研究室員

教授
Takayoshi Matsumura

教授ご挨拶

自治医科大学分子病態治療研究センター人類遺伝学研究部(2024年7月より、心血管・遺伝学研究部)のサイトへお越しいただきありがとうございます。2023年4月より当研究部を主宰しております松村貴由と申します。循環器内科との兼任で務めさせていただいております。

当研究部は2004年に法医学部門と分離する形で発足し、初代教授岩本禎彦のもと、当大学の建学の精神に沿って地域の医療・福祉に貢献すべく研究を行ってまいりました。特に当大学のとちぎ子ども医療センターでは栃木県内外から先天性稀少疾患の患児を多く診察させていただいており、そのような患児の遺伝子診断は当研究部の主要業務の一つとなっております。その流れを引き継ぎ、更なる発展を目指して日々精進していく所存です。

数年前に、1000ドルゲノム、という言葉がはやったように、近年の次世代シークエンサーの発達と急速なコストダウンの結果、個々の患者さんの遺伝情報が他のたくさんの方の遺伝情報とどのように違うか、ということを調べること自体は以前ほど難しくはない時代になってきています。

しかし、個々の患者さんのもつ多くの遺伝情報の違いのうち、どれがどのように病気と関連するかを明らかにすることはまだまだ難しいのが現状です。これはまだ次世代シークエンサーとコンピューターだけでは解決できません。遺伝情報の解析と併せ、細胞を用いた実験、マウスなどの動物を用いた実験が不可欠であり、ここに我々のような“遺伝子解析からマウス実験まで必要なら何でもやる”というスタンスの研究室の存在意義があると考えています。

また、私の師匠の言葉に、“病気を知るためには正常を知らなければいけない”というものがあります。特に、患者さんの診察をしながら研究に勤しむ医師の多くは疾患の研究のみに集中しがちです。しかし、多くの疾患の病態生理は非常に複雑であり、結局のところ正常な生命現象を理解しないと病気の原因もわからないことがしばしばです。若い研究者には短期的な成果にこだわらず長期的な視点で生命現象の本質を捉えるような研究の指導を目指しています。

さらに、最先端の研究成果も、それが日常の臨床業務をされている医師の皆様に伝わらなければ意味がありません。私は現在、日本循環器学会“心臓血管疾患における遺伝学的検査と遺伝カウンセリングに関するガイドライン”作成の班員を務めております。私たちの研究室の最終的な目的は患者さんの疾病治療・予防、健康促進ですので、このような対外的な活動も積極的に進めていきたいと考えております。

今後も当大学の建学の精神からぶれずに、研究・診療・教育をすすめて参ります。最後になりますが、当研究室はまだまだ小規模であり、私たちとともに研究をしたいという新しい力を必要としています。博士課程希望者を歓迎いたします。

2024年 2月
自治医科大学 分子病態治療研究センター 人類遺伝学研究部
教授 松村 貴由

略歴

平成10年
東京大学医学部附属病院 内科研修医
平成11年
茨城県日立総合病院 内科研修医
平成12年
榊原記念病院 循環器内科研修医
平成14年
東京大学医学部附属病院 循環器内科
平成18年
宮内庁侍従職 侍医
平成21年
東京大学医学部附属病院 循環器内科 助教
平成23年
東京大学医学部附属病院
臨床医学オントロジー 特任助教
平成26年
シンガポール国立大学
Senior Research Scientist
令和3年
自治医科大学 分子病態治療研究センター
炎症・免疫研究部 講師 (循環器内科 兼任)
令和5年
自治医科大学 分子病態治療研究センター
人類遺伝学研究部 教授 (循環器内科 兼任)
令和6年
自治医科大学 分子病態治療研究センター
心血管・遺伝学研究部 教授 (循環器内科 兼任)

