自然界に生物の集合生息域として成立するビオトープのように、細胞の集合体である生体組織において、細胞はより生きやすい環境(セルトープ)を積極的に整えます。そのような環境の破綻は疾患の原因となりえますが、疾患特有の組織セルトープを操作することで疾患を終息させる治療法を考案することもできます。我々は、ユニークな機能性生体分子の設計論に基づいた近接細胞の光標識技術とオミクス解析を組み合わせることで、細胞間コミュニケーションに着目した組織セルトープを包括的かつ高深度に理解する解析手法の開発に取り組んできました(Nature Commun 2023; 14: 8031.)。このような解析手法を疾患組織セルトープを効率的に再現する独自の動物モデル(Nature Commun 2018;9:2981)と組みわせることで、疾患を制御する分子基盤の解析を進めています。そして、組織セルトープの解析手法をさらに高度化するとともに、セルトープを操作する新しいコンセプトのバイオテクノロジー開発を推進しています。これらを駆使して新しい遺伝子治療の開拓を目指します。
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研究プロジェクト
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