看護学研究科 Graduate School of Nursing

看護学研究科

Graduate School of Nursing

授業概要

共通科目

授業科目名 概要 担当教員
看護管理・政策論* 看護マネジメントや看護サ-ビスの組織化、施策化など看護管理における理論と看護管理の過程、活動方法を教授する。保健医療福祉システムにおける安全管理や看護の質保証などのための高度実践看護職の機能と役割、高度実践看護職の行う医療チ-ム内の調整や保健医療福祉関係者間の調整、管理的立場にある看護職との協働に関わる活動方法を教授する。またケアの質向上や看護職の資質向上のための制度改革や政策決定過程への高度実践看護職の働きかけについて教授する。 春山 早苗
病態生理学特論* 臓器別の恒常性維持機能を踏まえた上で日常的によく見られる病態について学習し、原因・症状と経過・診断と治療の原則を系統的に教授する。より高度な看護実践に向け、エビデンスに基づいた病態生理学的状態を判断できるよう、事例演習を交えて教授する。 倉科 智行
村上 礼子
佐藤 幹代
長谷川 直人
フィジカルアセスメント特論* 高度実践看護職として、複雑な健康問題をもった対象の身体状況を的確にアセスメントし、臨床判断を行うために、高度な知識・技術の修得についてシミュレーション学習を取り入れながら教授する。特に、対象の複雑な症候に対する臨床判断プロセスを磨くための技能を教授する。 村上 礼子
倉科 智行
古島 幸江
臨床薬理学特論* 薬剤の人体における作用機序と体内動態、有害作用、治療薬物モニタリング等の臨床薬理学の基礎的知識を教授する。また、緊急応急処置、症状調整、慢性疾患に必要な薬物療法について、薬剤使用の判断、投与後の患者モニタリング、生活調整、回復力の促進、患者の服薬管理の向上を図るための知識と技術を教授する。 大塚 公一郎
小原 泉
倉科 智行
看護実践研究論* 看護実践の質の向上につながる研究の重要性、研究課題の検討に必要な文献検討、研究論文のクリティーク、研究方法、研究倫理など、看護研究の具体的展開を教授する。また、看護実践における研究成果をもとに専門的看護の質の向上に役立つ評価方法について教授し、院生の研究課題を明確にし、先行研究を踏まえた理論的枠組みの設定、適切な研究方法の検討、研究計画書作成を目指す。 半澤 節子
永井 優子
コンサルテーション論* コンサルテーションに関する理論と倫理的側面を含むコンサルテーションをめぐる問題や課題について検討する。看護カウンセリングの実際にふれながら、ロールプレイやコンサルテーション体験にもとづいてコンサルテーションの実際について理解する。 永井 優子
看護倫理* 保健医療福祉の現場における倫理的課題と看護職に求められる倫理について教授する。さまざまな看護場面で生じる倫理的な課題や葛藤にアプローチする方法や、関係職種間の倫理的調整に必要な知識を教授し、高度実践看護職が果たす役割について考察する。 小原 泉
看護継続教育論* 看護継続教育に関する諸理論、看護実践能力育成を図るための方策に関する知識と技術を教授する。高度実践看護師が、看護ケアの質を高めるために必要な看護職への教育的働きかけとして、教育現象を経験学習の視点から体系的に計画された学習、個々人の自律的な学習を推進するための教育環境づくりに関する方策及び、教育的関わりの方策を教授する。 塚本 友栄
地域医療論 地域に根ざした医療や保健を展開する方法を教授する。具体的に、地域のニーズの捉え方、ニーズに即した医療の提供の方法、地域の保健医療福祉施設の有機的な連携、医療資源のアウトソーシングの実際について学修する。 春山 早苗
塚本 友栄
浜端 賢次
地域調査法 地域における健康問題や健康ニーズを把握するための方法を教授する。また、調査で収集した資料やデータの分析方法、結果の読み方を教授する。 春山 早苗
大塚 公一郎
関山 友子
Academic Writing & Oral Presentation 英文抄録の書き方からプレゼンテーションまで、国際学会での研究発表に必要な能力を修得する。 成田 伸
鹿野 浩子

