研究名 対象患者さん 研究目的、方法
造血幹細胞移植後の持続する発熱性好中球減少症に対するVancomycin追加効果に関する後方視的検討 自治医科大学附属さいたま医療センターで2007年以降に同種造血幹細胞移植を行った患者さん 同種造血幹細胞移植後の発熱に対するバンコマイシン追加投与の有無による臨床的効果を解熱期間やグラム陽性菌検出率などを指標として評価します。
多発性骨髄腫に対する同種移植の検討 当科において同種造血幹細胞移植を受けられた多発性骨髄腫の患者さん 電子カルテ上の診療情報を用いて上記患者さんを対象とした後方視的研究を行います。多発性骨髄腫の同種移植の経過や効果につき、再検討します。
ALアミロイドーシスに対する造血幹細胞移植の後方視的検討 平成11年12月から平成29年12月の間に、当科でALアミロイド―シスに対して造血幹細胞移植を受けられた患者さん ALアミロイド―シスに対して行った造血幹細胞移植時の情報をカルテから収集し調査票を記入します。それらを用いて、移植の成績や、それらに影響を与える要因について検討します。
糖鎖解析技術を利用した移植片対宿主病に対する新規バイオマーカーの探索 当院で血液疾患に対して2010年1月から2018年12月の間に初回同種移植の治療を行った患者さんです。 移植片対宿主病のバイオマーカーを広く探索的に測定・解析します。
同種造血幹細胞移植後のサイトメガロウイルス感染予防に関する多施設共同後方視研究 2014 年1 月1 日から2019 年12 月31 日までに自治医科大学附属さいたま医療センターにて同種造血幹細胞移植を行った、移植時16 歳以上の方 関東造血細胞移植グループ参加施設で移植を行った実際の患者さん達の経過から、レテルモビルの有用性を調べるとともにレテルモビル投与が特に有効な患者群を同定することを目的としています。
同種移植後インフルエンザウイルス感染症の二次調査研究 同種移植を受けられた患者さんのうち、2012 年4 月1 日から2019 年3 月31 日までにインフルエンザウイルス感染症を発症された患者さん 本邦の同種移植後のインフルエンザ感染症の臨床経過や治療成績を明らかにします。
シタラビン大量療法で地固め療法を受ける急性骨髄性白血病患者における予後因子の解析 2007年1月から2020年12月までの期間で、当科でシタラビン大量療法による地固め療法を受けた急性骨髄性白血病の患者さん ご年齢・性別などの患者さんの背景、急性骨髄性白血病に関連した検査の結果(染色体や遺伝子検査の結果を含む)、治療経過などの情報を収集します。急性骨髄性白血病の再発や生存率に関連する因子を調べます。
「持続する発熱性好中球減少症に対する従来型の経験的抗真菌治療とD-indexに基づく早期抗真菌治療の無作為割付比較試験(CEDMIC試験)」における真菌バイオマーカーの臨床的意義に関する追加解析 日本FN研究会が第6次研究として2013年5月 〜 2017年10月の間に実施した「持続する発熱性好中球減少症に対する従来型の経験的抗真菌治療とD-indexに基づく早期抗真菌治療の無作為割付比較試験(CEDMIC試験)」に参加された患者さん 本研究では侵襲性真菌感染症を診断するために行う真菌バイオマーカーの臨床的な意義を検証します。CEDMIC試験のときに検査を行った真菌バイオマーカーの検査結果を後方視的に見直し、どのくらいの患者さんで検査が陽性となったか、そのうちどのくらいの患者さんで実際に真菌感染症と診断されたかを検証します。研究はすでに集積されているデータを用いて行われますので、新たに情報を収取することはありません。
慢性骨髄単球性白血病(CMML)における同種移植後再発メカニズムの探索 2015年に、当科でCMMLに対して同種造血幹細胞移植(本人以外からの幹細胞移植)を行い、その後に再発(腫瘍細胞が増殖)してしまった患者さん 移植後再発の原因について探索的に測定・解析します。“白血病、リンパ腫などに対する腫瘍特異的免疫療法開発のための研究”に参加されている患者さんの、その研究目的で採血させていただいた検体の一部を用いて測定・評価を行います。
TKIが使用されたJALSG Ph+ALL臨床試験とTRUMPデータの統合による予後因子解析 2002年から2019年に特定非営利活動法人 成人白血病治療共同研究機構(JALSG)が行ったPh+ALL202試験、Ph+ALL208試験、Ph+ALL213試験に登録されたフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)の患者さん 同種造血細胞移植を行った患者さんの移植後のデータ検討のため、移植登録一元管理プログラム(TRUMP) のデータも合わせて解析されます。