専門

  • 日本内科学会 認定内科医
  • 日本内科学会 総合内科専門医
  • 日本循環器学会 循環器専門医

所属学会

  • 日本内科学会
  • 日本循環器学会
  • 日本心臓病学会
  • 欧州心臓病学会
  • 国際心臓研究学会(ISHR)日本部会

准教授・遺伝チームリーダー
Ayumi Matsumoto

小児科医で臨床遺伝を中心に研究しています。臨床と基礎をつなぎ、患者さんや社会に少しでも還元できれば、と考えています。また、遺伝カウンセラー養成コースの責任者をしています。ベテラン看護師さんや、助産師さんのやる気に刺激を受けながら、一緒に学ぶ日々です。遺伝カウンセラーと共に、遺伝の偏見がなくなり、希望される方が検査を受けられ、その恩恵(治療、健康管理、予防等)が受けられる社会を目指しています。まだまだ歴史の浅い自治医大遺伝カウンセラー養成コースですが一緒に学んでみませんか。

講師・心血管チームリーダー
Yasutomi Higashikuni

循環器内科を専門とするPhysician Scientist です。科学技術の進歩により、虚血性心疾患や心臓弁膜症などに対する低侵襲な治療法が確立しつつあります。その一方で、それらの病気の結果引き起こされる心臓の構造的・機能的障害(心不全)を治す方法はまだありません。
また、老化そのものが心不全を引き起こす原因となります。私の目標は心不全を根治する治療法を開発することです。
その実現のため、心不全の治療標的を明らかにする研究と自律的自己修復を可能にする新しい遺伝子・細胞治療基盤技術を開発する研究の二つに取り組んでいます。未来を切り開く治療法の開発に興味のある方はお気軽にご連絡ください。

助教
Hidetoshi Tsuda

農学系、医学系とバリエーション豊富な研究所、大学でポストドクターとして研究に従事してきた為、適応能力は磨かれてきた。2020年4月より現職。長く皮膚科学関連の仕事をしていたので、常に関心を持っている。研究の情報収集と同様、もしくはそれ以上に美味しい日本酒とウイスキーの情報収集を行っている。

博士課程学生
Tumurbaatar Suvd

モンゴル国立医科大学卒業。
2024年4月当研究室博士課程入学。小児先天性疾患の遺伝子解析に取り組んでいます。

研究員
Kota Shibayama

帝京大学理工学部バイオサイエンス学科に所属している学部生です。
2024年10月から心血管・遺伝学研究部に研究員として参加しています。
動植物や微生物、タンパク質、核酸、食品から医薬品実験など幅広い研究経験があります。
本研究室で最先端の解析手法や技術を学び、病気の本質にせまる研究に楽しく取り組んでいます。将来的に、新しい治療薬の開発につながる仕事をしたいと思っています。
趣味はカラオケです。

  • 教授(数学、総合診療内科兼任)
    Hiroshi Okuda

  • 客員教授
    Sadahiko Iwamoto

    当研究部初代教授。現在も学生教育や研究のあらゆる面でサポート。

  • 研究参加(臨床薬理学)
    Daigo Sawaki

    心筋生検サンプルの解析などで共同研究。

  • 研究参加(循環器内科)
    Kenta Fujimura

    2023年、当センター炎症・免疫研究部で学位取得。現在、循環器病棟、先天性心疾患外来担当。

  • 修士学生
    Chisato Kameyama

    遺伝カウンセラー養成コース

  • 修士学生
    Mayumi Ishikawa

    遺伝カウンセラー養成コース

  • 研究補助員
    Kayo Nagashima

  • 研究補助員
    Yukiko Oshima

これまでの在籍者 Alumni

  • 在籍時:講師
    Kazuhisa Watanabe

    当研究室にて生活習慣病関連遺伝子の同定・解析を行ってきました。2024年4月より東京家政大学栄養学科准教授。

  • Mikiko Fukaya

    2024年遺伝カウンセラー養成コース卒業。

  • Hiroko Wakabayashi

    2023年遺伝カウンセラーコース卒業。当院看護師。2024年10月認定遺伝カウンセラー試験合格。

  • Natsumi Kobayashi

    2023年遺伝カウンセラー養成コース卒業。当院助産師。2023年10月認定遺伝カウンセラー試験合格。