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Episode.3 iPS細胞の臨床応用への期待と大型動物研究 (1/7)  New

花園豊先生


—再生医療を実現するために重要な役割を果たすと期待されているiPS細胞(人工多能性幹細胞)。2012年には京都大学の山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受賞し、世間や各メディアでも大いに話題になりました。今回は自治医科大学においてiPS細胞を使った研究を進めている花園豊教授に、医学部6年の菅谷涼さんがインタビューを行いました—

(2013年10月30日)


iPS細胞の研究について

医学部6年・菅谷(以下、菅谷):本日は花園先生が行っている研究について、いろいろお話を伺えるということで楽しみにしてきました。どうぞよろしくお願いします。

花園豊教授(以下、花園):よろしくお願いします。私は自治医大でiPS細胞の研究をしています。菅谷くんもご存じだと思うけど、iPS細胞というのは京都大学の山中先生が作った細胞です。実は、山中先生とは以前から共同研究をやっていました。iPS細胞が出来る何年か前からなのだけど、一緒に共同研究をしていました。ある日突然、山中先生はiPS細胞を発表してあっと言う間に有名になりました。僕もiPS細胞を一緒にやらないかと言われて、結局iPS細胞の研究に入ってしまいました。

菅谷:iPS細胞とはどういったものなんでしょうか。

花園:まず受精卵が胚盤胞というのになります。大体受精して5日目で、まだそのお母さんの子宮に着床する前です。着床は大体6〜7日目です。着床前のこの胚盤胞は内部細胞塊といって、将来胎児になる部分です。この内部細胞塊を取り出して試験管の中で増やしたのがES細胞になります。

大人の細胞から、山中先生が見つけた4つの遺伝子を導入すると、iPS細胞ができます。iPS細胞というのは、このE S細胞と同じ性質なんですね。通常、胚盤胞からできるES細胞を、大人の細胞から人工的に作ったということです。このiPS細胞とES細胞はほとんど同じで区別がつかない。

このES細胞というのは、受精後ごく初期に2、3日間だけ瞬間的に現れる細胞なのだけど、これを山中先生は大人の細胞から自由に作り出す技術を生み出しました。マウスのiPS細胞ができたのが2006年。そして、2007年に山中先生がヒトでiPS細胞作り、2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

iPS細胞の登場

 

菅谷:花園先生も研究でiPS細胞をお作りになられるんですか?

花園:我々もiPS細胞を作ってます。実際にどうやって作るかというと、山中先生は最初に皮膚の細胞を採ってきましたが、皮膚の細胞を採るのは局所麻酔が必要でちょっと大変ですので、末梢血から作っています。これなら少量の採血で済むからずっと楽です。そして末梢血の細胞に山中先生の4遺伝子を導入します。そうすると細胞の形が日に日に変わって、10日目くらいからiPS細胞が出現し始めます。大体2〜3週間でiPS細胞はできてきます。細胞が数十個から数百個に集まって、こういうのをコロニーっていうんだけど、iPS細胞はこのコロニーをつくって増えていくんです。そして2週間ぐらいすると、我々は顕微鏡で見ながらコロニーを拾い、次のシャーレに移し替えて、そうやって維持していくんです。

iPS細胞の作り方

 

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