本学卒業生は2年間の臨床研修修了後、へき地等の病院や診療所に勤務するという特殊性から、最新の医学知識を吸収し、医療技術を習得する機会が少なく、また、身近な指導者が限られているという状況の中で実地医療につく場合があります。さらに、継続的な研修や実地に体験した地域医療を体系化するための研修、学会等に参加する機会に恵まれない場合があります。本学においては、このようなへき地等の第一線医療に従事する卒業生に対して、地域医療の資質の向上に努めることが不可欠であるとの見地から、生涯学習の一環として研修の機会の確保及び本学での研修の実施等に努めており、その主なものは次のとおりです。
平成16年度から臨床研修が必修化されましたが、本学卒業生は医師臨床研修マッチングに参加せず、各都道府県が指定する公立病院等の臨床研修指定病院において研修が実施されます。研修プログラムは、研修病院が国の基準に従って各々策定しますが、総合的なローテート研修となります。
本学卒業生は臨床研修修了後、へき地等の病院や診療所に勤務することとなります。へき地診療所等での勤務中は、身近な指導医に恵まれず、また、容易に研修会や学会等に参加しづらいという環境にある場合があります。
そこで本学としては、卒業生が最新の医学知識や医療技術に遅れることのないよう配慮し、医師としての勤務後5年目以降の適当な時期に2年間を臨床研修指定病院や地元医科大学、母校である本学に戻り、へき地等での医療経験を踏まえて、高度な医学知識や医療技術を習得する後期研修の実施を都道府県に依頼しています。
後期研修修了後は再びへき地等の第一線医療に従事し、習得した知識や技術等を地域住民に還元することによって、地域医療の質的向上に寄与することとしています。
本学での後期研修の実施について
本学での後期研修の実施を希望する方を把握するため、毎年12月に対象卒業生あてに次年度の後期研修実施希望調書を送付しています。希望される方はご記入の上、地域医療推進課までお送りください。なお、平成17年4月以降、後期研修生としての受入期間は、医学研究歴として認められることになりました。
短期実習研修は、へき地等の勤務で必要と判断される医療技術を希望に応じて短期間で集中的に習得できるよう配慮し、1・2週間のコースを設けて実施しているものです。内視鏡、超音波検査、透析をはじめとして、その他各講座でそれぞれカリキュラムが用意されています。なお、本学での研修希望者を把握するため、毎年12月に対象卒業生に対して次年度の研修希望調査を行っています。
後期研修の申し込みにあたっての留意事項
研修希望者は研修講座・時期・身分・給与等について、各都道府県の衛生主管部と十分協議をしてください。
「希望調書」に希望を記入のうえ、地域医療推進課にご返送ください。
申し込みを行う際は、衛生主管部の所属長の承諾及び依頼文が必要となります。
※出身都道府県(結婚協定締結者は該当時期に所属する都道府県)が、本学を後期研修先として指定していることが前提になりますが、まずは出身都道府県の内諾を得ることが必要です。都道府県の自治医科大学担当部署に相談してください。
短期実習研修の申し込みにあたっての留意事項
卒業生の専門医取得については、大学のホームページをご覧ください。
本学では、卒業生が総合医としての素養の上にサブスペシャルティを身に付けることも、地域医療の質的向上を図るために必要であるとの考え方から、臨床研修を修了した卒業生に対して、本学の研究⽣となる道を開いています
研究生となっても、卒業生の勤務の実態を考慮し、定期的に来学して教員の指導を受けることは義務づけておらず、へき地等に勤務しながら、メール、電話等により指導を受けられるような制度となっています。
お手続きの流れ
留意事項
*お問い合わせ先:地域医療推進課 卒後指導係(E-mail:chisui★jichi.ac.jp)
※上記の「★」記号を「@」記号に置き換えて下さい。
研究生に関する各種証明書について
証明書の発行を希望される方は、以下の該当する「申請書」に必要事項を記入し、押印の上、地域医療推進課まで郵送願います。
申請書が届いてから発行まで1週間程度要します。急ぎの方は、ご相談ください。
【郵送先住所】〒329-0498 栃木県下野市薬師寺33-11
自治医科大学 地域医療推進課
※英文を希望される方は、申請書備考欄に「英文」と記入してください。
自治医科大学卒業生以外の方へ
自治医科大学卒業生以外の方の登録手続きは、研究推進課が窓口となっております。登録を希望される際は各講座へアポイントを取った後、ご連絡願います。なお、各講座へのご紹介は出来かねますのでご了承ください。
<担当部署>研究推進課 研究支援係
・E-mail:shien★jichi.ac.jp ・TEL:0285-58-7550
本学卒業生は、卒業後直ちに出身都道府県に戻り、へき地等の第一線に従事することとなるため、本学の教育、研究、診療に携わることが困難な仕組みとなっています。この点、他の医科大学卒業生の大部分が卒業後も母校に留まり、専門医あるいは教員後継者として育成されていくのとは大きな相違があります。本学が、建学の趣旨に基づき、一貫した教育理念の下にへき地等の第一線医療に従事する医師を養成するためには、現にへき地等における第一線勤務を経験した卒業生のうちから、本学教員後継者を確保し、育成していくことが重要です。卒業生の教員任用によって、本学に特有の教育、指導に一層望ましい効果が期待できるものと考えております。
このような考え方にたって、本学としては、義務年限を終了した卒業生及び各都道府県の理解と協力の基に、義務年限内卒業生を本学大学院に進学できるようお願いしております。
また、本学では地域の医療現場で働きながら大学院で学べる「社会人大学院制度」を設けています。(義務年限を停止することなく学位取得が可能です。)
社会人大学院制度には4年間で学位論文をまとめることが難しい場合に、長期履修制度を活用する方法もありますので、具体的な内容については、学事課大学院係にお問合せください。
なお、義務年限内での入学については、出身都道府県主管課の承諾を得るようにしてください。
自治医科大学大学院医学研究科入試案内
○受験
出身都道府県主管課に相談して承諾を得るようにしてください。
○在学中の取扱い
義務年限を停止することなく学位取得が可能です。
○受験までの流れ
1. 専攻する講座主任教授に大学院入学希望の意志を伝える必要があります。
2. 講座主任教授からの推薦を受け、大学院受験候補者として卒後指導委員会で審議します。
3. 大学院候補者に決定後、本学と都道府県で入学の協議を開始します。
4. 入学するには人事配置の問題がありますので、都道府県の承諾が必要です。
5. 他の卒業生の同意を得ることも重要です。
都道府県との協議の結果、受験について承諾が得られたときは当課担当者からご連絡いたします。 また、追って募集要項等を送付いたします。
大学院在学中は、義務年限を停止します。
○大学院修了後の取扱い
・原則として出身都道府県において残余の義務年限を履行します。
・出身都道府県の理解が得られた場合は、本学の教員に任用します。
・本学の教員に任用したときは、
ア.教員の身分を保有したまま、出身都道府県に派遣することがあります。 イ.本学における学生教育に携わることを都道府県知事の指示に基づく勤務と同等に取扱い、 その在職期間を義務年限に通算することがあります。
大学院入学に関するお問合わせ先
●入学受験資格までの手続きに関すること
地域医療推進課 卒後指導係TEL:0285-58-7055
●入学試験の照会、願書請求等に関すること
学事課 大学院係TEL:0285-58-7477