自治医科大学アレルギー膠原病学では毎週医局員が交代で抄読会を行っております。

今回は、Journal of Clinical Rheumatology vol.24 (7) October 2018 から、関節リウマチ (RA) 治療中の患者で、ニューモシスチス肺炎 (PCP) ST合剤による予防開始基準案を提唱した、日本からの報告です。

筆者らは、19人のPCP発症患者と2621人のコントロール患者を比較し、以下のPCP発症のリスク因子を抽出しました。

1. 年齢が65歳以上、2. MTX 6 mg/週以上の内服、3. PSL 5 mg以上の内服、4. 免疫抑制薬2剤以上の使用

これらの因子を多変量解析し、オッズ比を元にスコア化して、5ポイント以上は、ST合剤による予防開始が推奨されると結論付けました。

これらの結果は、今後、前向き研究で検証する必要がありますが、元々RA患者ではPCPの発症率は低いため、単施設での検証は困難であり、厚労省研究班などでの多施設での検証が望まれます。

 

文責 永谷