自治医科大学脳神経外科の特徴として以下のことが挙げられます。
1)経験できる症例数・内容が極めて豊富である
成人・小児病棟合わせて47床のベッド数を有し、年間約500件の手術を行っています。本学救命救急センターは1次から3次まですべての救急患者を受け入れており、頭部外傷や脳血管障害などの症例が日夜多数搬入されています。このため、脳外科的救急疾患に関し、通常は一般病院で経験する軽症例や発症超急性期症例から、大学病院として要求される高度治療まで幅広く経験することができます。また、近隣諸施設からは脳腫瘍や難易度の高い脳血管障害、難治性てんかんやパーキンソン病などの機能的疾患、小児脳神経疾患などの患者さんが多数紹介され、救急疾患以外の脳神経外科疾患も多数経験することが出来ます。
2)多彩な専門性
脳腫瘍や脳血管障害、外傷といった脳神経外科の基本領域はもとより、脳血管内治療、難治性てんかんやパーキンソン病などの機能的疾患および小児脳神経外科疾患などに対する脳神経外科治療、さらにはナビゲーションシステムや3D実体モデルなどを応用したコンピューター支援外科など、多岐にわたる専門性の高い分野を網羅しています。脳血管内治療部では年間140例を超す手術と270例を超す血管造影検査を行っています。てんかんについては、全国に8施設しかないてんかん拠点病院に選定され、高度なてんかん手術を経験できます。小児脳神経外科は大学病院では数少ない独立した科となっており、年間100例以上の多岐にわたる手術が行われます。このように、将来脳神経外科専門医取得後の選択肢も豊富であり、脳卒中専門医、脳神経血管内治療専門医、てんかん学会専門医、定位・機能脳神経外科技術認定医、神経内視鏡技術認定医などさらに専門性を高めることも可能です。
指導医(人数) | 9名 |
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専門医(人数) | 13名 |
指導医・専門医(氏名) | 川合謙介、 難波克成、 五味 玲、 益子敏弘、 中嶋 剛、 山口 崇 |
専門医師試験に合格可能な広範な知識と手技を身につけることが必須となります。具体的には顕微鏡下手術の習熟、脳血管撮影などの基本手技の習得、患者さんやご家族との円滑なコミュニケーションスキルなどが目標となります。
後期研修1年次 | 開頭手術を積極的に指導します。急性硬膜外血腫や急性硬膜下血腫などの外傷性頭蓋内病変をはじめ、定位脳手術などの特殊な機材を利用する手術の習熟を目指します。 |
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後期研修2年次 | 血管障害では高血圧性脳内出血の血腫除去術、腫瘍性病変ではグリオーマ摘出術や円蓋部髄膜腫摘出など、手術用顕微鏡を使用する手術の修練を開始します。血管内治療部での脳血管撮影手技の習熟も平行して行われます。 半年間の小児脳神経外科研修で多数のバリエーションに富んだ小児手術を研修できます。 |
後期研修3年次 | 顕微鏡手術にも習熟してきますので、破裂動脈瘤頚部クリッピング術などの上級者の手術も習熟度により機会が与えられます。 |
4年目以降 | 専門医に向けて、これまで培った脳外科手術手技をさらに習熟し、かつ、専門医試験に向けた系統的知識のための勉強会などを行います。カンファランスでは、上級医による模擬口頭試問なども行われます。 |
専門医師試験に合格可能な広範な知識と手技を身につけることが必須となります。具体的には顕微鏡下手術の習熟、脳血管撮影などの基本手技の習得、患者さんやご家族との円滑なコミュニケーションスキルなどが目標となります。
午前 | 月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
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7時45分 入院・手術・退院症例検討会 | 7時45分 脳卒中カンファレンス(脳神経外科・神経内科合同) | 7時45分 入院・手術・退院症例検討会 | 7時45分 入院・手術・退院症例検討会 | ||
午後 | 月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 |
手術、病棟処置など | 教授回診、抄読会、術前・術後検討会、放射線治療カンファ、リハビリカンファ(隔週) | 手術、病棟処置など | 手術、病棟処置など | 手術、病棟処置など |
自治医科大学附属病院さいたま医療センター、国際医療福祉大学病院、佐野厚生総合病院、協和中央病院、藤井脳神経外科病院、とちぎメディカルセンター下都賀病院、東京臨海病院、新小山市民病院、芳賀赤十字病院、古河赤十字病院、春日部中央総合病院、国際医療福祉大学塩谷病院、JCHOうつのみや病院
血管障害では脳動脈瘤頚部クリッピング術の手術手技と解剖の理解、腫瘍性病変としては神経膠腫や頭蓋底部髄膜腫の手技の理解、その他、血管内治療や機能的脳外科(てんかん外科やパーキンソン病に対する外科治療など)などの治療戦略の理解など広範な知識と技術の習得が必要です。当科では、各分野の専門家がそろっておりますので適切に指導することが可能です。
腫瘍:神経膠腫、髄膜腫、神経鞘腫、下垂体腺腫、頭蓋底腫瘍など
血管障害:脳出血、くも膜下出血、脳動静脈奇形、もやもや病、脳梗塞など
機能的外科:難治性てんかん、パーキンソン病、顔面痙攣、三叉神経痛など
外傷:急性硬膜外血腫、急性硬膜下血腫、脳挫傷、瀰漫性脳損傷など
先天性疾患:頭蓋骨早期癒合症、二分脊椎など
脳神経外科を究めたい、脳神経外科の手術手技を習得したい、脳卒中、脳腫瘍、血管内治療やてんかん外科などのサブスペシャリティーを確立したい、などなど、脳外科専門医を目指すみなさんのニーズに細かに対応していきたいと考えています。われわれと一緒に勉強してみませんか。