Specialist Support スペシャリストへの支援

スペシャリストへの支援

スペシャリスト(認定看護師・特定行為看護師)などはキャリアパスの中の一つです。特定領域の熟練した知識・技術を有した看護実践、指導、相談活動を通じて看護の質向上を図るスペシャリストを目指す看護職員を支援しています。認定看護師はラダーステップⅣ認定者、特定行為看護師はステップⅢb認定者に受講資格があるため、計画的にステップアップするための研修を企画しています。資格取得支援制度も充実しており、受講料の補助と勤務は、出張扱いです。

  • 認定看護師資格

    受講料半額補助

    出張扱い

  • 自治医科大学
    看護師特定行為研修センター

    受講料半額補助

    出張扱い

  • 大学院

    勤務への配慮 (一部休職扱い)

だれからもわかるように、認定看護師・特定行為看護師・診療看護師は限定のユニフォームを着ています。

スペシャリスト

当センターには、様々な分野の認定看護師や特定行為看護師、診療看護師などが在職し、患者様へより良い看護を提供できるよう、組織全体の質の向上にむけた取り組みをおこなっています。



認定看護師 18名

皮膚・排泄ケア認定看護師

急性期病院の治療では、患者さんが抱える皮膚の問題(褥瘡や創傷、ドレーン管理、失禁や薬剤性による皮膚障害など)が生じやすく、より的確なアセスメントと重点的なケアが求められます。私達、皮膚・排泄ケア認定看護師は、皮膚障害を発生させない事を目標に、現場での指導や患者さんやそのご家族へのセルフケア指導を実施しています。

褥瘡チームラウンドでは多角的な視点でチーム医療が行われるよう、医師、理学療法士、栄養士、薬剤師など、お互いの専門性を高め合える仲間と共に活動しています。更に、排泄の障害を克服し元の生活に復帰できるよう、ストーマケアや自己導尿の指導など病棟や外来の看護師と連携して支援しています。退院後の生活も視野にいれ、訪問看護師やケアマネージャーと共に生活をサポートできるよう退院支援や退院後の連携に力をいれています。

集中ケア認定看護師

集中治療部(ICU・CCU)内では生命の危機的状態にある患者様の生命を守るとともに、患者さんおよびご家族に対し状況に応じた最高のケアを提供すること、そしてこの急性期の時期から、退院後を見据えたケアを提供することを目標にしています。

そして、どんな状況にあっても、安全を守りながら、患者さんやご家族にとって非日常の光景の中に、日常を垣間見られるようなケアに取り組んでいます。集中治療部に限らず院内全体では救急看護認定看護師や病棟リンクナースと協働し、RST(呼吸ケアチーム)やRRS導入などに携わっています。

感染管理認定看護師

感染管理認定看護師は病院全体の感染管理を行っています。例えば、MRSA等の検出状況を確認し、院内感染の可能性が疑われた場合は直ちに現場に出向き、感染対策の破綻がないか確認し拡大の防止に努めます。また、そのようなことが起こらないように職員への感染防止対策に対する教育と職員が感染防止策を実施できる環境を整えることも重要な活動です。

直接患者さんと関わりのある現場のスタッフに直接指導を行う等、「現場」と協働することで感染防止策の効果を上げることができます。 重要な手指衛生に関してはリンクナースと共に活動し、遵守率の向上に努め効果を発揮しています。

がん化学療法看護認定看護師

がん化学療法は、副作用を伴う治療であり、治療期間は長期にわたります。患者さんやご家族が、病状や治療・副作用などを理解し、安心して治療を受けられるように治療選択の意思決定支援や副作用のセルフケア支援を行っています。

院内の活動としては、がん化学療法を実践している病棟にリンクナースを配置し、抗がん剤の安全な取り扱いが周知徹底できるよう共に取り組んでいます。また、患者さんへのケアを充実させるため、新入職者研修や病棟のニーズに応じた勉強会の開催に力を入れています。

がん性疼痛看護認定看護師

がん性疼痛は「トータルペイン」と言われるように、身体の痛みだけでなく病気への不安、仕事や家庭のことなど様々な問題が生じ、それらが重なり合い「痛み」として現れます。私の役割は、がんによって生じた患者さんの痛みを緩和し、その人らしく生活できるようにサポートすることです。

現在、私は専従看護師として、一般病棟でのコンサルテーション活動を中心とした看護業務に従事しています。具体的には、患者さんの痛みを評価し最も効果的な疼痛緩和対策を検討し、実践、アドバイスなどを行います。緩和ケアチームにも所属しており、週1回の病棟回診や院内勉強会の企画・運営なども行っています。

緩和ケア認定看護師

緩和ケアは、病気と診断されたときから始まります。痛みなどの身体的苦痛、心のつらさによる精神的苦痛、仕事などの社会的苦痛、生への無意味、無目的などのスピリチュアルペインといった患者さんの全人的苦痛に対して支援を行います。また、患者さがその時の病期に合わせて治療方法や療養先を意思決定することができ、その人らしい人生を送ることができるように支援を行います。そして「第2の患者」と言われる家族に対しても、グリーフケア・遺族ケアを行い、家族のセルフケア機能を高められるように支援を行います。

今私は、所属病棟のスタッフと共に患者さんとその家族に緩和ケアを実践しています。また、緩和ケアチームに所属し、リンクナースとの関わりを通して、院内の緩和ケアの質の向上を目指して取り組んでいます。

