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第38回日本下垂体研究会学術集会(岡山大会)を終えて
会長:大塚 文男(岡山大学学術研究院医歯薬学域 総合内科学 教授) この度、2024年8月23日(金)・24日(土)・25日(日)の3日間にわたり、倉敷アイビースクエア・エメラルドホールにて第38回日本下垂体研究会学術集会を開催させていただきました。 例年の合宿形式での開催にならい、下垂体に関する研究の進歩・向上をはかり、広く内分泌学の基礎研究に携わる会員相互の学術交流をはかるべく、学術的かつ自由な雰囲気の漂う倉敷での開催を企画いたしました。当科主催での開催にあたり、今回は「ジェネラルに捉える下垂体研究」をテーマとしました。シンポジウム1「ジェネラルに捉える下垂体疾患の病態研究」では、京都大学の高島康弘先生、名古屋大学の須賀英隆先生、社会医療法人社団森山医会森山記念病院の井下尚子先生、自治医科大学の田島敏広先生、東北医科薬科大学の蔭山和則先生にご講演をいただきました。多能性幹細胞を用いた実験系、病理学的研究、先天性下垂体機能低下症の病態研究、クッシング病の病態研究など、全身的・多角的な視点から下垂体疾患の病態研究の最先端に触れることのできるセッションとなりました。シンポジウム2「広く深い視点から切り込む下垂体基礎研究」では、東邦大学の吉田彩舟先生、日本獣医生命科学大学の渡辺雄貴先生、岡山大学の佐藤恵太先生、富山大学の中町智哉先生にご講演をいただきました。下垂体の発生制御メカニズム、下垂体ゴナドトロピン分泌制御機構、下垂体光内分泌システム、下垂体ゴナドトロピン分泌と卵巣発達制御機構など、下垂体基礎研究のトピックを広く深くご紹介いただきました。教育講演では、九州大学病院の坂本竜一先生から成人成長ホルモン分泌不全症の診療について、神戸大学医学部附属病院の福岡秀規先生からクッシング病の薬物療法についてご講演をいただき、臨床的な視点についても参加者の皆様と深く議論を行うことができました。 さらに、新進気鋭の研究者をお招きして、特別講演を2演題用意いたしました。熊本大学の戸田知得先生から、視床下部グルコースセンシングの調節メカニズムについての最新の研究をご紹介いただきました。国立研究開発法人産業技術総合研究所の三田真理恵先生からは、蛍光タンパク質センサーを用いたバイオイメージングによるペプチドホルモン分泌と糖動態との関連についてご発表いただきました。本会を通じて、下垂体を中心とした神経内分泌領域の最先端研究を含めて広く深く議論のできる時間となったと感じています。 受賞関連では、旭川医科大学の甲賀大輔先生が「走査電子顕微鏡による下垂体前葉オルガネラの3Dイメージングに関する研究」で吉村賞を受賞され、受賞講演をしていただきました。また、東邦大学の沖西凌先生が最優秀発表賞を、杏林大学院の新藤綾乃先生、神奈川大学大学院の鈴木汰一先生、鳥取大学院の新谷亜蘭先生、岡山大学病院の大塚勇輝先生が優秀発表賞を受賞されました。 本会の醍醐味であるエクスカーション、懇親会、ファイルオンザデスクを今回も入念に準備いたしました。ご当地セミナーとして倉敷市出身である当科の須山敦仁先生から倉敷の魅力についてご紹介いただき、参加者の皆様に美観地区などの名所を堪能していただきました。懇親会では岡山・倉敷地域を中心に活動するちくわ笛演奏家の住宅正人様、ピアノアンサンブルのFlora様にご演奏をいただき、大変盛況な会となりました。ファイルオンザデスクも予想を大きく上回るご参加をいただき、連日夜遅くまで活発な議論がなされました。 学術集会には78名と多数のご参加と、34演題(一般演題19題、指定演題15題)と多くの皆様方にご発表をいただきました。本会を開催するにあたり、講演・座長の労を賜りました諸先生方、日本下垂体研究会事務局長の菊地元史先生をはじめ役員の皆様、準備・運営に携わった岡山大学総合内科学教室の医局員の皆様、岡山大学総合内科同門・同窓会および関連病院の方々、助成を賜りました両備檉園記念財団、岡山医学振興会の関係者の皆様、そして多くの企業の皆様より温かいご協賛・ご協力を賜わり、心より感謝申し上げます。 次年度の学術集会は名古屋大学の大蔵聡先生に主催いただく予定となっております。また来年も多くの皆様とお会いできることを心から楽しみにしております。最後に、会員の皆様の今度の益々のご活躍と研究のご発展を心よりお祈り申し上げます。 <学術集会スナップ> 学会会場入り口での集合写真 開会の挨拶(大塚文男会長) 最優秀発表賞・優秀発表賞授賞式 吉村賞授賞式(左から菊地元史事務局長、甲賀大輔先生、大塚文男会長) 懇親会でのちくわ笛演奏会 懇親会で演奏されたFlora様と ファイルオンザデスク (2024年 12月 2日)
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第38回日本下垂体研究会学術集会(岡山)ウェブサイトのご案内
(2024年 3月 1日)
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参加研究室ホームページへのリンク集について 当会参加研究室ホームページへのリンク集を設置しました。 会内外の方に当会参加研究室の活動内容を紹介する機会のひとつとなるうえ、 会員相互間の連絡等にも大変好都合かと存じます。 ご賛同いただけます講座・研究室がございましたら、ぜひとも事務局までご一報頂けますよう、 よろしくお願い申し上げます。
(2005年 8月24日)
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