DPP-4 阻害薬が同種造血幹細胞移植後のGVHD に与える影響 2010年1 月1日から2019 年12 月31 日までの期間で関東造血幹細胞移植共同研究グループ参加施設において同種造血幹細胞移植を受けた患者さんのうち、移植時に糖尿病をおもちになっていた
患者さん
糖尿病に対する通常量のDPP-4 阻害薬の服用が同種移植後のGVHD の発症にどのように影響するかを検証することを目的としています。この研究は「造血細胞移植医療の全国調査」において既に保有している患者さんの臨床情報と二次調査票を用いて診療記録から得た情報を用いて行われます。
50 歳以上の前処置強度選択における非再発死亡予測スコアリングシステムの開発 2008 年1 月から2019 年12 月の間に、当科で急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、骨髄異形成症候群に対して同種移植の治療を行った50 歳から69 歳までの患者さん 強度減弱前処置をどのような症例で使用することが適切かどうかを評価します。
日本における血液疾患患者を対象とするCOVID-19 罹患状況、予後に関する横断研究 日本血液学会血液研修施設にてCOVID-19 感染が確認され予後が確定した血液疾患患者さん 日本血液学会として国内の血液疾患患者におけるCOVID-19 罹患状況、予後ならびに予後因子について検討します。
急性白血病においてサイトメガロウイルス再活性化が移植後再発に与える影響:急性GVHD との相互作用も考慮した検討 2006 年1 月から2018 年12 月の間に、当科で急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病に対して同種移植の治療を行った患者さんです。

本研究では移植後サイトメガロウイルス(CMV)再活性化が移植後再発に与える影響を検討します。日本造血細胞移植データセンターより提供された、個人情報が分からないよう匿名化されたデータ(疾患、移植法、移植成績等)を解析に用います。
同種移植後のカルシニューリン阻害薬のステロイドへの置換 2007 年1 月から2019 年8 月までの期間で、当科で同種造血幹細胞移植を受けた患者さん 対象となる患者さんのカルテを確認し、ステロイド置換後のGVHD の発症、感染症の発症、生存率などの情報を収集します。ステロイド置換がどの程度の頻度で行われたか、ステロイド置換後GVHD や感染症の発症がどの程度あったかを検証し、ステロイド置換が行われたかった患者さんの経過と比較検討します。
同種移植前の抗菌薬アレルギーの既往が移植成績に与える影響 2007 年1 月から2019 年12 月までの期間で、当科で同種移植を受けた患者さん 同種移植後の抗菌薬アレルギーの発症の有無、感染症発症への影響、生存予後や移植片対宿主病(GVHD)、再発に与える影響を検討します。
標準リスクの造血器腫瘍患者に対するHLA一致血縁者間同種造血幹細胞移植のシクロスポリンの濃度調整 2007年1月から2021年5月までの期間で、当科で同種造血幹細胞移植を受けた患者さん 対象となる患者さんのカルテを確認し、同種造血幹細胞移植時の免疫抑制薬(シクロスポリン)の濃度、原疾患、GVHD等の発症などの情報を収集します。生存率、再発率、非再発死亡率について調べます
同種造血幹細胞移植における累積ステロイド投与量に関する研究 2007年4月1日から2019年3月31日までの間で、当科を受診し造血幹細胞移植治療を受けた患者さん 患者さんの移植時の検査結果や状態、提供いただいた造血幹細胞などの情報をカルテから収集し、使用されたステロイドの合計投与量と移植治療中に出現する合併症との関係などを検討します。
アグレッシブNK細胞白血病に関する多機関共同後方視的研究 2008年から2021に診断されたANKL患者さん 日本全国の施設で診断されたANKL患者さんに関する臨床所見,検査結果,治療内容,治療効果について,診療記録を用いて調査を行います.既存のデータのみを用いた研究であり,本研究への参加にあたり新たに検査を行うことはありません.診断に用いた標本は匿名化してから事務局に送付していただき,診断の妥当性,腫瘍細胞形態の評価を行います.
