自治医科大学アレルギー膠原病学では毎週医局員が交代で抄読会を行っております。

Characteristics and Outcomes of Patients with Systemic Lupus Erythematosus-associated Thrombotic Microangiopathy, and Their Acquired ADAMTS13 Inhibitor Profiles. J Rheumatol 2018 45(11):1549-1556.

目的:SLE関連TMAを、ADAMTS13インヒビターの有無によって特徴と予後に違いがあるか どうか調べる。

方法:臨床的にSLE-TMAと診断された31人の患者を分析した。

結果:19人がSLE関連TMAとされ、そのうち6人がADAMTS13インヒビター陽性、ADAMTS13活性著減だった。インヒビター陽性例(n=6)は、陰性例(n = 13)と較べて血小板数が低く(7.3 ± 5.1 vs 25.0 ± 17.8 109/l, p = 0.005)、中枢神経症状が多かった(100% vs 23.1%、p = 0.003)。インヒビター陽性例は腎機能障害が軽度で(eGFR)(112.7±18.0 vs 21.6±12.0、p <0.001)、尿蛋白が少なく[0.6 (0.22.5) vs 8.1 (5.214.0)g/日、p = 0.011]、平均血圧が低かった(95.3 ± 13.6 vs 117.5 ± 13.1 mmHg、p = 0.008)。インヒビター陽性症例は全例が平均18.6 ± 8.7日以内に完全寛解したが、インヒビター陰性例は、血漿交換を受けた割合が多いにも関わらず(100% vs 50%、p = 0.021)、中央値5か月間の追跡で3例(23.1%)しか寛解しなかった。インヒビター陽性では、陰性と較べて10.8倍完全寛解になりやすかった。

結論:SLE関連TMAでは、後天性ADAMTS13欠損は、重篤な血小板減少症、中枢神経症状、軽度の腎障害、速やかな改善、比較的良い治療反応性と関連していた。

コメント:当科で経験したADAMTS13活性著減例は予後不良だったので、この論文の結論とは異なりました。

担当 N