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会 長 挨 拶

 
 会 長 内田 勝久
 宮崎大学・農学部
 k-uchida(at)cc.miyazaki-u.ac.jp  (at) を @ に

 下垂体研究会会員の皆様、2022年8月より1年間、日本下垂体研究会の会長を務めさせて頂くことになりました、宮崎大学農学部の内田勝久です。「下垂体研究者の集い」の時代を含め、1976年より45年以上の歴史と伝統のある研究会の会長という大役を仰せつかったことは、大変僭越なことであると同時に、その役目の大きさに期待と不安を感じている毎日です。会員や役員の皆様、事務局の力をお借りしながら、本研究会の運営や学術集会の開催を見据え、微力ながら邁進してまいります。1年間、どうぞよろしくお願いいたします。

 さて、私が本研究会にはじめて参加したのが、今から15年前、神奈川県湘南国際村センターで開催された第22回学術集会であったと記憶しています。当時、新潟大学理学部の臨海実験所に在籍していた私は、若手企画シンポジウムに招かれ、ヤツメウナギの下垂体発生、ヌタウナギの下垂体の生殖腺刺激ホルモンについて講演させて頂きました。その後、現所属へ異動し、しばらくは、軟骨魚類の下垂体に関する基礎研究に取り組み、第33回(高知)ならびに第34回(松江)の学術集会でその成果を発表させて頂きました。現在は、農学部という背景から、養殖魚種(サクラマス)の環境適応、銀化変態、体成長、成熟といった、養殖魚の生産の効率化にリンクする生理現象を、下垂体ホルモンに焦点を当て、研究を進めています。

 振り返れば、私自身、本研究会の会員としての経歴は短く、学術集会への出席も、正直、それほど多くはありません。しかし、学術集会に参加する度に、多くの先生方の下垂体研究に対する熱意、基礎から実学に至る幅広い分野の研究者の融合、学生・若手研究者から大先生に至る幅広い人材の活発な議論と交流を肌で感じ、それが私自身のこれまでの研究のアクセルやモチベーションに繋がってきたと痛感しています。また、ホテルや温泉宿に集い宿泊し、昼間だけでなく、夜を徹して飲みながら、自由に研究を語り合うというスタイルは、他の学術集会にはない、下垂体研究会らしい特色であり、研究者の交流や和の形成を生むための、本研究会の伝統であるとも捉えています。

 しかし、ここ数年はコロナ禍により、学会自体もオンラインやハイブリッド形式を導入せざるを得ない状況が続いてきました。まだまだ新型コロナウイルス感染症の完全収束の見通しも立たない現況ではありますが、来年8月の宮崎での学術集会は、下垂体研究会のこれまでの伝統、つまり、老いも若きも多くの会員が直接会って交流し、自由に議論できる場として、準備を進めていきたいと考えています。宮崎の自然、食、文化、そして美味しい焼酎が、それに花を添えてくれることを大いに期待し、第37回日本下垂体研究会学術集会に向けて力を尽くしてまいりたいと意気込んでいます。何卒よろしくお願い申し上げます。

宮崎大学農学部 内田勝久  
(2022年10月17日)