糖尿病看護認定看護師

糖尿病は慢性疾患であり、一生付き合っていかなければならない病気です。しかし、糖尿病は自覚症状がない場合も多く、療養行動と結びつかないこともあります。また、患者さん1人ひとり社会的背景や置かれている環境が異なります。そのため、糖尿病とともに生きながら生活を営む「生活者」であることを理解したうえで、その人らしいよりよい人生を送れるよう支援していくことが必要です。

そのため、私は所属部署のスタッフと共に、糖尿病教育入院の患者さんを中心としたセルフケア支援を行っています。画一的な看護・指導でなく、患者さん毎に、その時々に応じた適切な支援が行えるよう相談も行います。療養行動をうまく生活に取り入れられるよう、患者さんの思いに寄り添うことも大切です。 当院では、1型糖尿病患者さんに対する患者会を設立しており、定期的な勉強会や懇親会などの企画・運営を患者さん・医療スタッフと共に行っています。今年度は、埼玉県糖尿病協会が主催するウォークラリーの参加を予定しています。

慢性心不全看護認定看護師

慢性心不全は増悪を繰り返さないよう患者さん自身による疾病管理が重要です。疾患を抱えながらも患者さんが安心してその人らしい療養生活を送ることができるよう、生活調整及びセルフケア支援を行います。

私は循環器病棟に所属し、心不全患者さんへの看護をスタッフと共に悩み考え、質の高い看護の提供に努めています。また、月に1回心不全カンファレンスに参加し、医師・理学療法士、作業療法士、薬剤師、栄養士、臨床心理士など他職種と協働して患者さんへのケア充実のため取り組んでいます。

脳卒中リハビリテーション看護認定看護師

脳卒中は、突然発症し意識障害や運動機能障害を伴うことも多く、その後の生活に大きく影響する病気です。脳卒中リハビリテーション看護認定看護師は急性期での重篤化回避のための観察や予防を行うとともに、患者さんの病態に応じた早期リハビリテーションを実施し廃用症候群の予防に努めています。

また脳卒中により生じた機能障害が日常生活に及ぼす影響を予測し、生活再構築のためのケアを行うことで、その人らしい自立を支援することが重要であると考えます。脳卒中を発症した患者及び家族の気持ちに寄り添い適切な情報を提供することで、退院後の生活をサポートできるよう心掛けています。そして、スタッフへの指導や多職種との協働カンファレンスを行い、病棟における看護の質の向上のために活動しています。

新生児集中ケア認定看護師

NICU・GCUでは、小さく産まれた赤ちゃんや、疾患のある赤ちゃんの成長発達段階に合わせながら、高度な集中ケアを提供するとともに、危機的状況にあるご家族への支援を行い、退院後も赤ちゃんとご家族が一緒に幸せな生活が送れるよう、個別的なケアの提供をすることを目標にしています。そして、赤ちゃん一人ひとりを尊重し、細かな表情や動作などからニーズを読み取りケアに繋げられるように取り組んでいます。

認知症看護認定看護師

認知症は、慢性的あるいは進行性の脳の疾患によって、認知機能が著しく低下し、社会生活に支障がある状態を言います。認知症高齢者は年々増加しており、当センターでも認知症患者が治療や処置を受ける機会が増えています。認知症の患者は、突然の入院や説明された治療上の制限を記憶しておくことが難しいため、状況が理解できず、興奮や混乱に伴いパニックになることもあります。そのような状態は、治療の継続が難しくなったり、安全管理上問題となることもあります。私たちは、それらの問題とされる状況を把握し、どのような看護が有効か検討しながら実践しています。また、そのような状態に陥らないような予防策の実践を行っています。

認知症看護の目標は、認知症高齢者が予定通り治療を受け、元の環境に戻ることです。そのためには、認知症の症状を見極めそれに適した看護実践を行う必要があります。限られた時間の中で認知症患者それぞれの症状に合わせて関わることは難しいことです。認知症看護認定看護師として、増加する認知症患者に対し、患者、医療者がお互い安心して過ごせるよう支援をしていきたいと思っています。

特定行為看護師 21名

21名で、38行為中34行為実施しています。

  • 呼吸器(人工呼吸療法に係るもの)関連
  • 呼吸器(気道確保)関連
  • 循環器関連
  • 動脈血液ガス分析関連
  • 創傷管理関連
  • 精神および神経症状に係る薬剤投薬関連
  • 血糖コントロールに係る薬剤投与関連

特定行為看護師より

患者さんの症状を的確に判断し、何が起きているのかを考える「臨床推論」の力が私には不足しているとずっと感じていました。基礎からしっかり体系立てて学びたいと思っていたとき、厚生労働省の「特定行為に係る看護師の研修制度」ができ、自治医科大学が指定研修機関となったため受講しました。基礎講座はe-ラーニングで学べるので働きながら研修を受けることができました。研修では病理学やフィジカルアセスメント、薬理学の基礎学習、病院での医療行為の実習を通し、症状評価から処置介入までの臨床推論を学ぶことができました。患者さんの症状の変化にいち早く気づき、重症化を予防するために、研修で得た学びや技術をスタッフと一緒に共有し、ベッドサイドで活かしていこうと思っています。

診療看護師 3名

診療看護師より

日本NP教育大学院協議会が行う認定試験に合格し、当センターの診療看護師卒後研修を終え、救命救急センターと集中治療部、5階東病棟で診療看護師としての業務に就いています。特定行為をはじめとする診療行為を通して、安全で質の高い医療のタイムリーな提供やチーム医療の推進に貢献できるよう努めています。