遺伝子治療の取り組みと実績
自治医科大学では、希少疾患・難病・がんを対象とした遺伝子治療および遺伝子導入細胞治療を、基礎研究から臨床応用まで一貫して推進しています。
安全性を最優先としつつ、国内外の研究動向を踏まえた先進的な治験・臨床研究を通じて、次世代の医療創出に取り組んでいます。
臨床遺伝子・
細胞治療センターの役割
本学では、遺伝子治療および遺伝子導入細胞治療を安全かつ適切に実施するとともに、新規治験の企画・実施を推進する中核組織として、2023年4月に臨床遺伝子・細胞治療センターを設置しました。
近年、遺伝子導入技術の飛躍的進歩により、遺伝子治療は実用化段階へと急速に進展しています。
国内では脊髄性筋萎縮症に対するゾルゲンスマや、造血器悪性腫瘍に対するCAR-T療法が薬事承認され、海外においても副腎白質ジストロフィー、網膜変性症などに対する治療が承認されています。
自治医科大学附属病院は、日本における遺伝子治療の中心的施設の一つとして、多数の遺伝子治療治験を実施するとともに、全国から遺伝子治療に関する相談を受けてきました。
こうした実績と専門性を基盤に、今後さらに拡大が見込まれる遺伝子・細胞治療分野のトランスレーショナル・リサーチ(橋渡し研究)を加速することを目的としています。
体制と特徴
本センターは、小児神経・先天代謝、神経・感覚器、血液腫瘍、臨床研究、遺伝子診断・遺伝カウンセリング、看護、薬剤などの各部門からなる多職種・多診療科連携体制で運営されています。
薬事承認された遺伝子治療を安全に実施するとともに、医師主導治験および企業治験に積極的に取り組み、基礎研究の成果を迅速に臨床へと橋渡ししています。
定期的なカンファレンスでは、治験の進捗・安全性評価、治験実施計画の検討、国内外の最新動向の共有を行っています。
また、遺伝子治療やカルタヘナ法に関する教育セミナーを通じて、次世代の遺伝子・細胞治療を担う医療人材の育成にも力を入れています。
主な対象疾患と実績
薬事承認疾患
- 脊髄性筋萎縮症
- CAR導入T細胞製品(CAR-T療法)
治験実施中疾患
- AADC欠損症
- パーキンソン病
- 筋萎縮性側索硬化症
グルコーストランスポーター1(GLUT1)欠損症
治験計画中疾患
- ニーマンピック病C型
- GM2ガングリオシドーシス
- OTC欠損症
- 成人T細胞性白血病