外科学講座 消化器一般移植外科部門

Department of Surgery, Division of Gastroenterological, General and Transplant Surgery,Jichi Medical University

TEL.0285-58-7371

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教授挨拶

来たれ、未来の外科医達

- 共に目指そうmortality 0、morbidity 0

佐田 尚宏
消化器・一般外科 教授
東京大学 昭和59 年卒業

自治医科大学消化器・一般外科は、自由闊達な雰囲気の中、真のプロフェッショナリズムを目指す医局として、皆さんの来訪、入局をお待ちしています.自治医科大学は「医の倫理に徹し、かつ、高度な臨床的実力を有する医師を養成することを目的とし、併せて医学の進歩と、地域住民の福祉の向上を図ること」を建学の精神として1972 年に設立されました.自治医科大学建学の精神を踏まえて、附属病院が1974 年に開院し、消化器・一般外科学教室も同時に診療を開始しました.自治医科大学の特性上、卒業生は卒後9 年間の義務年限があり、栃木県出身者以外は自治医科大学附属病院で初期研修が出来ません.そのため、私たち医局員は、全国の医科大学・医学部(2017 年現在、出身大学数44 大学)から集まってきています.いわゆる学閥がなく、とても自由な雰囲気が私たちの医局の特徴です.2017 年は6 名の医師が新たに医局員として加わり、医局員数は75 名になりました.
私たちの医局は、消化器外科・一般外科領域全体を単一の診療科として担当しています.最近多くの大学病院外科が臓器別に分かれて診療を行っているなか、消化管(食道、胃、十二指腸、小腸、大腸)、肝胆膵脾、乳腺、副腎など広い分野をカバーし、それぞれの症例数も多く、high volume center として高いレベルの臨床成績を挙げています.
移植外科と共同で生体肝移植を、腎臓外科と共同で腎移植を行い、小児外科、形成外科とは消化器・一般外科学教室として、呼吸器外科、心臓血管外科とは外科学講座という枠組みで、協調して診療を行っています.外科医育成についても密に協力し、2018 年度から実施が予定されている新専門医制度に向けて、NCD 登録数約8,000 件、連携病院29 病院の研修プログラムを自治医科大学外科学講座として作成しました.栃木県・県南医療圏に属する当院は、栃木県内だけではなく、茨城県西部、埼玉県北部も医療圏とし、北関東の高度急性期・急性期医療を担当する最大規模の特定機能病院です.大学病院として高度な医療を提供するだけではなく、地域医療・救急医療の基幹病院としての機能もあり、救命救急センターでは多くの救急症例を受け入れ、多数の緊急手術も担当しています.
外科医としての一生を考える中で、generalist として仕事をする時期、specialist として仕事をする時期があります.
また、研究に従事することも含めて、当科では医局員のライフプランに応じた様々なトレーニングの場を提供しています.
外科医にとって臨床的なスキル、手術のスキルを向上させることは勿論ですが、それだけではなく博士号取得、海外留学、日本外科学会等の専門医・指導医、日本内視鏡外科学科等の技術認定医を計画的に取得していくことが重要で、当科では積極的に奨励、支援しています.自治医科大学にはブタなど大動物を用いた手術・トレーニングができる先端医療技術開発センター(CDAMTec)があり、最新の内視鏡外科手術機器に加えて手術支援ロボット(Da Vinci)の実機がトレーニング用に設置されています.当科では、若手医師を対象とした内視鏡外科手術トレーニング、レジデントを対象としたex vivo 消化管吻合トレーニングなどを定期的に開催し、連携病院派遣医師を対象とした手術手技セミナーを年3 回行っています.当科では臨床試験として今年度から手術支援ロボット手術(胃切除術)を開始する予定です.
外科医にとって質の高い臨床研究・基礎研究を行うことも大変重要です.外科臨床には、未だ解決されていない様々なClinical Question があります.その一つ一つに対して、科学の手法で基礎的、臨床的に検討していくことが、医療・医学の発展に繋がり、自身の能力の幅を拡げます.病院全体で研究活動をサポートすることを目的に、2016 年4月には附属病院臨床研究センター、臨床研究支援部を設置し、従来治験に対してだけ行っていたサポートを、広く臨床研究一般に対しても行えるような体制を整えました.
外科学は治療学です.治療学という学問であるかぎり、外科手術においてもEBM の手法を用いて最高の成績、すなわち「mortality 0、morbidity 0」を目指すことが外科診療においては最も重要と私は考えています.そのためには、外科手技のスキル向上だけではなく、診療のインフラ整備、組織としての強固な診療体制を構築することが必要不可欠です.当科では業務の効率化を行い、外科医の労働環境改善に取り組んでいます.質の高い診療を行うためには、私たち外科医がまず健康であるべきです.2014 年以降当直明けの手術参加を禁止しました.十分な休養を取って、万全の体制で手術が出来る体制の構築を目指しています.外科医が心身の健康を維持しつつ、ライフワークバランスを考えられる魅力的な職場環境を整備することで、より質の高い外科医療を提供していきたいと考えています.今年度も多くの方々がご来局されることを、医局員一同、心より期待してお待ちしています.

略歴:
1960 年01月21日生
1984 年03月 東京大学医学部卒業
1984 年06月 東京大学医学部第一外科研修医
1994 年01月 東京大学医学部第一外科助手
1994 年10月 Dusseldorf 大学医学部消化器科客員研究員
1996 年09月 キッコーマン総合病院外科部長
2000 年04月 自治医科大学消化器・一般外科講師
2003 年08月 自治医科大学消化器・一般外科助教授(准教授)
2007 年10月 自治医科大学鏡視下手術部、消化器・一般外科教授
2015 年01月 自治医科大学消化器・一般外科教授
2015 年04月 自治医科大学附属病院 病院長