総合診療内科 初期臨床研修
自治医科大学初期研修プログラムの中で、内科系9分野の一つとして総合診療内科を選択して研修することができます。
総合診療内科の初期研修では、急性、慢性を問わず、コモンな病気から診断が困難な症例まで幅広く経験が可能です。屋根瓦式の病棟研修を行い、「まず診る」という姿勢を持ちながら患者中心の医療を心掛けています。
疾患はバラエティに富み、急性期の患者管理はもとより、診断に至る過程(臨床推論)やプレゼンテーション技法、慢性期診療、医療から福祉への橋渡しを学ぶことができます。
研修内容(1~3ヵ月間)
病棟研修では、主治医、担当医、レジデントの屋根瓦式のチーム制で入院患者を担当します。また、チームの垣根を越え、全員で患者の診療に当たることを心掛けています。
不明熱などの診断がついていない患者の診断に至る過程(臨床推論)や複数のプロブレムを持つ患者の問題点の抽出や強弱の付け方を研修します。また、毎日のカンファレンスを通して、症例の要約やプレゼンテーション能力を磨きます。
到達目標
・基本的な診療能力(知識、技能、態度、判断力)を身に付ける。患者が抱える臨床上の問題を身体的、精神・心理的および社会的側面から全人的に理解し、適切に対処できる。
・チーム医療の原則を理解し、他の医療メンバーと協調できる。
・適切なタイミングで適切なプレゼンテーションを心掛け、対診(コンサルテーション)、患者紹介できる。
・(1) EBMの実践、(2) 臨床推論の理解、(3) 個別の技術としてインフォームドコンセント、近隣の医療資源についての理解、抗菌薬の使い方、超音波検査、胸水・腹水・髄液などの穿刺、CVライン挿入などの手技を習得する。
※初期研修医のスケジュール概略(2016年7月での例)
曜日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
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病 棟 研 修 |
午前 | 病棟カンファレンス 教授回診 |
病棟カンファレンス チーム回診 |
病棟カンファレンス チーム回診 |
病棟カンファレンス チーム回診 |
チャートラウンド チーム回診 |
午後 | センター合同会議 | 勉強会 ・予演会 | 放射線カンファレンス |
総合診療内科 後期臨床研修
研修目標:
病院総合医として、診療の場を問わず、地域や病院のニーズに応じて診療ができる幅広い臨床能力を獲得し、患者背景を理解しながら、チーム医療・地域包括医療の一員、そしてリーダーになるための素養を身につける。
資 格:
プログラム終了時には総合内科専門医取得を目標とする。
総合診療内科基本ローテーション:
【1年目】 総合診療内科6カ月、選択3カ月×2つ
【2年目】 総合診療内科6カ月、地域病院(2次病院)3カ月、選択3カ月(地域病院含む)
【3年目】 総合診療内科12カ月、希望があれば選択3カ月×1つ
総合診療内科研修は病棟診療を行いながら、指導医とともに週1回の初診外来診療を行う。
1年目は午後の急患当番を週1回指導医と供に行う。
2・3年目は、初診外来診療および午後の急患当番を各々週1回自立して行い、救急外来当直にもはいる。
1年のうち、選択3カ月は院外での短期研修も可能(研修先は自分で探すことを基本とするが、給与は大学より支払われる)。
選択の期間は当院総合診療内科研修も可とする。
教 育:
「教えながら学ぶ」を基本方針とする。知識・技術だけでなく、医師としての基本姿勢も含めた積極的な指導を医学生、初期研修医へ行う。初期研修医に対しては、テーマを選びレクチャーも行う。
研 究:
年に1回以上の学会発表(筆頭者)と、3年間で1編以上の英語学術論文投稿を目標とする。
次の講習会・研修会への参加を推奨する:
・ACLS (Advanced Cardiovascular Life Support)講習会(日本ACLS協会)
・JATEC講習会(日本外傷診療研究機構)またはPTLS (Primary care Trauma Life Support)講習会
・PEACEプロジェクト緩和ケア講習会
地域医療後期研修プログラムはコチラ
医学部教育
医学部4~6年生の臨床実習(BSL)のうち、4年生の総合診療内科実習(必修、3週間)を担当しています。また5・6年生の選択BSL(4週間)も受け入れています。必修BSLでは、2週間は病棟、1週間は外来での実習を行います。さらに、病棟の実習期間中に、高機能シミュレーターを用いた実習も組み込んでいます。
病棟実習(2週間)
病棟実習では、各病棟主治医チームに所属し、主治医、担当医とともに問診、診察を行いながら実習します。
外来実習(1週間)
外来実習では、地域医療学センター地域連携型医学教育・研修部門、新・小山市民病院のご協力を得て、院外の外来実習を行っています。