第21回 学 術 集 会

会長挨拶

第21回学術集会に向けて

 


 第21期会長
 田中 滋康
 静岡大学理学部


 日本下垂体研究会第21回学術集会は、2006年8月2日(水)−4日(金)の3日間、静岡駅前の公共施設、男女共同参画センター「あざれあ」で開催いたします。 大変立派できれいな会場です。
 今回は当研究会単独での主催となりますが、これは「下垂体研究会」の基本的コンセプト、「形式ばらないで互いに腹蔵なく討論でき、しかも各研究者の立場を理解する場」の設置を意図したためです。 自由な雰囲気の中で、より活発な論議がなされることを期待するとともに、そのような場づくりに運営者側として尽力する所存です。 今回は特に、若手研究者が主体となって催されるようなシンポジウム・セッション枠を設けられればと考えております。 また会場の関係から合宿形態をとることはできませんが、参加者全員が一緒に宿泊できるような近隣のホテルを確保し、 さらに開放されたサロン形式のスペースも用意することで、会場も含めて常時互いに顔を合わせ、議論・交流を深める事ができるような環境を用意したいと考えております。
 多数の参加をお待ちしております。また、ご参加にあわせて静岡の美味しい夏の果物もお楽しみください。





下垂体研究会第21回学術集会のご案内


下垂体研究会会員各位殿

 下垂体研究会第21回学術集会のご案内をお送りします。 今回は静岡市のJR静岡駅に隣接する静岡県男女共同参画センター「あざれあ」で行うことになりました。 会場は,大ホール(380席),ポスターセッション用の展示コーナーと休憩室を予約しています。
 静岡市は,北東には富士山,北西には南アルプス,また南面は駿河湾に囲まれた静かな都市で,平成17年4月からは旧清水市と合併し政令指定都市になりました。 徳川家ゆかりの地でもあり,駿府城址,久能山東照宮,浅間神社などの名跡,少し足を延ばせば,蒲原,由比,薩埵(さつた)峠,丸子,宇津ノ谷,つたの細道などの東海道五十三次の風情を残す宿場跡, また日本平動物園,日本平,登呂遺跡,芹沢_介美術館,清水港,三保などの沢山の観光スポットがあります。 静岡の町並みは賑やかさの中にも落ちついた雰囲気があり,けやき通り,呉服町商店街,青葉シンボルロードを歩くと,駿府公園,城北公園(静岡大学跡),常磐公園に続き,散歩コースとしても楽しめます。 食べものは,駿河湾特産の桜エビやシラス,焼津や清水港のマグロ,わさび,お茶,とろろ汁,安倍川餅,ミカンと芸達者ぞろいで,自慢できるものばかりです。

 研究会は特別講演,シンポジウム,一般演題,若手の企画から構成されています。 特別講演には,神戸大学教授の千原和夫先生に「21世紀における研究の在り方について」, またアフリカツメガエルの体色変化にともなう下垂体中葉細胞をモデル系にホルモンの分泌経路の分子機構の解析をおこない,数々のすばらしい業績を出されているオランダのナイメーゲン大の Martens 教授に講演をお願いしております。
 3つのシンポジウムのテーマは,「下垂体研究の最前線」, 「Metastin? Kisspetin?: A peptide playing a central role in reproduction」, 「視床下部研究のトピックス −その不思議なしくみ−」と,現在注目されている重要な話題・課題であり,活発な議論が展開されるものと確信しております。 これらの講演の中には,スペインからお招きした Tena-Sempere 教授も含まれています。
 若手による企画「若手企画シンポジウム −華ひらけ!若手研究者達−」も,初日の18時30分から開催されることになっています。 この企画は,文字通り若い人にお任せしたものですので,下垂体研究会の将来を担う人たちの交流の場となり,大いに盛り上がりますことを,心から期待しております。