移植前レシピエントCMV-IgG 抗体価の測定法の差異が移植後サイトメガロウイルス(CMV)再活性化に与える影響に関する検討 2007 年1 月から2021 年6 月までの期間で、当科で同種移植を受けた患者さん サイトメガロウイルス免疫グロブリンG(CMV-IgG)を酵素免疫測定法(EIA 法)で測定した症例を抽出し移植前の保存検体を用いて、CMV-IgG を化学発光免疫測定法(CLIA 法)で測定します。検査方法の差異による抗体価の相関、移植後のCMV 再活性化、移植成績に与える影響を検討します
高齢患者の同種移植における移植成績と予後予測因子 2010 年1 月から2020 年12 月までの期間で、当科で初回の同種造血幹細胞移植を受けた56 歳以上の患者さん 対象となる患者さんのカルテを確認し、同種造血幹細胞移植前の身体機能の評価、原疾患、移植片対宿主病等の発症などの情報を収集します。非再発死亡率、生存率、再発率について調べます。
FLT3 遺伝子変異を有する再発又は難治性の急性骨髄性白血病患者における,ギルテリチニブが同種造血幹細胞移植後成績に及ぼす影響に関する観察研究(多施設,非介入,後ろ向き研究) FLT3 遺伝子変異を有する再発又は難治性の急性骨髄性白血病患者における,ギルテリチニブが同種造血幹細胞移植後成績に及ぼす影響に関する観察研究(多施設,非介入,後ろ向き研究) ギルテリチニブの使用状況を含めた臨床情報(年齢,性別,疾患,治療経過など)について,診療録をもとに匿名化した状態でデータベースに登録し,解析に用います。ギルテリチニブは,FLT3 遺伝子変異陽性の再発又は難治性急性骨髄性白血病に対する同種造血幹細胞移植の前後に投与される可能性がありますが,その有効性及び安全性の情報は限られています。本研究では,このような患者さんでの効果や安全性を調べることを目的とします。
「FLT3 遺伝子変異を有する再発又は難治性の急性骨髄性白血病患者において,ギルテリチニブが同種造血幹細胞移植後成績に及ぼす影響」研究のためのヒストリカルデータ取得研究 2016 年1 月1 日から2017 年12 月31 日までに同種造血幹細胞移植が施行されたFLT3 遺伝子変異陽性の急性骨髄性白血病患者さんを対象 ギルテリチニブの使用状況を含めた臨床情報(年齢,性別,疾患,治療経過など)について,診療録をもとに匿名化した状態でデータベースに登録し,解析に用います。ギルテリチニブ非使用患者さんの治療成績を取得するための後方視的観察研究です。ギルテリチニブ発売前である,2016 年及び2017 年に同種造血幹細胞移植を実施された患者さんの治療成績を調査することが目的です。
新規免疫化学療法時代における同種造血幹細胞移植後再発B細胞性急性リンパ性白血病の検討 2010年から2020年にB細胞性急性リンパ性白血病 (ALL)に対して初回の同種造血幹細胞移植を行い、その後血液学的再発を認めた患者 関東造血幹細胞移植共同研究グループ (KSGCT)参加施設による多施設共同研究で、対象患者さんに対するベスポンサやビーリンサイトなどの新規免薬剤の使用についての調査を行い、移植後再発B細胞性ALLに対する至適治療法の確立を目指します。
二次性骨髄線維症の実態調査 2012年7月18日から2023年11月30日の期間に当科に通院、入院した二次性骨髄線維症(真性多血症や本態性血小板血症などの疾患から進展した骨髄線維症)の患者、その疑いのある患者、および類縁疾患の患者 日本血液学会の認定研修施設が参加する多施設共同研究。該当患者の診断、治療、経過などを登録し、その後1年に1回経過を報告する。二次性骨髄線維症の臨床像について、その実態を調査する。
