自治医科大学

自治医科大学病理診断部

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病理診断科での研修を終えて

初期研修医2年目の時に2ヶ月間の病理診断研修を受けたHK医師

 私は元々病理診断に興味があり、今回初期臨床研修医2年目として2ヶ月間研修をさせていただきました。検体の切出しから診断に至るまで、また病理解剖など、事細かにご指導くださった病理診断科の先生方には感謝申し上げます。
 これまで学生として実習した経験はありましたが、研修医として各科をローテートし、実際に病理診断部へ診断を依頼する立場になった上での研修でした。そのため、病理医の立場になってまず学んだことは、病理診断依頼書をどのように記載すれば良いか、でした。頭では「しっかり記載しないと」と分かっていても各病棟での業務に追われると、ついつい面倒になってしまいがちです。しかし百聞は一見にしかずとはこのことで、依頼書に記載された内容と肉眼的・組織学的所見を照らし合わせながら診断を考えてみて、初めて臨床情報の重要性を痛感しました。今後臨床医として診断を依頼する際は、簡潔明瞭かつ診断に役立つ依頼書を心がけようと思います。
 研修中に最も勉強になったことは、解剖症例の病態について深く考えることができたことです。2ヶ月間で5症例の解剖に入らせていただき、1症例についてCPCの発表をさせていただきました。解剖では、画像所見で得られなかったことが肉眼的に明らかになり、臨床医が考えていた直接死因とは異なる死因および病態であった症例もいくつかありました。とても興味深く、病理解剖の必要性を実感しました。またCPCの発表では既往歴・治療経過・肉眼的組織学的所見を踏まえて、死亡に至る経緯および病態を細かく考察し、それをどのように伝えるか考えたことが非常に有意義でした。そしてその考察の上で、生前にもしこの検査が行われていれば、もしこの治療薬が投与されていたら、この症例の症状は改善したかもしれないという思いも生まれ、鑑別診断をしっかりとあげることの重要性も感じました。
 私はまだ将来進む診療科を決められずにいますが、今回の研修は病理医になる上でも、他の診療科に進むとしても非常に有意義な研修だったと言えます。この経験を生かし、医師として成長していければと思います。

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