自治医科大学附属さいたま医療センター 心臓血管外科

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低侵襲な心臓大血管手術

近年の高齢化により、心臓大血管領域の手術治療を受ける患者様の年齢も上昇しています。当科では、大動脈弁狭窄症の患者様には、心臓を止めず、小さな傷で実施できる経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)を、現在積極的に実施し、良好な治療成績を収めています。
本手術は、ご高齢の患者様にも負担の少ない手術で、早期退院が可能です。

また、僧帽弁閉鎖不全症の90%以上の患者様に僧帽弁形成手術を実施しており、本疾患における標準術式としています。さらに近年では、従来の胸骨正中切開による僧帽弁手術に加え、低侵襲心臓手術(MICS)を適応のある患者さんには積極的に行い、手術による体への負担を減少させ、入院期間を短縮化させています。

大動脈疾患に対しては、近年、血管内から治療を行うステントグラフトという治療法が広まってきています。太ももの付け根の部分に数cmの小さな切開を入れるだけで治療ができることが多く、従来の開胸・開腹手術と比較して体への負担が少ないため、患者さんの年齢や全身状態、動脈瘤の場所や性状などによっては非常に有用な治療選択肢となります。
当センターでは、一般的な下行大動脈瘤・腹部大動脈へのステントグラフト治療だけでなく、やや合併症が多く適応の難しい弓部大動脈へのステントグラフト治療(開窓型ステントグラフト内挿術)も、積極的に実施しており、良好な治療成績が得られています。