英国におけるスカイラインの記事

雑誌名performance car September 1997 in England
記者Richard Meaden(おそらくイギリス人)

始めに
 これは1997年11月からのR33 GT-Rのイギリス正規輸入に際し、それを取り上げたイギリス本国における雑誌記事の一部です。なお、当然ながら原文は英語です。これまでGT-Rは日本国内の販売しかありませんでした。その初めての輸出先にイギリスが選ばれたのです。その際、欧州の車雑誌では、一斉にこのGT-Rの輸出を大きく取り上げたそうです。今回、「くろさん」のご厚意により、この雑誌の一つを提供いただけたので、それを一部翻訳しました。ほぼ忠実な訳だと思っています(笑)。
(注:今回の輸出の前までは、個人輸入という形で数十台のGT-Rが海を越え欧州にわたっています)

以下本文
Reach for the SKYLINE(スカイラインがあなたのものに)
p77-81
 スカイライン。
何だか変な名前の車ですよね?一体全体これは何を意味しているのでしょう?確かに、数を表すような名前の車、例えば「200SX」のようなものよりはましです。今から30数年前ほどに、日産(その当時はダットサン)の商品会議で誰かが、「その名前(スカイライン)にしよう」と決めたのは実に変わっているように思えます。でも、みなさんはこの新しいロードゴーイングカーがモータースポーツ界が築き上げた車であるということをご存じですか? だから、我々はこの車をきちんと「スカイライン」と呼ぶべきだと思います

 ネーミングが変な車であろうとなかろうと、この車について語られることを聞けば、間違いなく胸をときめかせざる追えないことを確信してやみません。それは「Integrale」や「Diablo」と言った車について語るのと同等のものなのです。そして、これらの車は車好きに不思議な影響をもたらしていますよね。ほとんどの車は、このようなカリスマ性を持っていません。なにしろ、ほとんどの車はドライバーの満足を得られるような代物ではないですからね。スカイラインという車は、漠然としていますが、重大な、そして決して軽視できないカリスマ性をずっと秘めてきています。そして、そのカリスマ性はこの車が誕生したときから明確に運命づけられたものなのです。

 いくつかの日本車はずっと過去の不運を引きずってきています。スープラ、RX-7、セリカGT-4は、本来素晴らしい車にも関わらず、みんな売れていません華々しいNSXでさえ、明らかに冷淡な扱いしか受けていないのです。しかし、みなさんが、かっこうが良くて、堅固でそして信頼に足る日本のスーパーカーが欲しいなら、日産スカイラインGT-Rを見るより他にありません。 このようにカリスマ性を持ち、日産が「一番に」誇るスポーツカーは実にユニークです。

 そして、この度スカイラインのビッグニュースが舞い込んだのです。なんと日産がついにこの偉大な車を、その登場がもっとも望まれた市場に輸入することを決めたのです。その市場とは、すなわちここThe UK(イギリス)です。たとえ、今回の輸入がR33 GT-R v-specのみの限定輸入だとしても、それはすごいニュースなのです(限定100台の車が1997年11月1日より1998年、1999年にわたって販売されます)。スカイラインという車は何年もの間、イギリス車とともに大きな話題を振りまいてきています。そして一部の熱狂的なスカイライン好きのグループが日産に少なからぬ圧力をかけ続け、今回、正規の手続きがふまれ、スカイラインの正規輸入への運びとなったのです。そのスカイラインマニアたちは今まで、個人的に日本から直接スカイラインを買い、個人的にイギリスに持ち込み(いわゆる個人輸入というやつです)この車の需要があること、そしてこの車に興味があるとを証明することによって、日産に圧力をかけ続けていたのです。

 そして、我々は試乗の為に、最新型のさまざまな段階でチューンされた3台のR33 GT-Rを持ってきています。それはノーマルの280馬力から440馬力までチューンされたものまでの3台です。と同時に、イギリスにあるスカイラインの中で最もパワーのある一台である、なんと510馬力の先代R32も一緒に持ってきています。我々はMillbrook(おそらくイギリスの地名です)において、これらのスカイラインで好きな道をハードにドライブすることを、ずっと思い描いていました。そして今回、この強力な4WD車が日本が今までに作り上げた最も偉大なスポーツカーに成り得たというスカイライン神話の全容について掘り下げてみました。

 (ここからがSkyline GT-R Register(イギリスのスカイラインGT-R同好会みたいなものだと思われます)の設立者でもあり、根っからのスカイライン信奉者でもあるDavid Yuと話してみると、スタンダードのスカイライン(ここで意味するのはノーマルのGT-R)を購入するのは、単に何かとてつもなく大きなものの始まりに過ぎないということがはっきりしました。スカイラインGT-Rは際限なくチューン可能な車であり、とてつもなくばく大なパワーを路面に伝え、気持ちよくコントロールできる車なので、スタンダード車輌の280馬力という設定は控えめ過ぎるような気がします。そしてこの事実は当の日産でさえ認めているのです。英国仕様のスカイラインは280馬力で英国日産にやってきます。しかし、英国仕様スカイラインの販売店であるMiddlehurst Nissanでは、オプション設定としてこのGT-Rを350馬力にしてくれます。ただし、その代わり3年間の部品保障とメーカー保障はなくなりますけどね。でも、これでパワーが欲しいみなさんは安心したでしょう!