*は専門看護師教育課程(38単位)認定科目であることを示す。

実践看護学分野

領域 授業の概要
小児看護学

小児看護専門看護師をめざす場合、子どもの健康レベルや状況に応じたケアについて考えを発展させるために、主要な理論、研究の動向、最近の知見、ケアシステム、ケアマネージメント、社会資源の活用などを踏まえて小児看護の現状を分析し、小児看護専門職としての課題および役割について学ぶ。また、診断・治療のプロセスを含み、小児看護専門職として必要な子どものヘルスアセスメントについて学び、看護実践に活用できる能力を修得する。これらを踏まえて、高度医療および地域医療の場において、小児看護を実践できる看護実践能力を修得する。さらに課題研究では、小児看護専門看護実習を通して明らかになった課題を探究し、修士論文を作成する。

研究を主体として学ぶ場合、講義・演習・特別演習を通して明らかになった小児看護の実践的課題のなかから、小児看護の対象となる人々へのケアの改善・改革に関連する研究課題を設定する。その課題について特別研究で個別指導や研究ゼミによる研究指導を受けながら研究活動を展開し、修士論文を作成する。

母性看護学

母性看護専門看護師をめざす場合、周産期の母子やその家族、各ライフステージにある女性とその家族の状況を理解し、高度看護実践に必要なアセスメントの方法と支援について探求する。高度医療機能とその周辺およびへき地の医療機関における高度看護実践、コンサルテーション、コーディネーション、倫理調整について実習し、また施設スタッフに対する教育および研究的なかかわりを実践してチーム医療における医師との協働を踏まえた、専門看護師としての基礎的能力を養う。主として課題研究で、講義・演習・実習から見出された課題・探求方法等をもとに、母性看護学、女性の健康看護学、助産学に関連する実践的課題の改善・改革の方法について検討し、修士論文を作成する。
研究を主体として学ぶ場合、講義・演習・特別演習を通して明らかになった課題・探求方法等をもとに、母性看護学、女性の健康看護学、助産学に関連する研究課題の改善・改革の方法について、特別研究として研究活動を展開し、修士論文を作成する。

精神看護学

精神看護専門看護師をめざす場合、「リエゾン精神看護」あるいは「地域精神看護」のいずれかのサブスペシャリティを選択する。その上で、精神看護実践において卓越した働きかけに必要となる理論を学び、メンタルヘルス・エグザミネーション、精神力動的アセスメント等の多彩なアセスメントの方法、精神科診断と臨床検査、精神療法、認知行動療法等の各種療法等の最新の知識と技術を習得する。専門看護師の役割と機能を学び、精神科医療施設において実習を展開し、精神科診断・治療と直接ケア、コンサルテーションおよびコーディネーションについて学修する。また、サブスペシャリティに関する直接ケアの実習を展開し、専門看護師としての実践能力を身につける。さらに、「課題研究」を選択し、講義・演習・実習を履修する中で見出された精神看護領域における実践的研究課題を踏まえて、高度な看護実践に関する事例研究、文献研究等を展開し、修士論文を作成する。
研究を主体として学ぶ場合、講義・演習・特別演習を履修する中で見出された精神看護領域における実践的課題を踏まえて、精神の健康課題をもつ人々とその家族へのケアの改善・改革につながる研究課題を設定し、特別研究で研究活動を展開し、修士論文を作成する。

がん看護

がん看護専門看護師をめざす場合、講義・演習ではがん診断期から終末期に至るがん患者とその家族が抱えるあらゆる苦痛症状および苦悩を系統的かつ包括的に把握するため、がんの疫学、病理、診断、治療法に関連する最新の専門的知識と技術および、その基盤となる概念枠組みおよび諸理論、キュアとケアを統合するための臨床推論過程を学び、包括的介入方法を探究する。実習では、緩和ケアを提供する病棟、外来などさまざまな場において、専門看護師の役割・機能の実際、高度な看護実践・教育・相談・調整・倫理調整、がん診断・治療に伴う臨床判断や身体管理を学び、高度な実践力を身につける。これらの学びを基盤に、がん看護学領域における看護実践をとおして見出された研究課題について、高度実践に関する事例研究や文献研究などを中心に修士論文を作成する。
研究を主体として学ぶ場合、講義・演習・特別演習を通して明らかになった実践的課題のなかから、緩和ケアを必要とするがん患者とその家族へのケアの改善・改革に関連する研究課題を設定し、その課題について研究活動を展開し、修士論文を作成する。

