自治医科大学アレルギー膠原病学では毎週医局員が交代で抄読会を行っております。
当科では近日、抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎を診療することが多くなってきました。近年では抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎は学会や勉強会でも活発に議論されており、それゆえに認知度が上がってきたことから診断されやすくなっているのかもしれません。今回、京都大学の発表した抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎の前向きデータを紹介しました。この疾患では急速進行性肺炎を合併することはよく知られていますが、それらはより早期に3剤併用療法を開始し、必要であれば早期に血漿交換を併用することで重症化がふせげるとのことでした。また、感染症の合併によって間質性肺炎の悪化が見られたことも報告しており、より早期の治療介入とこまめなモニタリングが重要であることが示されていました。筋炎を日常的に診療している当科にとって、抗MDA5抗体は常に念頭におくべき疾患であることを忘れずにいたいと思います。
担当 Y