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当科の多様なキャリアストーリーを掲載しました

それぞれの道で、腎臓内科医として歩む

自治医科大学腎臓内科の多様なキャリアストーリー

 

腎臓内科医としてのキャリアは、ひとつではありません。臨床と子育てを両立する道、海外で研究に挑戦する道、専門性を生かして地域に根ざしたクリニックを開く道――。当科で経験を積み、それぞれの道を歩んでいる医師たちのキャリアを紹介します。

 

CAREER 01|子育てとキャリアの両立

木下 真希 先生

自治医科大学腎臓内科 助教

その時々にできることを積み重ね、キャリアをつないでいく

二度の産休・育休を経て、現在は子育てと両立しながら臨床を続けています。限られた勤務時間の中でも、日々の診療や学会発表を一つずつ積み重ね、腎臓専門医・透析専門医の取得、さらに学位取得へとつなげてきました。

子育てをしながら働き続けるために

子どもの急な発熱などで、やむを得ず仕事を休むこともあります。そのようなとき、大学病院には多くの医師がいて、互いに支え合える環境があることに何度も助けられてきました。周囲からサポートしてもらうことの多い立場ではありますが、自分にできることを考え、日常業務の中で少しでもチームに貢献することを大切にしています。

現在の仕事のやりがい

外来診療では、一人の患者さんを長期にわたって診ることができ、経過を一緒に見守っていけることに大きなやりがいを感じます。判断に迷うときには周囲の先生方に相談しながら診療を進めています。透析管理でも、比較的安定した患者さんから慎重な対応が必要な患者さんまで幅広く担当し、治療チームの一員として役割を果たせたと感じる瞬間に、仕事を続けてきてよかったと思います。

若手医師へのメッセージ

結婚や出産などのライフイベントは、すべてを思いどおりの時期に計画できるとは限りません。その時々の生活に合わせて、働き方を変えざるを得ないこともあると思います。私自身、医局の先生方の指導と支援に恵まれ、専門医と学位を取得することができました。学位論文には、出向先で取り組んだ観察研究のデータを発展させた論文を用いています。

将来どのようなライフイベントがあるか分からなくても、その時々にできる範囲で、臨床や学会発表などを続けていくことが、後になって専門医取得や学位取得につながることがあります。歩みを止めるのではなく、自分にできる形で続けていくことを大切にしてほしいと思います。

略歴

 

2014年 獨協医科大学卒業、自治医科大学附属病院 初期臨床研修

2016年 自治医科大学附属病院 内科後期研修

2017年 自治医科大学附属病院 腎臓内科後期研修

2019年 新小山市民病院 腎臓内科

2020年 自治医科大学附属病院 腎臓内科 臨床助教

2021年 日本透析医学会専門医取得

2022年 日本腎臓学会専門医取得、第一子産休・育休

2023年 復職(週20時間の短時間勤務)

2024年 自治医科大学附属病院 腎臓内科 病院助教

2025年 第二子産休・育休、医学博士取得(論文博士)

2026年 復職、自治医科大学附属病院 腎臓内科 助教。総合内科専門医・日本腎臓学会指導医取得

 

 

CAREER 02|海外留学

大野 和寿 先生

University of California San Diego, School of Medicine
Division of Nephrology-Hypertension, Visiting Scholar

臨床と研究の経験を携え、世界の研究環境へ

自治医科大学腎臓内科で幅広い臨床経験を積み、大学院で基礎研究に取り組んだ後、2026年5月から米国カリフォルニア大学サンディエゴ校(UC San Diego)へ留学しています。Volker Vallon教授、Prabhleen Singh教授の研究グループに所属し、腎障害に伴う代謝変化を研究しています。

留学を決意したきっかけ

父が米国へ研究留学していたことから、中学・高校生の頃より漠然と海外留学に関心を持っていました。自治医科大学大学院で研究に取り組んだことをきっかけに、自分の研究をさらに発展させたい、異なる文化や言語の中で生活してみたいという思いが具体的になり、留学の時期や方法を考えるようになりました。

UC San Diegoで得ている経験

UC San Diegoでは、多様なバックグラウンドを持つ研究者と日常的に議論しながら、腎障害時の近位尿細管におけるエネルギー代謝の変化や、急性腎障害(AKI)から慢性腎臓病(CKD)への進展機序を研究しています。新しい実験手法に加えて、研究テーマの組み立て方、結果の解釈、活発なディスカッションなど、海外の研究環境ならではの経験を重ねています。

