教授挨拶

教授 前門戸 任

 当医局は呼吸器疾患全般を扱う科です。
呼吸器という臓器は一般にはガス交換、体内に酸素を取り入れ二酸化炭素を排出する器官ですが、その機能が途絶えると生命維持が一瞬で立ち行かなくなる重要臓器です。すべての血流は肺を通過することから肺が血流内因子のトラップの場所であり、分泌場所でもあります。また、皮膚と同様、吸気を通じて外界に真っ先に触れる器官であり、そのことから病原体や各種有害物質の暴露を受け、炎症およびアレルギーを起こしやすい器官でもあり免疫の活躍する場でもあります。肺のメカニクス、アレルギーを含めた免疫、それに加え画像診断、テクニカルな気管支鏡と様々なことが学べるのが呼吸器分野です。呼吸器は老化の影響を受けやすい臓器の一つです。高齢化が問題となる呼吸器に関する患者は増える一方です。悪性腫瘍の発生場所としても消化器系の次に位置し、死亡率はトップです。これからますます重要性が増す呼吸器診療です。
 呼吸器病学は確実に進歩してきていますが、解明されたことは一部でまだまだ解明されなければならない点があります。皆さんと一緒にこの気道・肺について学び、研究し、多くの患者さんの役に立てればと思います。

 呼吸器は様々な体の中の臓器と関連してますから、呼吸器以外の臓器、疾患に対しても専門性に逃げ込むことなく、内科医として、また、医師としてオールラウンドの対応ができることが理想です。そこは自治医科大学の学是とも一致します。すべてを知ることは不可能ですが、様々なプロブレムから逃げない姿勢から患者さんの利益に、また、新しい発見につながるのかもしれません。一緒に楽しく学び、研究していきましょう。

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