教育・研修のご案内

体験談

自治医科大学附属さいたま医療センターでの後期研修を終えて
徳島23期 兼田 裕司

私は平成12年に自治医科大学を卒業し、地元徳島の大学病院、県立病院の外科で研修を終えた後に地域診療に従事しました。2年間の地域診療を終え、卒後7年目にあたる平成18年4月から平成19年3月まで、後期研修を受ける機会を県から頂き、自治医科大学附属さいたま医療センターの外科で勉強させて頂くことになりました。
センターでの外科研修で、一番印象に残ったのはカンファランスの"熱さ"でした。センターでは、担当医が画像診断を元に術前診断、選択した治療法についてプレゼンテーションを行い、教室全員(大学院生も含めて)で検討するという形をとっています。画像診断で読んだ病変範囲が正しいか?深達度が正しいか?選択した治療法(術式)が妥当か?手術にあたって注意すべき他臓器の異常はないか?等々、出席された先生方と共に各項目についてチェックしていきます。このように、カンファランスでは厳しい目が光っているので、プレゼンテーションの準備にも自然と力が入ります。プレゼンテーション前日には、画像モニターに張り付きながら研修医と共にプレゼンテーションの準備を行い、その後に指導医のチェックを受け、問題がなければプレゼンテーションの許可が下ります。この課程を繰り返していくうちに疾患、画像診断、術式に関する理解が段々深くなっていくのが自分でもよくわかります。
手術では主に術者としてのトレーニングを受けました。術野展開の仕方、道具の選択、道具の使い方等、手術書を読んだだけでは学べない手術のポイントを丁寧に教えて頂きました。術後は病理標本を見ながら術前診断と合致するかどうか、術前に見落としていたリンパ節転移がないかどうか等をチームで検討します。最終的な病理結果が出ると、病期に応じて今後の治療法ついてチーム内で検討し、治療計画・検査計画を立てることになります。
このように手術手技の修練だけでなく、術前診断から術後の治療計画・検査計画まで、外科医に必要な一連の流れを学ぶことができ、大変有意義な一年間を送ることが出来ました。センターで研修できたことにより、今後自分が外科人生を送るにあたって、大きな土台を作ることができたと思います。
小西教授をはじめ指導医の先生方、関連病院の諸先輩方には大変御世話になりました。先生方から学んだことを生かしながら、今後も研鑽を積んでいきたいと思います。

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