自治医科大学

自治医科大学病理診断部

自治医科大学病理診断部

自治医科大学病理診断部

仁木 利郎

あいさつ

わたくしが医学部を卒業したのは1983年ですから、いまからおよそ20数年前になります。当時と比べると、病理に対する臨床からの要望と期待は、益々増してきていると感じています。乳癌の病理診断を一例にとると、以前は極論すれば癌か癌でないかを診断すれば十分でしたが、最近では癌の核異型度スコア、ホルモン受容体あるいはHER2の免疫染色が必須であり、その結果によって治療方針が決定されています。近い将来、癌をはじめとするさまざまな疾患について、病理組織からの情報をもとに、疾患の進行度の判定、予後の予測、治療薬の選択などが行われるようになると予想しています。 研究の面では、診断技術の進歩に伴って癌の早期病変の生検・切除検体が増え、非常に早期の病変から進行性の病変までの一連の検体の解析が可能となってきました。その結果、ヒトにおける発癌の過程についてさまざまな面から考察できるようになりました。方法論的にみても、免疫染色、癌遺伝子・癌抑制遺伝子の変異解析など、ホルマリン固定標本でも検索可能なことが増えてきており、病理組織から重要な知見が得られるようになっています。またこのような病理組織からの知見に加え、細胞培養、動物実験を行うことにより、さまざまな問題に多面的にアプローチすることが可能となっています。 このように臨床医学の中の病理診断、そして病理形態学をベースにした研究は、多くの可能性を秘めているのですが、残念なことに近年病理を志す人が減少しています。現在、日本国内の病理専門医は2000人足らずであり、しかも相対的に30,40代の病理医が不足しています。私たちは、病理学と病理診断に興味をお持ちの先生方に広く門戸を開放しています。病理診断と研究の両面で若い先生方に活躍の場を提供できるものと自負しています。 ご連絡をお待ちしています。

プロフィール・所属学会

【経歴】

  • 出身:徳島県(旧徳島大学教育学部付属中学卒、第26回生)
  • 1983年 東京大学医学部卒業
  • 1987年 東京大学医学部病理学講座助手
  • 1991年 Laboratory for Cell Biology and Histology, Free University of Brussels留学
  • 1997年 国立がんセンター研究所病理部主任研究官
  • 2000年 国立がんセンター研究所病理部室長
  • 2001年 東京大学医学部人体病理学講座助教授
  • 2005年 自治医科大学病理学講座教授

【著書】

  • 呼吸器研修医ノート.診断と治療社.(分担執筆)
  • 標準病理学. 医学書院.(編集、分担執筆)
  • 標準臨床検査学.病理学・病理検査学(福嶋教授との共同編集、分担執筆)

【研究テーマ】

  1. 肺癌、分子標的
  2. 筋線維芽細胞、癌・間質相互作用、微小環境

【資格】

  • 医師、医学博士
  • 日本病理学会認定専門医
  • 日本臨床細胞学会細胞診専門医

【所属学会】

  • 日本病理学会評議員
  • 日本癌学会評議員
  • 日本肺癌学会評議員
  • 日本臨床細胞学会会員
  • AACR (American Association for Cancer Research), active member
  • IASLC (International Association for the Study of Lung Cancer), member

【委員など】

  • 日本肺癌学会国際委員会委員
  • 肺癌取扱い規約病理診断委員会委員(2009-2016)
  • 日本病理学会Pathology International 刊行委員
  • 日本病理学会病理診断コンサルタント
  • 国立がんセンターがん対策情報センター臨床試験・診療支援部 
  • 病理診断コンサルテーション推進室コンサルタント
  • 日本癌学会 Cancer Science Associate Editor
  • 日本肺癌学会関東部会幹事
  • 東京大学大学院医学系研究科非常勤講師
  • 岡山大学医学部非常勤講師
  • 日本歯科大学生命歯学部非常勤講師
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