教授挨拶

教授 萩原 弘一

医学は広大な学問で,どの分野を起点として学んでも興味深く,やりがいは尽きません
どの分野にも患者さんがいて,未解決の問題があり,未知の疾患が潜んでいます.

呼吸器病学に入るきっかけは様々なものの,呼吸器病学の魅力に魅せられ,専門とした,自治医科大学呼吸器内科は,そんな人たちの集まりです.

呼吸器内科を眺めてみると,予期しないほど広い領域の疾患があることに驚きます.かぜ,気管支喘息,COPDのようなcommon diseaseは町の医療機関を受診する患者さんの大きな割合を占めます.救急で病院に搬入された人には,重症肺炎,激症の肺障害がしばしばみられ,その対応がそのまま救命の可否を分けます.高齢の方の死亡原因の相当部分は肺炎です.そして,肺癌は日本人16人に1人の死亡原因にまで増えてきました.肺は,生命に直結する,代替の効かない臓器のため,呼吸器診療のレベルは患者さんの命に直結します.

難病をいつか解決してみたいという若い挑戦的な医師には,長く精力的な世界的挑戦にもかかわらず,原因や確たる治療法が明確でない,特発性肺線維症,間質性肺炎という未開の大荒野が残っています.

呼吸器病学は,いつも我々を魅了しています.我々は,そこにある様々な問題を,解決し続けていきたいと思っています.

我々は,同じ病気の患者さんに,いつも同じ治療を行っているわけではありません.一回ごとに経験を積み,情報を仕入れ,改善しています.情報がない場合は臨床試験に参加し,臨床試験を設計し,新たな情報を提供することを目指しています.そして,そこで得た知識,技術,経験を,後進の医療者に伝えています.患者さんには,新たに得た最新の知識に基づいて説明し,心のケアを行っています.卒業生が全国で活躍するという自治医科大学の特色は,このような情報,経験の集約,分配に極めて適しています.そこで得られた成果は,そのまま日本全体の医療レベル向上につながります.

我々は,大学の特色を生かしながら,医学というわずかに登った坂道を,一歩一歩登っていき,明日の医療を目指す「知の挑戦者」でありたいと思っています.より良い医療の創出を目指し,日々の診療,教育,研究を行っていきます.

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