自治医科大学

自治医科大学病理診断部

自治医科大学病理診断部

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2016年実習体験記

5年 原田 秀 (2016.1.7-2.3)

 今回、私が病理実習を選んで本当に良かったと思っているのには2つ理由があります。1つ目は、病理学は日々の臨床医学を学ぶうえでベースとなる領域であり、私が今まで学習するのに苦労していた多くの疾患を理解するのに、その手助けとなってくれたからだ。チューターの金井先生には、疾患について知識の記憶を手助けしてくれるような覚え方、理解の仕方を手取り足取り教えていただいた。 2つ目は、3年生の時の病理学実習でスケッチがCやD判定しかもらえず、繊維化や炎症細胞の浸潤、急性と慢性の病理像の違いなど、まったく理解できていなかったのを、病理学の先生方がマンツーマンで教えてくださったので、随分と病理が分かりやすく、楽しく思えたからです。臓器の切り出しや剖検を通して、改めて臓器の構造や機能について学習でき、苦手だった悪性腫瘍の癌の組織分類やステージ分類など、約1ヶ月かけて、勉強できたのは個人的にはすごく良かった。 将来的には消化器内科の道を考えていて、次のクールは消化器内科を回ります。消化器の腫瘍もたくさん触れて、消化器については病理学を通して理解を深められたと思います。また、理解が不十分だった産婦人科領域の腫瘍も、臓器の切り出しと診断を通して、先生方から教えていただくことで理解がしやすくなったように思います。1ヶ月の実習の中で、印象的だったのはやはり、臓器の切り出しで、外科実習ではなかなか触れる機会が少なかった臓器そのものを、触って自分で切り出しする作業です。臓器や腫瘍の大きさや固さなど、画像を通してではなく直に見ることで、刺激的な勉強をできたように思います。剖検ではまるで解剖学実習のように、ご遺体を開けて、どんな様子で剖検が行われるのか、緊張しながら見て触った。先生方の推測を聞きながら、自分も考えた。ニクヅク肝や心外膜炎のフィブリン沈着の様子などを丁寧に教わった。1ヵ月間、本当にありがとうございました。

5年 櫻井達哉 (2017.1.7-2.3)

 今回病理診断部を実習させていただいて、大変勉強になったと感じています。この実習を選んだ理由としては、剖検を見たことがなかったので、見学したいということと、外科のBSLを実習した時に、検体はどのように扱われていくかを疑問に思ったためです。 まず、剖検ですが、2例見学することができました。近年は剖検をする例が減っているということは言われていたので、機会があってよかったと感じています。剖検は、全てのことが初めてだったので、まず剖検の仕方から、臓器を1つ1つ見ていくこと全てがいい勉強となりました。また、剖検を通して、臓器の肉眼的な所見がとても大切だと感じました。検体の取り扱いに関しては、病理というと組織像がとても大切で、それを見ているイメージが強かったです。しかし、検体を取り扱うにあたってまずはしっかり肉眼的に見てそこから病変部位を十分に固定し、疑わしい部位に関して標本を作るという過程が大切なことがわかりました。どんなに組織像を見る力があったとしても、適切な場所で十分に固定された良い標本でなかれば診断することはできないということを感じました。 全体を通して、これは病理とは直接は関係ないのですが、カルテを書くことはとても大切だと感じました。病理診断部などでは、患者さんの情報は基本的にはカルテ上の情報でした。なので必要な情報がカルテに書いてあると、より何を希望して病理診断をするのかがわかるものだと考えました。患者さんがどういった状態でどのような治療を受けているかを、第3者にもわかりやすく書き留めておくことの大切さを実感しました。 将来、病理診断医として働く日が来るかはわかりませんが、病理診断部での実習は色々な分野に通じていることや、手術や生検などで検体を取る必要のある手技は多いのでどの診療科に対しても役に立つと感じています。また、チューターをしてくださった森田先生をはじめ、病理診断部の先生方は大変優しく、質問に対してとても丁寧に解説してくださり、実習環境としては、大変ありがたい環境であったと感じています。 この1ヶ月必修ではほとんど実習することがなかった病理診断部での実習を経験できてよかったです。ありがとうございました。

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