新人看護職員臨床研修

■新人看護職員臨床研修

新人の1年間はとても大切な時期です。
基礎技術・態度・知識の習得ができジェネラリストナースとしての臨床実践能力の基盤を形成します。

臨床での医療の高度化・複雑化はめざましく、新人看護職員が看護基礎教育で修得した知識・技術だけでは安全な看護ケアを提供するのは困難な状況です。
看護専門職業人として、根拠に基づく看護実践のために必要な基礎的知識・技術・および社会人・専門職業人としての態度を卒後1年間で修得し、ベッドサイドケアが安全・確実にできることを目指したプログラムです。

この新人教育が基盤となり、状況を適切に判断できる力や応用力を育成するとともに、看護の社会的な使命を認識して生涯に亘り自己啓発できる看護実践者としての成長を目指します。


① 看護基礎技術研修概要

■看護基礎技術研修

〜基礎教育で培った力を現場で活かすための第一歩〜

看護技術を提供する上で必須となる患者の状態をアセスメントする力、安全配慮の視点、倫理配慮の視点、これらの視野を広げるための研修です。国家資格を持つ看護職員が勤務時間内で行うこの研修では、これから職業人として現場で経験を積み重ね看護実践能力を高めていくための基盤づくりを期待しています。

目的: 基礎となる看護技術を安全・安楽に提供するための基本的知識と技術と態度を習得する。
目標: 1.各研修プログラムの目標を達成することにより、看護業務基準・手順にそった看護技術を習得する。
2.各研修プログラムの目標を達成することにより、臨床の場面で起こりやすいインシデント・アクシデントにつながる状況が想定できる。

② 部署異動研修概要

■部署異動研修

〜部署を異動し、部署の特徴的な看護実践を学ぶ〜

患者ひとり一人は、既往歴や複数疾患を抱えて治療や検査に臨み、その健康障害も様々です。
医療が高度化するなか、多様なニーズを持つ患者・家族に寄り添った看護を提供するには、全人的に患者を看る実践力が重要です。
看護技術を提供する上で、個別に状態をアセスメントする力と安全への配慮の視点や倫理面での視点は欠かせません。
当院では安全な看護を提供できる看護職員として成長していくために、新人期の1年間は知識と技術と態度を統合し基盤作りをする大切な時期と考えています。

そこで、現在の医療のなかで欠かせない、周術期看護と抗がん薬投与に伴う看護の両方を経験できることを柱に部署異動研修プログラムを作成しています。配属先の病棟が変わることになりますが、新人教育プログラムの3クールの段階別の到達目標は院内で共通です。それに従って各部署が自部署の特徴的な疾患、治療や検査や看護技術について、専門性を学べるように学習支援計画を作成します。
各部署の教育担当者、実地指導者を始め、スタッフ全員が、しっかりサポートします。


③ 重症救急部門研修概要

■重症救急部門研修

〜患者さんの回復過程に沿ったチーム医療を知る〜

特定機能病院であり高度先進医療を担う本院では、専門性の高い各部署・部門が連携しチーム医療を提供しています。
救命救急処置や急変時の対応、人工呼吸器装着時の看護は、主にEMCやICU、CCUで行われており、モニタリングや呼吸・循環管理などの看護技術を経験できる場です。

また一般病棟では経験できない全身麻酔下にある患者への倫理的配慮や合併症予防などの手術室看護は、術前の心身の状態を整えたり、術後の疼痛コントロールやドレーン管理、合併症予防の看護を実践したりする際に大いに役立ちます。
チーム医療の一員として患者を全人的に捉え回復過程をふまえた看護を実践する上でも、こうした重症救急部門での看護を経験しておくことは重要です。


④ 他部門研修概要

■他部門研修

〜専門性の高い他職種の仕事に触れ、患者さんの生活を多面的に理解する〜

チーム医療の推進、多職種連携が求められるなか、高度医療を担う当院では様々な職種の医療スタッフが各々高い専門性を活かし、患者の状況に的確に対応した医療を提供しています。

他部門を見学し他の職種の業務内容や専門性に触れることは、互いの連携への理解を深めることや、患者の生活の流れや患者が受ける検査の状況をよりイメージしやすくなることにつながります。
組織のなかで看護の役割を考え協働する大切さを実感することを期待します。