第20回 学 術 集 会

会長挨拶

第20回学術集会によせて

  

 第20期会長
 筒井 和義
 広島大学総合科学部


  今年度は下垂体研究会発足20年目、前身である「下垂体研究者の集い」期も含めると30年目となる節目の年です。 今年度の日本下垂体研究会第20回学術集会は、第32回日本神経内分泌学会との合同学術集会 "Brain-Pituitary 2005"として2005年7月7日(木)−9日(土)の3日間、沖縄本島名護市の万国津梁館(ばんこくしんりょうかん)において開催することとなりました。 本学術集会は神経内分泌系と下垂体について、細胞生物学、解剖学、動物学、生理学、生化学、病理学、内分泌学、生殖内分泌学、比較内分泌学、産婦人科学、農学、水産学、 など多岐にわたる領域の研究者が、その研究成果を発表し、討議する場であります。

 日本下垂体研究会と日本神経内分泌学会(理事長、神戸大学大学院医学研究科 千原和夫先生)は、それぞれ異なる背景と歴史を経て、独自の発展をしてきました。 両学会は独自に学術活動をおこなって参りましたが、将来の一層の発展には個性の異なる両学会の積極的な交流が望まれます。 研究対象に異なりがあること、両学会を構成するメンバーの所属、年齢が異なることなどから、2003年には横浜において、第18回日本下垂体研究会と第30回日本神経内分泌学会の合同学術集会が開催され、非常に大きな学術交流がもたらされました。 今回のBrain-Pituitary 2005では、合同会議の利点をさらに生かした研究者間の学術交流を図ると共に、両学会の先端的研究成果を内外に公表して人類の福祉、医療に貢献致したいと考えております。



第20回学術集会報告

 第20回学術集会が盛会に終了しました。 筒井会長、河田会長のもと日本神経内分泌学会との合同学術集会として、沖縄県名護市の「万国津梁館」で7/7-9の三日間にわたり開催されました。 両会長をはじめ関係各位に心から御礼申し上げます。 一般演題 90、シンポジウムその他講演 30、の発表がありました。 また、下垂体研究会では「最優秀発表賞、特別最優秀発表賞」が下記のように選ばれ表彰されました。


最優秀発表賞

「ホメオドメイン転写調節因子 Prop1 と Hesx1 (Rpx) は、ブタ Follicle Stimulating Hormone (FSH) b 鎖遺伝子上流に結合し、拮抗的にこの遺伝子の発現を制御する」
 諏佐 崇生 他(明治大学大学院農学研究科)

「両生類甲状腺刺激ホルモンの放出促進および抑制因子」
 岡田 令子 他(早稲田大学教育学部)

「LH 放出を促進するハムスター新規視床下部 LPXRFa ペプチドの同定と発現制御」
 井上 和彦 他(広島大学総合科学部/統合脳科学プロジェクト研究センター)


特別最優秀発表賞

「脊椎動物における RFamide ペプチドの分子進化:ヤツメウナギの新規視床下部 RFamide ペプチドの同定と構造解析」
 大杉 知裕
(広島大学総合科学部/統合脳科学プロジェクト研究センター)

「サイトカイン IL-18 レセプター(IL-18R)陽性下垂体前葉細胞株の樹立とその性状」
 永井 康裕
(東北大学大学院農学研究科)



総会・評議員会報告

 総会・評議員会では川島誠一郎先生(東京大学名誉教授)が名誉会員に推挙・承認されました。また新評議員として岩澤淳先生(岐阜大学)が選ばれました。

 次回の学術集会は田中滋康第21期会長のもと、静岡で開催となります。8月2―4日の日程が予定されています。



第4回吉村賞について

 今年の吉村賞は、井上金治先生(埼玉大学理学部)と和泉俊一郎先生(東海大学医学部)に贈られ、今大会でそれぞれの受賞講演が行われました。また、以下のように吉村不二夫先生からお祝いのメッセージが届いております。心からお祝い申し上げます。
2005年7月8日
祝辞

埼玉大学理学部教授
井上 金治 殿
下垂体研究会名誉会員
吉村 不二夫

 貴教授におかれましては、2005年の吉村賞を受賞され、誠におめでとうございます。 心からお祝い申しあげます。 下垂体研究会発足以来、優れた業績を発表され、この会の発展に寄与されました。今回受賞の運びとなりましたこと、心よりお慶び申し上げます。

2005年7月8日
祝辞

東海大学医学部助教授
和泉 俊一郎 殿
下垂体研究会名誉会員
吉村 不二夫

 「下垂体細胞内情報伝達から環境ホルモンまで:基礎と臨床の架橋」と題する研究業績は、下垂体研究会における業績として、高く評価されます。 2005年度の吉村賞に値するものであり、受賞に決まりましたことを心から祝福いたします。 ここに貴助教授を心から慶賀いたします。