医学部 School of Medicine

医学部

School of Medicine

領域融合治療研究部

Division of Emerging Medicine for Integrated Therapeutics (EMIT)

講座名

分子病態治療研究センター 領域融合治療研究部

医学研究科

博士課程 地域医療学系 血液・免疫疾患学 造血発生学

講座・部門紹介

分子病態治療研究センターの1部門として、医療の進歩と健康の増進への貢献を目指して、基礎〜展開研究を行っています。現在スタッフは4名で、非常勤講師・自科および他科の大学院生が研究に参加し、基礎研究、トランスレーショナル研究、臨床研究に取り組んでいます。2023年11月より、旧・幹細胞制御研究部から領域融合治療研究部と名称を変更しました。臨床上のアンメットニーズに対して、分野や手法にとらわれずに臨床・基礎・薬学・工学・計算科学など様々な領域の知識を集結させ、各専門家とコラボしながら、多分野融合による新規治療開発を目標に研究を進めております。

スタッフ

研究紹介

■エピジェネティック制御による抗腫瘍治療を目指して
既存の治療では充分な効果が得られない難治性造血器腫瘍(多発性骨髄腫・急性Tリンパ芽球性白血病・マントル細胞リンパ腫)を対象として、造血器腫瘍発症のメカニズムの解明し、腫瘍増殖・分化・細胞死・薬剤耐性の制御機構をエピジェネティクスの視点から解析しています。治療への応用展開研究として、理化学研究所との共同研究にてエピジェネティク異常を標的とする治療薬の開発にも取り組んでいます。
1)多発性骨髄腫における抗癌剤抵抗性のエピジェネティク機序の解明と治療への応用
2)急性Tリンパ芽球性白血病(T-ALL)の発症機序の解明と治療への応用
3)マントル細胞リンパ腫に対するエピジェネティク療法の可能性の探索

■バイオマーカー / 抗ウイルス免疫 / 抗腫瘍免疫 / 新規免疫療法開発を目指して
自治医科大学附属さいたま医療センター血液科と共同で、同種造血細胞移植の実患者検体を用いて、日和見感染や移植片対宿主病(graft-versus-host disease, GVHD)などを含む移植後合併症の重症度、発症予測、予後予測に関する免疫バイオマーカー、生理活性物質バイオマーカーの探索を行っています。また、実患者検体を用いてサイトメガロウイルス(CMV)や成人T細胞性白血病ウイルス(HTLV-1)に対する細胞性免疫について、移植後の抗ウイルスおよび抗腫瘍免疫再構築の視点から解析を行っております。治療への応用展開としてT細胞受容体の構造や機能をもとに、新規細胞・抗体免疫療法の開発にも、薬学、工学、計算科学の専門家の先生方と一緒に取り組んでいます。
1)同種免疫と移植後合併症(GVHDなど)のバイオマーカー
2)CMVやHTLV-1などウイルス疾患に対する細胞性免疫動態・液性免疫動態

■患者に応じた最適な同種造血細胞移植を目指して
自治医科大学だけでなく、関東造血幹細胞移植共同研究グループ(KSGCT)や、日本造血・免疫細胞療法学会のレジストリデータを用いて、移植治療における課題(clinical questions)をあぶりだし、合併症(GVHD, 日和見感染症、再発、非再発死亡)のリスク同定、前処置の使い分け、ドナー・ソースの最適な選択、GVHD予防法、移植後の維持療法の意義など、各患者に応じた最適な移植治療に向けた解析を行っております。移植医療は、原病の腫瘍生理学だけではなく、感染免疫、同種免疫、自己免疫、腫瘍免疫などの免疫学的なアプローチや、GVHDの標的となる腸管、肝臓、皮膚、肺、涙腺など様々な臓器からのアプローチなど総合的な判断が必要になってきます。
移植医療における知見は、さまざまな炎症性疾患・免疫疾患の病態生理、腫瘍免疫療法や感染症対策など各分野への展開が可能と考えており、臨床での事象・相関の発見からさらなるトランスレーショナル研究・基礎研究につなげ、逆に基礎研究・トランスレーショナル研究での知見を臨床研究に応用していくことに取り組んでおります。
1)性別不一致移植 / ドナー・細胞ソース選択
2)CMV/移植後合併症
3)フィラデルフィア染色体陽性白血病に対するチロシンキナーゼ阻害剤の移植後使用とアウトカム

関連組織

  • 大学院医学研究科 博士課程地域医療学系血液・免疫疾患学造血発生学

教育担当分野

  • 基礎医学:「分子医学入門」

連絡先

TEL: 0285-58-7400
FAX: 0285-44-7501
zoketsu@jichi.ac.jp