Vol.29  No.5 2010 


ビデオオンデマンドの展望

図書館長 浜本 敏郎  

  図書館では学内向け、一般向けのビデオをネットを通じて配信しています。登録タイトル数は2010年4月現在900本近くあり、うち300余りが一般向け、500余りが学内のみ(学外から見るにはIDとパスワードが必要)となっています。これらは学内で行われた講義、講演の中で講演者から許諾のあるものについて、主催者からの申請に基づき、図書館が撮影、編集して公開しているものです。講演者から一般公開の許諾の得られたものが学外公開され、学内のみ許諾があるものが、学内向けに公開されています。       著作権法の観点から引用されている図や動画が学術的引用の範疇におさまっているか、個人情報保護の観点から問題がないかなどについては、必要な場合は申請者に連絡しています。
 学外向けのビデオは全部で月間およそ500時間の視聴があります。検索語「医学 ビデオオンデマンド」でYahooを検索すると、トップかその次くらいに本学 図書館のページがリストされます(2010年4月現在)。Google、gooでは11位か12位で残念ながら2番目のページとなりますが、一般公開されている中では国内有数の医学ビデオライブラリであることがわかります。学外から本学のビデオを視聴している方の興味は様々でしょうが、NIHのPubMedの検索者の3割は患者さんか、その家族の方であるとされていることから類推するとかなりの割合でそのような方々が視聴されていることでしょう。
 このように国内でまずまずの認知度を得ている一般公開向けビデオに比べ、その倍近くのタイトル数のある学内向けは月間視聴時間数が一般向けの20分の1程度です。これが多いか少ないかは議論のあるところですが、共用試験の実施前は実技のビデオへのアクセスが急増したりする例もあり、各教室のホームページなどで関連する図書館のビデオを紹介していただけると、学生、院生、研修医の学習の助けになると思いますので、どうかよろしくお願いします。
 本学のビデオの特徴は卒業生が通信環境の必ずしも良くないところで視聴することを想定して、容量を抑えてあり、かつ64Kbpsといる超低容量のバージョンも同時に提供している点です。後者は画面は極めて小さいのですが、電話線でしかつながっていないところでも演者の声は聞ける点に利点があります。また低容量でも見やすいようにもっぱらプロジェクタ画面に集中しています。
 今後とも一層の学習環境の充実のため、ビデオの拡充にご協力を賜りますようお願い致します。
 なお、一般公開や、教育用は無償でビデオ化していますが、学内にも公開されないもの(学会発表用など)は有償でビデオ撮影を受け付けています。詳しくは図書館のホームページ「ビデオ教材制作業務」をご覧ください。

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