 以上のような内容,形式で研究会を開催する予定です。 自由でくつろいだ雰囲気にしたいと考えておりますし,季節柄,さぞ暑いことかとも思われますので,服装もラフにしていただき,静岡へいらして,皆様が楽しんで頂ければ,と願っております。 是非とも多くの皆様方のご参加をお待ち申し上げております。

静岡大学創造科学技術大学院研究部
統合バイオサイエンス部門    
(理学部生物学教室)      

大会会長 田 中 滋 康     



御礼のご挨拶


日本下垂体研究会第21回学術集会
会長 田中滋康

 まだ,暑い盛りではありますが,皆様ご健勝にてお過ごしのことと存じます。
 さて,日本下垂体研究会第21回学術集会では,皆様の暖かいご協力を戴き,無事成功裡に終わることができましたことを厚くお礼申し上げます。 下垂体を中心テーマに研究している皆様方が一同に介し,活発に議論,意見交換ができ, 内容的にも特別講演2題,シンポジウム3テーマ,ポスターセッション51題,若手企画が開かれ, オランダとスペインからもお二人の研究者をご招待でき,さらにシンポジウムのひとつは英語で行われ,国際的な側面もだすことができたように思います。
 下垂体研究会が今後,基礎研究から応用研究までの広い分野をリードできる集団で有り続けられるよう, 皆様と共に歩み続けていけることを願い,短いですが,お礼のご挨拶に代えさせて頂きます。

(2006年8月13日)


日本下垂体研究会 第21回学術集会報告


 第21回学術集会は、田中会長のもと静岡県男女共同参画センター「あざれあ」で8/2-4の三日間にわたり開催され、 特別講演2題、シンポジウム3テーマ15題、ポスターセッション51題、若手企画シンポジウム4題が発表されました。


第4回吉村賞

 今年の吉村賞は下記のように選ばれ、今大会でそれぞれの受賞講演が行われました。

第4回吉村賞

「細胞間相互作用による下垂体前葉細胞の機能制御機構に関する研究」
 高橋純夫(岡山大学理学部)

「濾胞星状細胞からみた下垂体の細胞学」
 白澤信行(山形大学医学部)


最優秀発表賞・特別最優秀発表賞

 下垂体研究会では「最優秀発表賞」、「特別最優秀発表賞」が下記のように選ばれ表彰されました。

最優秀発表賞

「ラット視床下部-下垂体血管系形成に関与する分泌性タンパク質の探索」
 中倉 敬

「リン酸化プロラクチンの分泌変化と分泌細胞との関連」
 堀口幸太郎

「ステロイドホルモンによるPRL前駆細胞の分化・発達機構」
 小笠原清基

特別優秀発表賞

「卵胞刺激ホルモン(FSH)b鎖の新規転写因子Lhx2のクローニングとその作用」
 佐藤崇信

「腺下垂体発生過程におけるカドヘリンの変化と細胞分化」
 矢田部恵

「IGF-Iノックアウトマウス下垂体におけるプロラクチン(PRL)産生細胞の発達・分化とエストロジェン(E2)による作用」
 樋掛民樹

(2006年8月22日)


下垂体研究会第21回学術集会概要


1. 会期:2006年8月2日(水)〜8月4日(金)

2. 会場:静岡県男女共同参画センター「あざれあ」
     〒422-8063 静岡市駿河区馬淵1-17-1
     Tel: 054-255-8440, Fax: 054-251-5085
     交通:JR静岡駅北口より徒歩7 -8分
     地図:http://azarea.pref.shizuoka.jp/access.htm

3. プログラム(案)

8月2日



12:00〜13:00    
幹事会


13:25〜13:30
開会


13:30〜16:00 シンポジウム I(下垂体研究の最前線)


16:20〜18:00 一般講演



18:30〜21:00 若手による企画

8月3日



 9:00〜11:30
シンポジウム U(Metastin? Kisspetin?)


