遺伝子治療シンポジウム

小児難治性神経疾患に対する 遺伝子治療シンポジウム開催のご報告

2015年1月30日 東京駅近く フクラシア東京ステーションにて
「小児難治性神経疾患に対する遺伝子治療シンポジウム」を開催いたしました。

予想を超える参加者の方にご参加いただき、盛況となりましたことをこの場を借りて心より御礼申し上げます。

会場には、2015年6月と7月に、AADC欠損症に対する遺伝子治療を受けられたご兄妹とご家族、また、その後に治療を受けられた患者さんのご家族がわざわざ足を運んでくださいました。
 遺伝子治療前は、ご兄妹お二人とも首も坐らず、自分で体を動かす事ができませんでした。
 しかし、遺伝子治療後、7か月経過したお兄ちゃんは首が座り、少しの支えで坐位保持ができ、電動車いすを左手で操作し移動する練習をしています。また、遺伝子治療後6か月経過した妹さんは、寝返りし、歩行器を用いて歩行練習し、自力で前に進んでいます。
 治療を受けられた方々が元気に改善していく姿は、参加者・関係者に感動を与えてくれました。

小児難治性神経疾患に対する 遺伝子治療シンポジウム〜AADC欠損症での有効例の報告〜
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シンポジウムは、「AADC欠損症に対する遺伝子治療の臨床研究」主任研究者 自治医科大学 小児科 山形崇倫先生のご挨拶ではじまりました。
 第1部「神経伝達物質病とAADC欠損症」は、主に医師・研究者向けの内容でしたが、カテコールアミン代謝・AADC欠損症についての基礎研究(東京工業大学 一瀬宏先生)から、現在検討中のAADC欠損症の診断・治療指針作成(自治医科大学 小坂仁先生)、また、台湾で行われているAADC欠損症の新生児スクリーニングの効果(国立台湾大学 Ni-Chung Lee先生)などわかりやすくご講演いただきました。AAVベクターを用いた他の疾患への遺伝子治療(自治医科大学 村松慎一先生)、数少ない小児に対する定位脳手術への取り組み(自治医科大学 中嶋剛先生)など、今後の治療発展に関わるお話をいただきました。

第2部「AADC欠損症に対する遺伝子治療」は、市民公開講座として開催いたしました。第2部に先立ち、日本医療研究開発機構(AMED)戦略推進部 山田康秀先生からは、AADC欠損症の遺伝子治療に対する温かいご挨拶をいただきました。
 神経伝達物質病の歴史から日本で初めてAADC欠損症と診断されたご兄弟について(昭和大学 加藤光広先生)、今年度AADC欠損症の遺伝子治療を受けられた4名中3名の治療効果(自治医科大学 小島華林先生)、台湾で行われているAADC欠損症の遺伝子治療のご報告(国立台湾大学 Wuh-Liang Hwu先生)、代謝・神経疾患に対する遺伝子治療の展望(東京慈恵会医科大学 大橋十也先生)と多岐にわたる内容でした。
 AADC欠損症の遺伝子治療を中心に、他疾患への応用・発展が期待される遺伝子治療について活発なディスカッションが行われ実りの多いシンポジウムとなりました。

第1部 神経伝達物質病とAADC欠損症

司会
水上 浩明 先生
(自治医科大学 分子病態治療研究センター遺伝子治療研究部)
① カテコールアミン代謝とAADC欠損症
一瀬 宏 先生
(東京工業大学 大学院生命理工学研究科)
② AADC欠損症の生化学的・遺伝学的診断と診断・治療指針
小坂 仁 先生
(自治医科大学 小児科学)
③ AADC欠損症の新生児スクリーニング
Ni-Chung Lee 先生
(Department of Pediatrics and Medical Genetic
 Children's Hospital Building National Taiwan University Hospital)
④ AAV ベクターを用いた遺伝子治療
村松 慎一 先生
(自治医学大学 神経内科学
 東京大学医科学研究所 遺伝子・細胞治療センター)
⑤ 小児に対する定位脳手術
中嶋 剛 先生
(自治医科大学 脳神経外科学)

第2部 AADC欠損症に対する遺伝子治療

司会
山形 崇倫 先生
(自治医科大学 小児科学)
挨拶
山田 康秀 先生
(日本医療研究開発機構(AMED)戦略推進部企画課)
① 神経伝達物質病とAADC欠損症の臨床
加藤 光広 先生
(昭和大学 医学部 小児科学)
② AADC欠損症治療経過報告
小島 華林 先生
(自治医科大学 小児科学)
③ AADC欠損症遺伝子治療ー台湾での経験
Wuh-Liang Hwu 先生
(Department of Pediatrics and Medical Genetic
 Children's Hospital Building National Taiwan University Hospital)
④ 代謝・神経疾患に対する遺伝子治療の現状と将来
大橋 十也 先生
(東京慈恵会医科大学 総合医科学研究センター
 遺伝子治療研究部・小児科)

最後に、関係者・有志による記念撮影を行いました。 2015年6月に遺伝子治療を受けられたお兄ちゃんが、大喜びで山形先生の頭を撫でる姿に、一同 笑みがこぼれました。これこそ「遺伝子治療の効果!」


小児難治性神経疾患に対する 遺伝子治療シンポジウム
〜AADC欠損症での有効例の報告〜

「遺伝子治療でひらく!小児神経疾患治療の未来」と題して、
小児難治性神経疾患に対する 遺伝子治療シンポジウムを開催いたします。

日時:2016年1月30日(土)14:00〜17:15

  • 第1部 14:00〜15:25 (医師・研究者向け)
  • 第2部 15:40〜17:15 (市民公開講座)

場所:フクラシア東京ステーション 6F 会議室D

(アクセス)https://www.fukuracia-tokyo.jp/access/

参加費は無料です。

第1部・第2部とも、どなたでも参加できます。

  • 第1部は、医師・研究者向け
  • 第2部は、市民公開講座   として開催します。

事前登録

事前登録をお願いしています。(当日参加も可能です)
 参加申し込み:シンポジウム事務局 aadc-2016@jichi.ac.jp まで、
 下記「参加登録フォーマット」内容をお送りください。

遺伝子治療シンポジウム 参加登録 フォーマット

  1. ご氏名(複数で参加される方は、代表の方のお名前と参加人数をお願いします):
  2. E-mail:
  3. ご連絡先(E-mail以外でありましたら)
  4. 所属等:
  5. 連絡事項:

(お申し込み後、3日以内に事務局より返信メールをお送り致します。3日経っても返信メールが来ない際は、
自治医科大学  [電話番号:0285-44-2111(代表)] 小児科 までお問い合わせください。)

シンポジウムの目的

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