センター長挨拶

 

様々な疾患に対する新しい医療技術を創出することは大学病院の最も重要な使命です。そのためには、質の高い臨床試験を実施し、科学的なエビデンスを構築することが必須であると思います。自治医科大学附属病院では、2022年より、病院長の管轄のもと臨床研究センターとして組織統一し、医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師等の各種専門家が協力して、治験、臨床研究を推進することに努めています。新規テクノロジーの開発に伴う基礎研究の進歩によって、医薬品・医療機器の開発のスピードは年々加速されています。新たな医薬品・医療機器を開発するためには医学以外の分野と連携することが必要になることから、アカデミアの存在意義が今後ますます重要となってくることは間違いありません。

一方で、平成29年に「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」が改正、平成30年「臨床研究法」が施行され、治験・臨床研究に関する規制も厳しくなってきています。そういう環境下で、高い倫理性と科学的妥当性を持った治験・臨床研究が円滑に実施されるように、支援していきたいと考えています。

いちばん大切な事は、如何なる場合でも「患者さんの幸福」をprimary endpointとして追及していく姿勢を忘れないことに違いありません。本学発の新規エビデンスを創出し、国民の健康福祉に貢献できるよう努めていきたいと思っておりますので、皆さまのご支援・ご参画を心よりお願い申し上げます。

北 山 丈 二
(2023年1月)