11:30〜12:00 評議会・総会


12:00〜13:00 昼食


13:00〜16:00 ポスターセッション


16:10〜16:55 特別講演 T:(座長:田中滋康)



「21世紀における研究の在り方について」
千原 和夫
神戸大学大学院医学系研究科応用分子医学講座
内分泌代謝・神経・血液腫瘍内科 教授


17:00〜18:00 特別講演 U:(座長:菊山 榮)



「Molecular dissection of the secretory pathway in Xenopus intermediate pituitary cells」
G.J.M. Martens
オランダ,ナイメーゲン大 教授



18:30〜20:30 懇親会(ホテルアソシア静岡ターミナル2階レストラン)

8月4日



9:00〜11:00 シンポジウム V(視床下部研究のトピックス)


11:15〜12:30 吉村賞受賞講演


閉会


4. 参加費

学術集会 一般会員
:3,000円
          


学生会員
:2,000円



非会員
:4,000円

懇親会 一般会員 :5,000円


学生会員 :3,000円


非会員 :5,000円
 参加費,懇親会費は当日受付でお支払い下さい。



※下垂体研究会大学院生育英基金からの補助

 学部学生,大学院生,研究生等で有給の職を持たない方が参加発表する場合には下垂体研究会大学院生育英基金からの補助金が給付されますので, ご希望の方は専用の書類を以下より入手して必要事項を記入の上,日本下垂体研究会事務局(自治医科大学医学部解剖学講座)へ郵送してください。 遠方からの参加者、筆頭発表者を原則とします。

 大学院生育英基金申請書式のダウンロード
  MSWord 形式(29 kB)
  pdf 形式(16 kB)


5. 宿泊
 静岡駅周辺には,たくさんのホテルがありますので,各自予約をされてください。


6. 演題申し込みおよび抄録作製

 会員の皆様方からの積極的な演題発表の申し込みをお待ちしております。

 抄録の原稿は,A4版半分に収まるように,演題,発表者,抄録を MSWord 書式ファイル(文字サイズは,演題12ポイント,その他は11ポイント,明朝体)とし,
 sbstana@ipc.shizuoka.ac.jp(田中滋康)
までメールでお送り下さい。最優秀発表賞(後記)への応募の有無もご記入下さい。

 抄録締め切り: 平成18年7月3日(月)17:00


一般口演(希望者:14名まで)
 一般発表はすべてポスターとしますが,そのうち希望者には,7分間の口演(PowerPoint使用)も可能とします。 希望者は,要旨送付時にその旨を明記してください。 ただし,質疑の時間はとらず,また時間の関係で演題数はプログラム委員会で制限をさせていただきます。


ポスター
 
ポスター用パネルの大きさは,幅110 cm×高さ165 cmです。パネル左上に演題番号札を事務局で添付しますので,ポスターはご自分の番号の位置に貼り付けてください。
 8月3日(木)13:00〜16:00(偶数演題番号; 13:00〜14:30,奇数演題番号;14:30〜16:00)の時間は,各自のポスター前で参加者の質疑に応じてください。
 展示は,当日の10:00〜17:00までとさせていただきます。17:00までにポスターは撤去してください。 それ以降も貼付されているポスターは事務局で処分させていただきますのでご了承ください。


7. 送り先およびお問い合わせ

 参加(含,懇親会の参加の有無)と抄録は,メールでお願いします。

〒422-8529 静岡市駿河区大谷836
静岡大学 理学部 生物学教室
下垂体研究会第21回学術集会事務局
田中滋康 
e-mail: sbstana@ipc.shizuoka.ac.jp
Tel: 054-238-4783, Fax: 054-238-0986


8. 最優秀発表賞について

 昨年に引き続き、ポスター発表(一般発表)のなかで優秀なものは、3題(原則として)を最優秀発表賞として表彰します。 本賞は、応募された抄録をもとに第一次審査を行って受賞候補者を決定し、次いで学術集会時に候補者のポスター発表をもとに第二次審査を行い、受賞者を決定します。 応募対象者は、学術集会時に35歳以下の日本下垂体研究会の会員に限ります。 応募希望者は抄録提出時に「最優秀発表賞に応募する」と必ず明記下さい。