臨床決断分析を用いた骨髄線維症に対する速やかなHLA適合移植とRuxolitinib使用後の移植の比較 骨髄線維症に対して同種造血幹細胞移植を行った16歳から65歳までの患者さん 適切なドナーさんがおり、移植適応の年齢の患者さんに対して、初めから移植を行うのがよいか、まずはRuxolitinibを使用して再発後に移植を行うのがよいか、様々な文献のデータを参考にしながらそれぞれの予後を比較します。
移植前呼吸機能低下症例における非再発死亡と至適ドナーソース 2016年1月から2020年12月の間に血液疾患に対して同種造血幹細胞移植を行った患者さんです。 血液疾患に対する同種造血幹細胞移植に関して、移植前の呼吸機能が低下した患者さんにおけるドナー幹細胞ソースが非再発死亡等の移植成績に与える影響を検証することを目的としています。
造血幹細胞移植後の女性の残存妊孕能の評価 2001年1月1日から2020年12月31日までの期間で自家または同種造血幹細胞移植を受けた16歳以上43歳未満の女性患者さん 既に移植した患者さんの病気や移植に関して個人情報を特定できない形でデータベースに登録されている情報を用いて統計解析を行い、移植後の妊孕性について調査します。妊孕性に関するデータについてはに二次調査を行い診療録より情報を収集します。
移植前肝障害患者の移植後予後・合併症と治療選択 2010年1月から2020年12月までの期間で、全国の日本造血細胞移植データセンター、日本造血細胞移植学会の参加施設で同種造血幹細胞移植を受け、データの研究利用に同意いただいている患者さんです。 対象となる患者さんのデータセンター登録情報をもとに、移植前肝障害の有無、移植方法、その後の合併症や経過について解析を行います。
血液疾患患者におけるバンコマイシン投与時の薬物血中濃度モニタリングに関する研究 2007年1月から2022年12月までの期間で、当科で造血幹細胞移植や急性白血病に対する化学療法を受けた後に、発熱性好中球症や血流感染症に対してバンコマイシンの投与を受けられた患者さん 対象となる患者さんのカルテを確認し、ご年齢・性別などの患者さんの背景、治療方法(移植の方法や化学療法の内容)、バンコマイシン開始後の発熱性好中球減少症や血流感染症の経過、薬剤による副作用、薬物血中濃度などの診療情報を収集します。
同種移植後サイトメガロウイルス(CMV)感染症に対する先制攻撃治療(Preemptive therapy)戦略の実態調査 2007年1月から2021年6月までの期間で、当科で同種移植を受けた患者さん 移植後サイトメガロウイルス感染症に対するPreemptive therapy戦略下における抗ウイルス薬の使用、有害事象に関する情報を収集し、コストの検討も行い、その実態を把握します。また、サイトメガロウイルス感染症発症やコストに影響を与える背景因子を検討します。
移植前処置にアレムツズマブを用いたハプロアイデンティカルドナーからのHLA不適合移植についての後方視的検討 2015年12月から2023年2月までに、当科で造血器疾患に対して、アレムツズマブ(マグキャンパス)を用いたHLAが半分適合した血縁ドナーさんからのハプロ移植を施行した患者さん HLAが半分適合した血縁ドナーさんからのハプロ移植は現在非常に増えている移植方法で、当科ではアレムツズマブを移植前処置に用いてハプロ移植を行っています。移植時の移植片対宿主病(GVHD)予防法などを含め依然検討を続けるべき点は多く、これまでに我々2施設で行われたハプロ移植を振り返って検討することは、今後のさらなる移植成績改善につなげることができると考えています。当科で行われている同種移植については移植施行時の同意取得に基づいて、関東造血幹細胞移植共同研究グループデータセンター並びに日本造血細胞移植データセンターに移植に関連する情報やその後の経過を匿名化し登録しています。今回はそのデータに基づいて、アレムツズマブを移植前処置に用いたハプロ移植の成績の解析を行います。