「特別演習」「課題研究」「特別研究」を除いた各境域の授業科目は専門看護師教育課程(38単位)認定科目である。

地域看護管理学分野

領域 授業の概要
老年看護管理学

講義では高齢期に特徴的で必要な病態生理を含む疾病知識と看護実践に関し教授する。特にジェリアトリックシンドロームと称される高齢期特有の身体問題と高齢者のケア技術に関する実践や多死社会を担う喪失関連の看護を見越した思考力を培う。倫理的な側面の重要性と法的制度についても、必要とされる状況をとらえてケアと融合的にマネージできるように教授する。
演習では、ケア決定上の診断プロセスや在宅にて必須の高齢期フィジカルアセスメントの実践力を強化するなど総合的に検討する。
特別研究では、老年看護管理学の講義・演習・特別演習をとおして明らかになった実践的課題のなかから、老年看護の対象となる人々へのケアと看護管理の改善・改革に関連する研究課題を設定し、研究活動を展開し、修士論文を作成するために、個別指導や研究ゼミによる研究指導を行う。

地域看護管理学

講義では、へき地を含む地域の特性および人々のヘルスニーズならびに保健医療福祉施策を踏まえて、地域看護管理、特に地域ケア体制づくりの理論と考え方およびへき地における看護活動の展開方法に関する理論を教授する。また、医療機関における地域連携体制の構築およびへき地を含む地域の看護管理活動ならびに施策化・政策化に関わる看護活動の方法について、実践事例や国内外の先行研究から検討する。
演習では、地域特性および人々のヘルスニーズの分析から、行政機関、訪問看護ステーション、地域中核病院、へき地診療所、へき地医療拠点病院等の看護提供体制を評価検討し、地域看護管理に関する改善・改革の課題を探究する。
特別演習では、地域看護管理に関する改善・改革の課題を達成するための方法について、文献検討およびフィールド演習等により多面的に検討し、改善・改革に関連する研究計画を検討する。
特別研究では、地域看護管理学の講義・演習・特別演習を通して明らかになった実践的課題のなかから、地域看護の対象となる人々へのケアと看護管理の改善・改革に関連する研究課題を設定し、研究活動を展開し、修士論文を作成するために、個別指導や研究ゼミによる研究指導を行う。

診療看護技術管理学

講義では、特定行為を含む看護技術である診療看護技術の安全性を高めるための開発・改善から提供システムづくりに必要な他職種・他部門との連携・調整および、在宅、介護施設、病院などでのチーム医療の在り方の理論と考え方を教授する。また、保健医療福祉制度や医療政策、組織特性などを踏まえ、継続教育を視野に入れた診療看護技術の教育体制のあり方とその実際を教授する。
演習では、安全かつ安心な診療看護技術の開発・改善、提供方法や、病院、介護施設、在宅などにおける他職種との連携を踏まえた看護管理活動について、実践・評価を行い、診療看護技術の医療提供システムづくりに関する改善・改革の課題を探求する。
特別演習では、看護技術が必要なそれぞれの場の特徴を踏まえ、看護職の役割拡大に伴う安全・安心な診療看護技術の開発・改善、チーム医療の推進につながる医療提供システムづくりに取り組むための研究課題の明確化とその研究課題を解決するための研究方法を検討する。
特別研究では、診療看護技術管理学の講義・演習・特別演習を通して明らかになった実践的課題のなかから、看護ケアや看護サービスを提供する診療看護技術の管理・改善に関連する研究課題を設定し、研究活動を展開し、ゼミや個別指導を受けながら修士論文を作成する。