 みんながチューンしてしまうお陰で、ここイギリスに置いてノーマルのスカイラインGT-Rを見つけるのは困難なのです。幸いなことにNigel Watesが試乗の為に、快く自分のシルバーのGT-Rを持ってきてくれました。R33としては初めての車なのですが、彼にとっては4台目のスカイラインになります。彼は仕事で東京に出張していたときに、この車を買いました。そしてイギリスに持って帰ることに決めたのです。それはV specに使われている先進的な4WDシステムが採用されていない、R specでした。しかし両方ともスタンダード車輌は同じ280馬力です。(ちょっと、ここでHiroが補足しますと、日本のR33 GT-Rにはグレードが2種類あります。単なるGT-RGT-R V specです。両方とも馬力は同じ280馬力ですが、4WDシステム、つまりATTESA E-TSに若干の違いがあります。スタンダードGT-RのATTESA E-TSに対し、V specのほうはアクティブLSDとATTESA E-TSを統合制御したATTESA E-TS proというのに変わっています。当然ながら同じGT-RでもV specのほうが走りは上です。このNigel Watesさんの所有しているGT-Rは前者の単なるGT-Rってことです。単なるとは表現が悪いですかねぇ?笑 以上補足終わり。それでは続きです)チューンされた車は別として、このR specは外見上、ノーマルのV specとほとんど違いはありません。エンジン出力が物足りなかろうと、見た目は威風堂々とした車です。突き出たフロントリップスポイラーと、大きく開いたフロントグリルを有しているため、そのフロントマスクは見る人を釘付けにするでしょう。また、燃え上がるようなホイール造形はその力強く筋肉質なボディを引き立たせ、さらに可変型のリアスポイラーはこの車に強烈なレーシー感を与えています。90年代ルックとはなりましたけれども、この最も大きなボディを有する伝統的な丸目4灯スカイラインは、それよりも小さくスリムなR32の子孫であることは明らかです。この車を見て、少し質素で華麗さがないように感じる人も中にはいるでしょう。この車をドライブしてご覧なさい、そうすればすぐに無駄な装飾のないスタイリングが、スカイラインには合っているということが分かりますから。

 試乗してみれば、スカイラインに関する全てのことが、みなさんの期待から確信へと変わることでしょう。この車のファーストインプレッションはしっかりした車だなぁということです。ドライビングポジションは非常に優れていて、完璧だと思います。ペダル類は程良い重さで、ステアリングはしっかりしています(でも、ちょっと軟らかいような気もしますが)。乗り心地はポルシェRS並みにしっかりしています。そしてギヤシフトもしっかりしていて、駆動系も強化され精錬されているように感じます。以上のことから、スカイラインという車は思いを込められて作られた車だということが分かります。そして実に速く走ります。

 本気で攻めようとしなくても、スピードを得るのはたやすいことです。もし、シフトアップするとしても、決して5000回転以上は使えませんアクセルを踏むとしても、辛うじてハーフアクセルまで踏めるかどうかです。なぜならGT-Rは制限速度をあっと言う間に超えていってしまうからです。気を付けなければならないのは、みなさんがこの車でゆっくり走りたいときです。それは言うまでもなく、スカイラインがアクセルのon/offに素早く反応するピーキーな車ということです。これに搭載された2.6リッター直列6気筒エンジンの素晴らしい点はスムーズに吹け上がるということでしょう。そしてこのエンジンは高回転志向のツインセラミックターボによって暴力的な馬力とトルクを発生します。

以下続く・・・(この後は暇を見つけてアップします。内容的には馬力の異なる数種類のGT-Rの走行インプレッション、などについて書いてあります)


p78(本文の別枠)
skyline at down(スカイラインの夜明け)
 イギリスに於いて、我々はスカイラインGT-Rの現状について知る機会があまりありませんでしたが、それを紐解くためにまず、1960年代にさかのぼってみましょう。

 レーシングポテンシャルを持った車が必要とされたために、1969年、ある日本の大手自動車企業が初めてスカイラインGT-Rを発表しました。そしてその車は1970年代初頭には日本国内のチャンピオンシップで数々の勝利を修めていたのです。しかしながら、人も羨むようなブランドネームを打ち立てた後、スカイラインはセダンとクーペのボディを合わせ持つ陰気で箱形を基本としたつまらない車へと突き進んでいったのです。

 幸運にも日産は1980年代後半になってやっと正気に戻りました。ここに来て、誰もがスカイラインGT-Rとしてふさわしいと認めるデザインとボディを備えた車を作りあげたのです。それがすなわちR32です。ツインセラミックターボと素晴らしい4WDシステムを組合せた先進的なR32は、世界中のモータースポーツのレベルを一躍引き上げながらも、残念なことにイギリスに於いて一度も正規販売されることはありませんでした。

 最新型のR33が登場したときに、それは日産のフラグシップとしてのレベルを向上させたのです。R32よりもさらに洗練された4WDシステムを持ったこのR33 GT-Rは、ニュルブルクリンクサーキットでのラップタイムの向上、そして更なるカリスマ性を有していきました。ありがたいことに今回、このR33 GT-Rがイギリスにやってくることになったのです。


Translated by Hiro

English Pressに関するHiroの総括
後日、請うご期待!!!(笑)