血液疾患患者におけるSARS-CoV-2感染症重症化因子に関する後方視的観察研究 自治医科大学附属さいたま医療センター血液科で過去に血液悪性腫瘍もしくは、血液内科の特有の疾患と診断された患者さんで、新型コロナウイルス感染症に罹患した方 カルテから診断名、検査結果、使用薬剤、治療内容などの情報を収集して調査票を作成し、藤田井医科大学研究事務局へ郵送します。研究代表機関である藤田医科大学にて集計され、重症化するリスク因子などについての解析が行われます。
アレムツズマブを前処置に用いた再生不良性貧血に対する同種造血幹細胞移植 当科で2013年5月から2023年8月までに再生不良性貧血に対して、アレムツズマブ(商品名:マブキャンパス)を用いて同種造血幹細胞移植を施行した患者さんの臨床情報を収集させていただきます。 重症再生不良性貧血の治療方法として同種造血幹細胞移植は有効な治療手段です。移植前に行う前処置では患者由来、ドナー由来双方のリンパ球を抑制する必要があり、これまではリンパ球のなかのTリンパ球のみを抑制する抗胸腺細胞抗体(サイモグロブリン)が使用されることが多かったのですが、慢性移植片対宿主病の頻度などの点から改善の余地がありました。リンパ球をTリンパ球以外にも広範に抑制するアレムツズマブを用いた移植により治療成績がさらに向上する可能性があり、現在当科ではHLA適合ドナー、不適合ドナーいずれをドナーとする場合でも再生不良性貧血に対する同種移植ではアレムツズマブを前処置に用いて行っています。今回このような移植を後方視的に解析し、その有効性を検討します。当科で行われている同種移植については移植施行時の同意取得に基づいて、関東造血幹細胞移植共同研究グループデータセンター並びに日本造血細胞移植データセンターに移植に関連する情報やその後の経過を氏名等の代わりに符号を付けて登録しています。今回はそのデータに基づいて、アレムツズマブを移植前処置に用いた再生不良性貧血に対する移植の成績の解析を行います。
初発時急性転化期の慢性骨髄性白血病とPhiladelphia染色体陽性急性リンパ性白血病の同種移植成績の比較検討 2002年1月から2021年12月の間に、日本造血細胞移植データセンターの移植登録一元管理プログラムに登録している移植施設で、初発時急性転化期の慢性骨髄性白血病とPhiladelphia染色体陽性急性リンパ性白血病に対して、初回の同種移植を行った16歳以上の患者さんです。移植前にチロシンキナーゼ阻害薬で治療を行った方のみを対象とします。 慢性骨髄性白血病は慢性期、移行期を経て急性転化期へ進展しますが、初めから急性転化期と診断される場合もあり、Philadelphia染色体陽性急性リンパ性白血病と臨床像が似ています。日本では好中球FISH(fluorescence in situ hybridization)検査を行って鑑別することが一般的ですが、海外ではあまり普及した方法ではありません。両疾患とも化学療法を行った後、同種移植を行うことが推奨されていますが、類似するこの2つの疾患で移植成績に差があるかは明らかでありません。移植成績の違いを明らかにすることで、好中球FISH検査により初診時に2つの疾患を鑑別することの意義を示すことができると考えられます。
同種移植後に発症するフサリウム症の臨床的特徴と予後予測因子 2006年1月から2021年12月の間に、同種または同系ドナーより造血細胞移植を実施され、全国調査に登録された方のうち、フサリウム症(真菌感染症の一つです)を発症した患者さんです。 本研究では同種移植後のフサリウム症の臨床的特徴、予後予測因子について検討します。フサリウム症を発症された患者さんに関するより詳細な情報を二次調査票を用いて収集し、データベースに登録されているデータ(特定の個人を識別することができないよう研究用の符号が付けられている。)とともに研究に用います。
