自治医科大学アレルギー膠原病学では毎週医局員が交代で抄読会を行っております。

出典:European journal of neurology 2021;28:3201-3210
より、
Rheumatoid meningitis : A systematic review and meta-analysis
を読みました。

リウマチ性髄膜炎130例のレビューです。
発症様式は一時的な巣症状が多く、そのときの関節リウマチの
活動性や罹病期間が予後に関わってきます。全脳MRI所見としては
片側も両側もあり、硬膜より軟膜が圧倒的に多く、主に前頭・側頭
領域に生じます。このMRI所見のほか髄液や生検結果で診断する
こととなり、生検ではリウマトイド結節や血管炎の所見を一部の例で
得ています。治療はステロイドパルスおよび種々の免疫抑制剤ですが、
寛解導入にTNF-α阻害薬は推奨されません。
関節リウマチ症例における髄膜炎は、すでに免疫抑制療法下にある
ことが多く感染性をまず考えますが、一部には原病由来という例
もあり、注意が必要だと思いました。

担当 S