自治医科大学アレルギー膠原病学では毎週医局員が交代で抄読会を行っております。
今回、私は肝周囲炎を発症した男性を担当したことから(結局その方はSLEだったのですが)、男性に発症したFitz-Hugh-Curtis症候群について2件の報告を紹介させていただきました。Fitz-Hugh-Curtis症候群は女性発症の疾患でありますが、ごく稀に男性発症例がみられます。女性の場合は生殖器経由で腹腔内にクラミジアが侵入することで発症しますが、男性の場合はリンパ管経由で感染すると考えられているようです。クラミジア抗原や抗体が検出できない場合もありその時は腹腔鏡での診断を行うようですが、私の症例も同様の提案をしたところ断られてしまいました。腹腔鏡は侵襲性の高い手技であり、こちらもはっきりとFitz-Hugh-Curtis症候群だと言える確証がなく、男性の肝周囲炎の診断は難しいものだと思ったものでした。
担当 Y