トップ > 医学部 > 分子薬理学部門 > 研究内容

自治医科大学医学部薬理学講座 分子薬理学部門

研究内容

バゾプレッシン受容体をターゲットにした創薬研究(輿水、土屋)

生体内のホルモンは受容体タンパク質に結合することによって作用します。治療薬の多くはこの受容体と結合し、ホルモンが本来持つ作用を増強あるいは阻害して効果を発揮します。私たちは下垂体後葉ホルモンのバゾプレッシンに対する受容体の特にV1aとV1b受容体について、ノックアウトマウスに見られる異常をヒントにゲノムを解析するツールを用いて、中枢神経系や循環器系疾患の治療薬を開発するための研究を進めています。



臨床で用いられる医薬品のトキシコゲノミクス研究(土屋、輿水)

臨床で用いられる薬でも治療効果のほかに有害反応(副作用)を来す危険性が常に伴います。有害反応の発生機序を理解し、これ防ぐ手段を開発することによってより安全な薬物治療を確立することを目指します。研究には網羅的遺伝子発現解析を取り入れ有害反応を予測するためのマーカー分子や有害反応の惹起に重要な分子を探索します。

麻薬性鎮痛薬の作用と有害反応の発生機序解明(土屋、輿水)

モルヒネを代表とする麻薬性鎮痛薬は古くから使用され研究も盛んに行われてきましたがその作用機序には未解明な部分も多く、有害反応(副作用)も伴うことが知られます。有害反応には例えば繰り返し使用することによる鎮痛効果の減弱や身体的あるいは精神的薬物依存が挙げられます。私たちはゲノム解析の新しい手法を用いてこの古くからの疑問に挑戦し、より効果のある、かつ副作用の少ない鎮痛療法の開発を目指しています。

視床下部での生理活性物質の作用に関する研究(土屋、輿水)

視床下部は体温調節、食欲、覚醒-睡眠、生殖など動物の生存に必要な様々な生理機能の中枢を担っています。しかしながら、そのメカニズムはほとんど解明されていません。そこで、当研究室ではそうした生理機能の基盤となっている分子メカニズムについて研究を行い、創薬や毒性発現解析につながる因子の同定を試みています。特に現在は視床下部に豊富に発現するプロスタグランジン受容体について、その中枢作用に注目して解析を進めています。



腎尿細管におけるカリウム排泄調節機構の解明(谷口、輿水)

カリウムの細胞外液濃度は、カリウム摂取量の多寡にかかわらず3.5-5mEq/lと大変狭い範囲に調節されており、低カリウム血症では神経や骨格筋の興奮性が抑制されて力が入らなくなったり、逆に高カリウム血症では心停止の危険に見舞われます。この大切なカリウム濃度の調節は、腎臓の遠位尿細管管腔側膜のカリウムチャネルを経由するカリウム分泌の調節によって行われており、私たちはこの調節メカニズムをパッチクランプ法や単離尿細管灌流法を用いて研究しています。



チャネル結合分子の発生過程における役割の解明(水野、輿水)


連絡先:
郵便番号 329-0498
栃木県下野市薬師寺3311-1
自治医科大学医学部薬理学講座分子薬理学部門
輿水崇鏡(こしみず たかあき)
t_koshi@jichi.ac.jp(@を半角に書き換えて下さい)