自治医科大学アレルギー膠原病学では毎週医局員が交代で抄読会を行っております。
今回の抄読会では、視力低下を呈した原因不明の肥厚性硬膜炎の方が入院していたこともあり、日本での肥厚性硬膜炎の全国調査に関する論文を取り上げました(J Neurol Neurosurg Psychatry 2014;85:732-739)。
159例の症例をまとめており頭痛が最も多い症状で、次いで視力障害の頻度が高いそうです。特発性と診断されることが多いようですが、その他はANCA関連血管炎、IgG4関連疾患が主な疾患でした。最近のポルトガルからの報告ではサルコイドーシス、シェーグレン症候群、関節リウマチの症例などもあるそうです(Neurological Sciences 2019;40:543-551)。日本内科学会誌にはリウマチ性髄膜炎の症例も報告されています(2020;109:282-287)。
肥厚性硬膜炎の症状と基礎疾患について学ぶためにとても勉強になりました。
担当 S