ハプロ移植の種別による性別不一致同種造血幹細胞移植成績の比較 当センターで同種造血幹細胞移植を行った患者さんのうち、以下の条件を満たす方。

・2012年〜2021年に初回の移植を受けた方。
・男性。
・HLA半合致のドナーさんからの移植。
・ドナーさんからの提供方法が骨髄もしくは末梢血幹細胞。
・移植の手法が移植後シクロホスファミド、抗胸腺細胞グロブリン、アレムツズマブのいずれかである。
・移植の対象となった病気が急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、悪性リンパ腫、成人T細胞性白血病、慢性骨髄性白血病、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性疾患のいずれかである。
・最終の受診日が判明している。
・患者さん、ドナーさんの性別が判明している。
・移植の際にシクロスポリンもしくはタクロリムスを使用している。
日本造血細胞移植データセンターより提供された、特定の個人を識別するための情報が取り除かれ加工されたデータ(疾患、移植法、移植成績など)を用いて解析を行います。
急性移植片対宿主病のプロファイルが慢性移植片対宿主病の発症に与える影響に関する検討 2010年1月から2021年12月までに、当センターで造血器悪性腫瘍(急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性疾患、慢性骨髄性白血病、悪性リンパ腫、慢性リンパ性白血病、多発性骨髄腫)に対して同種造血幹細胞移植を行った患者さん 日本造血細胞移植データセンターより提供された、個人情報がわからないように匿名化されたデータ(疾患、移植法、移植成績など)を用いて解析を行います。
次世代シークエンスを用いた血液腫瘍に対する移植後再発機序の解明 2007年4月1日から2027年3月31日までの期間で、当科で同種造血幹細胞移植が行われた患者さんのうち、「白血病、リンパ腫などに対する腫瘍特異的免疫療法・薬物療法開発」の研究で保存され、将来的に計画された遺伝子解析を含むすべての医学研究への利用についても同意をいただいた患者さん。 白血病や悪性リンパ腫などに対して同種移植が行われた方の腫瘍細胞の遺伝子異常やRNAの発現などの解析を行います。腫瘍細胞の遺伝子異常を調べるにあたって、比較のために正常細胞の遺伝子データも取得します。
2回目の同種移植における移植前処置が非再発死亡に与える影響 2003年1月から2019年12月の間に、日本造血細胞移植データセンターの移植登録一元管理プログラムに登録している移植施設で、急性白血病、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性疾患、成人T細胞白血病/リンパ腫に対して、2回目の同種移植(ドナーさんから骨髄などの造血幹細胞の提供を受ける治療)を行った16歳以上の患者さんです。 同種移植後に再発した血液悪性腫瘍に対して根治を目指して2回目の同種移植を行うことがあります。その場合、移植の合併症で亡くなられる方が1回目の移植と比べて多いことが知られています。移植前に使用する強力な抗癌剤や放射線照射(前処置)を1回目の移植より弱いものにすることで、移植の合併症により亡くなる方が減らせる可能性があります。今回の研究では日本造血細胞移植データセンターのデータを使用して、2回目の移植を受けたかたの前処置の違いにより、移植の合併症で亡くなる危険性がどの程度変化するかを解析します。これにより今後2回目の移植を行うにあたって適切な前処置が選択できるようになる可能性があります。