あればその装置の故障と判断できるからである。


このように1〜2週間に一回アルミ階段を撮影・現像するだけで自動現像機の濃度管理ができる。たとえば4週間過ぎた時点で変化が見られたなら、この自動現像機の処理液は4週間持つと判断できるので、次回からは4週間に一回アルミ階段を撮影すれば良い。しかし、環境の変化(夏・冬)、処理枚数で疲労の日数は変化するので2週間に一度のペースで実施したほうが良い。

アルミ階段カセッテとアルミ階段


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オルソタイプとレギュラータイプの見分けかた?

フィルムは、パッケージの銘柄を確認するしか方法がない。


スクリーンの確認方法は、カセッテをオープンにしてX線を照射してみる。(スクリーンが見えるようにカセッテを開く)部屋を暗くして照射しないと、スクリーンの発光が見えないので注意する。条件は腹部単純の条件位でよい。発光色がグリーンならオルソ。ブルーならレギュラーとなる
そのスクリーンにあったフィルムを必ず使用すること。


胃透視用のスクリーンは、ほとんどがオルソタイプである。(栃木県の調査では
70%であった)


わからなければ、フィルム・スクリーンの銘柄を明記してE−メールをください。お調べしてご連絡いたします。


E−メールアドレス hosoudan@jichi.ac.jp


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グリッドやリスホルム(散乱線除去板)はどう使用するのか

一般に散乱線除去板をグリッド(Grid)という。移動させて使用するグリッドをブッキー法(ブッキー装置)といい、静止時の使用をリスホルム法と呼ばれている。上肢では、肩から遠位方向(上腕骨、肘、前腕、手関節など)は使用しない。下肢は膝関節から遠位方向(下腿、足関節、足根骨など)は使用しない。軟線撮影も使用しない。しかし、肩と膝は使用する場合もある。(筋肉質の肩や太い膝など) 管電圧で60kV以上は使用すべきである


使用時の注意は、使用距離(集中距離がある。使えない距離がある。)・X線管焦点の左右位置の確認(中心線に合わせる)・X線方向の斜方向使用(斜め方向にX線を入射しない)・逆面(説明はいらないと思う)
また、格子比(5:1/6:1/8:1/10:1など)と適正管電圧があり、間違えると散乱線除去効果が少ない、被曝が増えるなど注意が必要である。一般的に6:1なら60kV、8:1なら80kV使用といわれているが、高電圧(120kV)に6:1使用などしなければ気にすることはないと思う

リスホルムリスホルム

壁型ブッキー装置壁型ブッキー装置


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フォトタイマー(自動露出装置)とは?

撮影像を一定の黒化にする装置で被写体の透過X線量によって撮影時間を調整する。いわゆる、カメラのフルオートみたいな装置


透視撮影装置にはほとんど付いている。(AECなどと呼ばれている)
撮影寝台や壁型ブッキーに付けると、撮影条件に苦労しなくてすむ。(胸部撮影・腹部撮影・脊椎撮影などに役立つ)


使用時の注意は、受光面に被写体が入るようにする。受光面(採光野ともいう)の形と位置がメーカーによって違っているので注意。(台形・円形・蝶々型・3点式など)撮影時間は、長めにセットしておくこと。(オートで撮影される時間より長めにしておかないと、セットされた時間できれてしまい、アンダーな写真となる)


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フィルムがよく期限切れになってしまう。その対策は?

期限の切れたフィルムはカブリがでてくるし、コントラストもなくなってくる。使い切るように100枚入りのフィルムでなく、50枚入りを購入すると良い。


あまり使わないサイズ(大四切・六切・八切など)は他のサイズで代用し、四切は透視撮影と同じフィルムにする。(オルソタイプのスクリーンを張ったカセッテにする必要がある。透視装置はオルソのスクリーンが多いので)


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老人・小児の撮影がブレてしまい良く撮影できない。

老人・小児等は呼吸が止められずにブレた写真になりやすいので、短時間撮影が望ましい。(ブレていたのではどんな良い写真でも意味をなさない


短時間撮影の方法は、管電流を大きくし(装置の許容範囲以内)撮影時間を短くする。例えば100mA−0.4secで撮影していたなら、200mA−0.2secで、もっと装置が許せるなら400mA−0.1secにする。ここで電流と時間の積が同じであれば(電流×時間)同一濃度で撮影できることを覚えておいて欲しい。
もっと発展的に考えて70kVで撮影しているのを、80kVに変更する。そうすると時間は半分で済む。また撮影距離を短くする方法もある。(距離の逆二乗則で距離を200cmから100cmにすると時間は1/4で済む)その他に感材システムの感度を上げるのも方法の一つである。


最終的に70kV−100mA−0.4secで200cm、感度100のシステムが
80kV−200mA−0.012secで100cm、感度200のシステムに変更できるとすると1/32の時間で撮影できる。(一番良い組み合わせを考えて実行して欲しい)


管電圧を変更する方法(換算表がある)


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標準体以外(小児も含めて)の撮影条件がわからない?

撮影条件は装置・感材・自動現像機などで違うものである。メーカーのものは一般的な装置しか加味していない。その施設にあった撮影条件表をその現場で作成するのがベストの方法である。そして、条件表はあくまでも標準体の条件であることを忘れてはいけない。たとえば、自分の体型と患者さんの体型を比較して『自分よりこれくらい太っているので、2タップ時間を長くしょう』などと推測するのが良いと思う。また小児等は大人の同じ大きさの部位と比較して撮影する。(小児の膝は大人の肘と同じであるなど) 臥位の腹部は腰椎の条件より少し下げる(タイマーで2タップ)だけでよく、骨盤と股関節は同じ条件でよいなどと考えていけば、それほど撮影条件に苦労しなくて済む。


標準体より大きくはずれた患者さんは、思い切った撮影条件のアップ・ダウンが必要になる。概してアップ・ダウンが少なすぎて失敗している場合が多い。思い切った撮影条件のアップ・ダウンは管電圧を変化させた方がよい(10kV位)。しかし、通常の被写体の変化は、タイマーを変更したほうが安定する。(管電圧を変更すると発生X線の透過性の差異があり、X線エネルギーも変化してくる。管電圧3.5から6乗に比例・撮影距離2乗に半比例・管電流と撮影時間は単純に比例関係)


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きちんとした撮影条件を作成したい

この撮影条件表は装置が単相全波整流装置のものです。最新型のインバータや3相装置にはこのままでは使用できないので注意してください。


この条件表で膝などを撮影してみて、オーバー(黒い)なら全部の条件を同じように下げてください。(時間のみ下げること)またアンダー(白い)なら全部を同じように時間を上げること。たとえば、この条件で撮影した時に黒い写真になってしまった、あと2タップ時間を下げるとちょうど良い条件になることが分かった。その後は全部の条件を2タップ時間のみ下げて使用する


また、使用する装置、フィルムや増感紙、自動現像機などでも変わります。


この条件表を使用して装置等が故障しても責任は取りませんので注意してください。(装置の性能を考えて使用してください)


単相全波用撮影条件表を参照


また管電圧が低いようなら各施設で変更をすること。(換算表を参照


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FCR(Fuji Computed Radiography )とは?

画像情報をデジタル化して、撮影条件がある程度適当でも撮影できる・被曝線量の軽減・再撮の軽減・ワイドラチュウードで診断情報の向上などの利点を持つ。技師がいない施設には、現在の所、最適なシステムだと思う。しかし、導入時に金銭的負担増となる。(コダック社・コニカ社でも同じようなシステムが発売されている。


FCRの説明


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