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室長 ご挨拶

リハビリテーションというのは、habilis(適した)というラテン語から出たhabilitareという動詞にre(再び)という接頭語がついて出来上がった言葉ですが、本来は医学用語ではありませんでした。
もともと中世においては、領主や教会から破門されたものが許されて復権することを意味しました。
リハビリテーションは主としてヨーロッパ的世界に生まれた理念ですが、第二次世界大戦後のアメリカで大きく発展してきました。
日本では、半世紀ほど遅れてリハビリテーション専門技術者(理学療法士・作業療法士)の教育が始まり、昭和41年に理学療法士183名、作業療法士22名が誕生しました。
当院リハビリテーションセンターは、第1回理学療法士国家試験合格者の一人であった谷岡淳氏が初代室長に就任、理学療法部門のみでスタートし、リハビリテーションセンターの礎を築きました。
昭和50年以降は、作業療法部門、言語聴覚療法部門を加え、栃木県内の機能訓練事業や乳幼児健診、地域家庭診療センターからの訪問リハビリテーションと、行政事業を加えた総合的なリハビリテーションサービスの提供に至りました。
平成13年には現在の場所に移転、平成15年からは2代目室長として金子操氏が就任、リハビリテーションセンターをさらに発展させました。
平成18年9月にはとちぎ子ども医療センターがオープンし、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士を@骨関節、Aがん総合、B呼吸、C神経、D循環、E発達の6チームに編成した現行体制となりました。
附属病院・こども医療センターとも入院早期から多職種と連携した総合的な支援を行っております。
また、とちぎ子ども医療センターでは、就学前を中心とした発達支援などの外来診療も行っております。
附属病院でも心臓リハビリテーションにおいては、近隣で提供できる施設が少ないことから、外来診療を行っております。
我が国では、少子高齢化の急速な進行と超高齢社会の到来、また、貧困化、人口構造や世帯構造の変化、要支援者・要介護者の増大、認知症者の増大など、保健医療を取り巻く環境は大きく変化しております。加えて、医療・介護ニーズの増大および多様化が見られます。
このような中、当リハビリテーションセンターの果たす役割は、大学病院・特定機能病院として、安全・安心な医療を提供し、さらに重症化・再発を予防し、早期からこれからの生活を見据え、地域につなぐことと考えております。
今後も、リハビリテーションセンターの理念である、生活の再建を支援、QOL(生活の質)向上の支援、全人的復権の支援に努め、さらに、栃木県を中心に近隣地域でのリハビリテーションの普及発展により一層貢献して参りたいと思います。