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外傷性総頸動脈閉塞症におけるモニタリングと治療方法の確立

 
患者様・患者様の代理人の方へ

研究課題名 外傷性総頸動脈閉塞症におけるモニタリングと治療方法の確立
研究機関の名称 自治医科大学 救急科
研究責任者の氏名 田中保平
研究対象 2011年4月1日から2021年3月31日までに自治医科大学附属病院に入院し、外傷性総頸動脈閉塞症と診断された患者さんを対象とします。
研究の目的・意義 外傷性頸部血管損傷は頭から首にかけて走行している血管が胸部の挟まれ外傷や、外傷による頭頸部の異常運動によって損傷されることを言います。頭頸部には頭蓋内血管・内頚動脈・外頚動脈・椎骨動脈・総頚動脈が主な血管として認められ、どの血管が損傷したかによって分類されます。さらに血管の損傷形態から内膜損傷・動脈瘤・解離・血管閉塞・裂傷に分類されます。そもそも頭頸部血管損傷は鈍的外傷の3.5%程度に発生するとされており、稀な損傷形態ですが、上記の通り、外傷性総頚動脈閉塞症はさらに少ない損傷形態です。しかし、外傷性総頸動脈閉塞症は意識障害や麻痺などが出現することや最悪死亡することもある重篤な損傷です。治療として血管内にカテーテルを挿入して行う治療や、血液が固まりにくくなる薬(抗血小板薬)での治療、手術などが提案されています。また外傷性総頸動脈閉塞症に続発した脳梗塞に対しては抗血小板薬での治療や脳に詰まった血栓自体をカテーテルで回収する治療があります。しかし、特に重症外傷の患者では頭頸部以外にも損傷があることも多く、他の損傷との兼ね合いから外傷性総頸動脈閉塞症に対する治療が制限されることがあります。例えば外傷性総頚動脈血管閉塞に対して抗血小板薬を使用したいと考えても、他の部位に生じた怪我はそれによって出血がひどくなることが懸念されます。そのため外傷性総頸動脈閉塞症を認める多発外傷患者に対して抗血小板薬をどのようなタイミングで導入することが安全で有効かどうかということをこれまでの患者さんを対象として検証します。加えて、頭頸部血管損傷の場合、病院に搬送されたときは意識障害や麻痺がなかったとしても遅れてそのような症状が出現することがあります。例えばお話ができるかとか瞳孔の大きさとか麻痺がないかなどといったことを入院後に確認しておりますが特に夜間を中心として常に確認することが難しい場合があります。そこで、いつも集中治療や麻酔の際に使用している、おでこに貼付することにより意識がしっかりしているかを確認する装置などの波形や数値を解析して、脳梗塞などの合併症の早期発見ができないかを確認します。
研究方法 当科入院台帳から2011年4月1日から2021年3月31日までに当院で外傷性総頸動脈閉塞症と診断された患者さんを抽出します。診療録を用いて患者背景(生年月、性別、喫煙、飲酒歴、既往歴、合併症、内服薬など)や血液検査結果、画像検査結果、治療内容、入院期間、来院時および退院時の神経症状を確認します。意識状態のモニター数値および波形を解析します。研究のための採血は行いません。
研究期間 許可されてから、2024年3月31日まで
研究に利用する情報 患者さんの診療録より、以下の情報を使用いたします。

患者背景(生年月、性別、喫煙、飲酒歴、既往歴、合併症、内服薬、身長、体重、血圧、脈拍、SpO2、体温)、臨床検査(血液検査:Hb, 白血球、血小板、Dダイマー、フィブリノゲン、FDP、PT-INR、APTT、CRP, BUN, Cre, T.P, Alb, AST, ALT, ALP, γ-GT, Na, K, Cl)、頭頸部CT画像、頸部超音波検査、頭部MRI、頭頸部血管造影検査、外傷による損傷部位・治療介入内容・入院期間・来院時および退院時の神経症状(GCS, JCS, 四肢麻痺、感覚障害、視覚障害、複視、嗅覚障害の有無)。鎮静深度のモニター数値および波形を解析します。

患者さんの情報等が当該研究に用いられることについて、患者さんもしくは患者さんの代理人の方にご了承いただけない場合は研究対象としませんので、下記研究責任者までご連絡ください。ただし、連絡をいただいた時点で既に解析がおこなわれていたり、あるいは研究成果が学会・論文などで発表されている場合には、対象から外すことはできません。ご了承ください。なお、研究に参加されなくても不利益を受けるようなことは一切ありません。
研究に関する情報公開の方法 対象となる方のご希望があれば、個人情報の保護や研究の独創性の確保に支障がない範囲内で、この研究計画の資料等を閲覧または入手することができますので、お申し出ください。
個人情報の取り扱い

診療録から抽出する情報は、個人を特定できないように、研究責任者が氏名等、個人を特定できる情報を新しい符号に置き換えた上で研究に使用します。

データは研究責任者が救急医学部門においてパスワードを設定したファイルに記録しHDに保存し、厳重に保管します。新しい符号と個人を特定する対応表等も同様に厳重に保管します。研究終了後、直ちに試料・情報等を破棄・廃棄します。HDに保存した電子媒体上の資料はデータ消去用ソフトウエアにより消去します。

また、研究成果は、個人を特定できないようにして学会発表や論文などで報告します。

問い合わせ先および苦情の窓口 【研究責任者】
自治医科大学 救急科
臨床助教 田中保平
〒329-0498 栃木県下野市薬師寺3311-1
電話:0285-58-7395

【苦情の窓口】
自治医科大学附属病院 臨床研究センター管理部
電話:0285-58-8933

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