シンポジウム予定


《シンポジウム T》

「下垂体研究の最前線」

  座長:加藤幸雄(明治大学),屋代隆(自治医大)

1. 脊索前板由来細胞の下垂体発生への寄与
今井 元(昭和大学・医学部・解剖)

2. 無顎類からみた腺下垂体ホルモンの進化
野崎真澄(新潟大学・理学部付属臨海実験所


3. POMCの分子進化:MSHの挿入と欠失による多様化
高橋明義(北里大・水産)

4. 分泌顆粒へのペプチドホルモン選別輸送機構
穂坂正博(群馬大・生体調節研)

5. ゴナドトロフにおける性腺刺激ホルモン分泌調節
汾陽光盛(北里大学・獣医生理)


《シンポジウム U》

"Metastin? Kisspetin?: A peptide playing acentral role in reproduction"


Organizers: Tetsuya Ohtaki (Takeda Pharmaceutical Inc.)
            Kinji Inoue (Saitama Univ.)
            Kei-ichiro Maeda (Nagoya Univ.)

1. The History of Discovery and Research for Metastin/Kisspeptin
Hisanori Matsui and Tetsuya Ohtaki (Takeda Pharmaceutical Company, Ltd.)

2. Role of metastin/GPR54 in the control of gonadotropin secretion: Interaction with metabolic factors
Manuel Tena-Sempere (Faculty of Medicine, University of Cordoba)

3. Possible functions of sexually-differentiated metastin neurons in the brain
Hiroko Tsukamura (Nagoya University)

4. The immunocytochemical study of metastin neurons in the rat brain and their differential estrogenic regulation
Sachika Adachi (Department of Regulatory Biology, Faculty of Science, Saitama University)

5. The role of metastin in timing the onset of puberty
Yoshihisa UENOYAMA (Laboratory of Reproductive Science, Nagoya University)

6. Metastin and the hypothalamic GnRH pulse generator: Unraveling the long-standing "black box" regulating pulsatile GnRH release
Satoshi Ohkura (Laboratory of Neurobiology, National Institute of Agrobiological Sciences)


《シンポジウム V》

「視床下部研究のトピックス −その不思議なしくみ−」

1. 鼻プラコードから視床下部への GnRH ニューロンの移動と軸索ガイダンス分子
村上志津子(順天堂大学医学部・第二解剖


2. 視床下部下垂体後葉系ニューロンの構造的可塑性
宮田清二(京都工芸繊維大学・応用生物学部門)

3. レプチン抵抗性出現機構の解明
大井晋介、清水弘行、森昌朋(群馬大学大学院医学系研究科・病態制御内科学


4. 視床下部ニューロンの損傷後の軸索再生
川野 仁(東京都神経科学総合研究所・発生形態研究部門)



若手企画予定

「若手企画シンポジウム −華ひらけ!若手研究者達−」

オーガナイザー:上野山 賀久(名古屋大学)
                佐藤 貴弘(久留米大学)
                藤原 研(自治医科大学)

1. 外温性羊膜類の性分化機構
−温度依存性性決定動物を用いた脳と生殖腺の性分化の比較研究−
遠藤大輔,朴民根(東大理学系研究科・生物科学)

2. マウスの涙腺由来のペプチド性フェロモンとその受容体
はが紗智子,東原和成(東大大学院新領域創成科学研究科)

3. 細胞外pH感知性Gタンパク連関受容体の機能とシグナル伝達
茂木千尋,岡島史和(群馬大学・生体調節研・シグナル伝達)

4. ホルモン顆粒輸送分子機構の生細胞イメージング解析
坪井貴司1,福田光則1,2
(1理研・福田独立主幹研究ユニット,2東北大院・生命科学研究科)