生活面では、日本とは異なる文化や環境に戸惑いや難しさを感じることもありますが、それも含めて毎日が新鮮な経験です。研究と生活の両面で刺激を受けながら、現地での時間を楽しんでいます。

 

自治医科大学腎臓内科で得たもの

当科では、腎炎、AKI、CKD、透析など幅広い領域の診療を経験し、興味深い症例については症例報告や臨床研究にも取り組んできました。また、基礎系研究室との連携が深く、大学院時代から分子病態治療研究センター・分子医工学研究部で基礎研究を行う機会にも恵まれました。

日々の臨床に加えて、臨床研究、基礎研究、海外留学など、さまざまなアカデミックキャリアについて相談し、自分に合った進路を選べることは当科の大きな特徴です。私自身もその環境に支えられ、臨床と研究の経験を積み重ね、現在の留学へとつなげることができました。

海外留学に関心のある若手医師へ

海外留学では研究そのものだけでなく、異なる文化や価値観の中で生活し、多様な研究者と交流することで、日本にいるだけでは得にくい視点を持つことができます。準備や生活面で大変なこともありますが、それ以上に得られる経験は大きいと感じています。海外での研究に少しでも興味があれば、まずは身近な先輩や指導医に相談し、具体的な一歩を踏み出してみることをお勧めします。

専門・研究テーマ

  • 腎臓内科学一般、遺伝性腎疾患
  • 急性腎障害を早期発見するためのバイオマーカー
  • 腎疾患患者における運動療法
  • 腎障害後の組織修復・線維化機序
  • 腎障害に伴う近位尿細管のエネルギー代謝変化

略歴

2015年 昭和大学医学部卒業、自治医科大学附属病院 初期臨床研修

2017年 自治医科大学腎臓内科

2019年 自治医科大学大学院 入学

2024年 自治医科大学大学院 修了

2025年 芳賀赤十字病院

2026年 UC San Diego Division of Nephrology-Hypertension 留学

 

 

CAREER 03|クリニック開業

小倉 学 先生

おぐら内科・腎クリニック 院長/医学博士

腎臓内科・透析医療の専門性を、地域の身近な医療へ

大学病院や地域の基幹病院で腎臓内科・透析医療の経験を積み、2013年に栃木県小山市で「おぐら内科・腎クリニック」を開院しました。現在は、生活習慣病から慢性腎臓病、透析医療まで、地域に根ざした幅広い診療を行っています。専門医としての高度な知識と、患者さんの生活に寄り添う身近な医療を両立している、医局OBの一人です。

臨床経験を重ね、地域医療の道へ

山形大学医学部卒業後、自治医科大学附属病院で一般内科診療に従事し、2004年に自治医科大学腎臓内科へ入局しました。その後、古河赤十字病院、芳賀赤十字病院、自治医科大学附属病院、新小山市民病院などで、腎臓病・透析医療を中心に研鑽を重ねました。

自治医科大学大学院医学研究科を修了し、医学博士を取得。自治医科大学附属病院腎臓内科特任講師、新小山市民病院透析センター長・腎臓内科科長などを歴任した後、自らのクリニックを開院しました。当科で培った専門性は、大学や基幹病院での診療だけでなく、地域の患者さんを長く支える開業医としてのキャリアにもつながっています。

若手医師へのメッセージ

腎臓内科、透析医療、シャント治療はいずれも、開業後も自院で対応できる部分が多く、長く診療に携わることのできる魅力ある分野です。

また、腎臓内科で身につける知識や経験は、生活習慣病の管理、一般内科診療、全身管理など多岐にわたり、開業後の診療においても大きな武器となります。

私自身、開業後も大学病院や関連病院の先生方、後輩たちに支えられながら、楽しく診療を続けています。このように、腎臓内科にはさまざまな魅力があり、私はこの分野を選択して本当によかったと感じています。

略歴

2001年 山形大学医学部医学科卒業、自治医科大学附属病院 一般内科

2004年 自治医科大学附属病院 腎臓内科 入局

2005年 古河赤十字病院 内科

2006年 芳賀赤十字病院 内科

2007年 自治医科大学附属病院 腎臓内科 病院助教

2010年 自治医科大学大学院医学研究科修了、医学博士取得。芳賀赤十字病院、自治医科大学附属病院腎臓内科 特任講師

2012年 新小山市民病院 透析センター長・腎臓内科科長

2013年 おぐら内科・腎クリニック 開院

主な資格

  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本透析医学会専門医・指導医
  • 日本腎臓学会専門医・指導医
  • 腎代替療法専門指導士
  • 身体障害者福祉法第15条指定医(腎臓機能障害)
  • 難病指定医